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二章 ハーレムルート

僕は今から怒られますか?

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「んん゛ん゛っんふぅん」

目覚めると身体中に噛み痕やキスの痕がある。
ライアン様の部屋に突撃してエッチが始まったのは覚えてる。
けど、いつの間に気絶しちゃったんだろう?

気持ちいい目覚めなのに部屋にライアン様が見当たらない。

どこ行っちゃったの?

ガチャ

ロックの解除音が響き扉が開いた。

寝返りを打てばライアン様が現れた。
ベッドから起き上がり走り出そうとするも、まだ裸だったのが気になった。

僕の服…僕の服は…あった。

上の服はすぐに見つかったのにズボンとパンツが見当たらない。

どこに置いちゃったんだろう?

少し悩んだけど、ここはライアン様の部屋だから下はいっか。
最近は尻尾の為にズボンをずらして履くので、上の服は大きめのを選んでいるから見えることはない。

ベッドから出てライアン様に抱き付いた。

「ライアンさまぁ。」

「シャル…」

「んー」

朝のおはようのキスを強請れば、してくれた。

気持ちいい。

「んふふ…ライアンさまぁ。」

ライアン様の胸に顔を埋めた。

「シャル話がある。」

話?なんだろう?

ソファに導かれライアン様が先に座ったので、ライアン様の膝の上に横座りした。
首に腕を回しライアン様の首にキスを沢山贈る。
僕からしたらとても大胆な行動で、もしかしたら怒られるかなって思ったけどライアン様は全てを許してくれた。
首だけでは満足できず顎から唇に辿り着き、ペロペロと舐め唇を重ねると口が開き舌が出迎えてくれた。
嬉しくなって僕の方が懸命に舌を絡めた。
どのくらい続いたのかは定かではないが、僕が満足するまで終わらなかった。
唇を離し首に沢山の痕を残す。

ライアン様の服を捲ろうとした時「シャル」と呼ばれ、その声がちょっぴり怖い声で驚いた。
話があると言われたのをすっかり忘れライアン様に夢中になっていたことを思い出す。

「シャル…色々聞きたいことがある。」

「はっはい」

「まず、ズボンとパンツはどうした?」

「それは…見つからなくて…。」

僕も気になってます。
どこに置いたんだろう?
見渡しても見つからないよ?

「この部屋にはない。」

「えっ?」

この部屋にないってどう言うこと?

「ここに来たときシャルは履いてこなかっただろ?」

履いてこなかっただろ?
履いてこなかっただろ?
履いてこなかっただろ?

「?」

履いて…僕はちゃんと履い…て…?
あれ?
ライアン様の部屋にくる前に僕は…一人、エッチな事してたんだ。
それで…ライアン様に逢いたくなって…走って来た…。

ズボンとパンツは…あれ?

履いてない?
履いた記憶はない…脱いだのは覚えてる…。

僕は下半身を露出したまま来ちゃったの?

…変態じゃん。

「ぁっぁっぁっ…」

「気付かなかったのか?」

「……ぅん」

僕は俯いて何度も頷いた。

恥ずかしい…だって僕は…露出狂だ…。

「俺の部屋に来たのは?」

ライアン様の尋問が始まった。

「…来たのは…逢いたかった…の…。」

「まだ、許可出てなかったろ?」

「……ぁぃたかったの…。」

会いたくなってそれ以外何も考えられなくて来ちゃった…。

「ギノフォード先生に、あの棟から出るなって言われてただろうが。」

ライアン様…凄く怒ってる。

「…ぅん。」

「無意識にフェロモンを出したら危険なの分かってんだろ?」

そうだ…ギノフォード先生ともしちゃったのは、それが原因だった。

「…ん」

…僕は前科持ちです。

「記憶がなくなる程しちまうんだよ。」

「ん」

昨日もちょっと記憶ない…。

「お前も記憶ないだろ?」

「へ?」

「俺に逢った時フェロモン撒いてたの気付いてなかったのか?」

「……わ…かんなっ…ぃ。」

フェロモン?
いつ?いつ僕は撒いたの?
ぁっだから記憶が曖昧なの?

「あの後、俺はお前を抱いたけど…お前のフェロモンに当てられた奴は部屋の前でお前を欲してたんだよ。」

「ぇえっ」

そんな事が起きてたの?

「危うく色んな奴とするところだったんだぞっ。」

ライアン様は冷静でも声には怒気が含まれている。

「……ごめんなさい」

色んな奴?
やだっ怖い。

「大人しくしてろ。」

「…はぃ。」

「震えてんじゃねぇかよ。」

ライアン様は優しく抱き締めてくれた。
自分の身体をちゃんと制御できないのにギノフォード先生の言い付けを破り寮にいた人達に迷惑を掛けた。

「僕…ただ、ライアン様に逢いたくて…。」

それだけだったのに…。 

「あぁ」

「僕…ライアン様と…したかっただけなの…。」

「あぁ」

ぎゅっとライアン様の胸にしがみついた。

「俺も丸一日の記憶ねぇわ。」

「…丸一日?」

「あぁ、俺達は昨日一日中やりまくってたらしいな。」

「そんなにっ?」

「それが獣人のフェロモンなんだよ。」

「…怖いっ」

記憶ないのに一日中しちゃうの?
こんなこと続けたから僕は本当にライアン様を廃人に…。

「あぁ、気を付けねぇとな。」

「…ぅん」

獣人のフェロモンは恐ろしい。
昨日一日中していたんだなんて…なのに僕の身体は今すぐにでもライアン様を欲している。

これが獣人の特性?

ギノフォード先生が言ってたことは正しいんだ。
獣人の性欲は人間の数十倍…。
記憶がないのにいっぱい抱かれて、記憶があっても抱いて欲しいと願っている。

これをライアン様一人に頼っていたら…。

もしかしたら、僕は今すぐにでもギノフォード先生に抱かれた方がいいのかもしれない…。

「シャル…どうした?」

「…僕は…今からギノフォード先生とエッチした方がいい?」

ライアン様を失いたくない。

「お前っ先生とやりに行くのかよ?」

「ライアン様を廃人にしちゃう…」

そんなの嫌。

「…あぁ、それか。」

なんでそんな、なんでもないように言うの?

「やだっ、ライアン様にそんなことになって欲しくない。」

「大丈夫だ。」

「でもでも僕は凄くしたくてライアン様と離れたくなくて、そうなったらライアン様がっライアン様がっ」

「落ち着け。」

僕を抱きしめるライアン様の腕が強くなり宥めてくれる。
この腕が好き。
いつまでも抱きしめて欲しい…失いたくない。

「…僕…ライアン様が好きなの…初めてで…失いたくない。」

「あぁ」

「それなのに…僕はライアン様を裏切ってばかり…。」

「裏切るって?」

「…ギノフォード先生と…。」

「それは納得したことだろ…。」
 
分かってる…分かってるけど…。
ライアン様を助ける為に僕はギノフォード先生を利用して、ギノフォード先生は僕の事まで守ってくれる。

「でも僕は…。」

どうしても日本の常識のが僕には根付いている。

「今は俺を見ろ。」

「………」

「今の時間は俺だけに集中しろ。」

「…はぃ。」

ライアン様だけ…。

「まだ…したいのか?」

「…ぅん…ごめんなさぃ。」

記憶のない僕は昨日一日中ライアン様としたはずなのに、僕は今日もしたくてしかたがない。

「俺もっ。」

「…本当?いいの?」 

「あぁ。」

ちゅっ

「んっんぁむっんんっふぅんっん……二人が優しすぎるから…僕…悪い子になってく…。」

「んん?悪い子?」

「二人と、もっといっぱいしたくなっちゃうの…ずっとしてたい。」

「シャルは快楽に弱いもんな。」

「……ん」

やっぱり、ライアン様も気付いてたんだ。
僕がエッチの虜になってるの…。

「なんだよ泣くなよ。」

「エッチな僕…嫌いにならないで。」

ライアン様…僕を捨てないで。

「…そんなこと心配してたのかよ?」

「……ん…」

「エッチなシャルも愛してる。」

耳元で囁くのってズルい。
もう、我慢出来ないよ…。

「本当?」

「あぁ」

ライアン様の顎に手を添えて唇を奪った。

「ぁあん」

ライアンに僕のモノが握られた。
ずっとズボンもパンツも履いていないので、なんの障害もなくモノ質となってしまった。

「シャルはズボンとパンツ苦手だからな。」

「へぇ?」

苦手?

「ギノフォード先生にもそうやって迫ったんだろ?」

「…ぁっ違うのっギノフォード先生のは尻尾が窮屈でズボンとパンツをズラしてたらいつの間にか脱げてて…。」

あれは事故なんです。

「なら今回は?」

「……ぁっのっ…その…」

今回のも事故なんです。

「なんだよ、俺に隠し事か?」

「ぅんん、変な事じゃ…。」

「なんだよ変な事かよ?浮気か?」

「ちっ違うよ。」

一生懸命首を振って無実を訴えたが…邪な気持ちは確かにあった。
浮気はしてない…してないんだけど…変な事…はしちゃった。

「なら言えっ」

ライアン様に詰め寄られ隠し事ができなくなる。

「…ぁっ……してたの…。」

ライアン様の耳に届かないように小さな声で告げた。

「ん?聞こえねぇよ。」

…ライアン様は許してくれなかった。

「……ェッチしてたの…。」

「んあ゛っ誰と?先生とか?」

「ちがっちがうのぉ…」

あっ小さな声で言うところを間違えた。

「んあ゛?なら誰とだよ゛」

人が違うんじゃなくで内容が…。

「…ひとりで…ライアン様の事考えながら…。」

「…俺の事考えながら?エッチな事してたのか?」

「…ごめんなさい。」

僕はライアン様が思う以上にエッチな人間でごめんなさい。

「ばか、謝んなよ。すげぇ嬉しいよ。」

ライアン様の表情が一変した。

「怒んない?」

「怒んねぇよ、ふっ上手く出来たか?」

今までの雰囲気も変わり急に甘くなった。

「…ぅんん…全然気持ちよくなくて、悲しくなって…そしたらライアン様に…逢いたくなっちゃって…。」

衝動でライアン様に会いに来ちゃいました。

「んでパンツも履かずに来た…と。」

本当、それには驚きです。

「……はぃ」

「そんなん聞いたら怒れねぇな。」

「…本当?」

怒らないでくれるの?

「あぁ…怒られたいか?」

「んんっいや」

怒られるのは嫌。

「エッチなお仕置きされてぇんじゃねぇの?」

「えっ…」

エッチな…お仕置き?
小説とかで読んだことがある…僕もされてみたいなって思ったことは…正直ある。

「期待してんじゃねぇよ。」

「しっしてない…です。」

あっ、顔に出ちゃった?
つい経験してみたいって…思っちゃった…。

「本当か?」

「……ェッチは…したぃ。」

言ってしまった。

ライアン様が近付きおでことおでこがコツンとなった。 

「するか?」

「いいの?」

「フェロモンは出すなよ、記憶がなくしたくないからな。」

「んっ頑張る。」

興奮せずフェロモンを出さないように神経を集中させた。
集中することでフェロモンが出なくなるとは限らないが、やってみるしかなかった。

エッチは好きだけど、記憶がないのは嫌だ。

お互い慎重に丁寧過ぎる行為に目が合うとなんだがおかしくて笑ってしまうも僕達は真剣だった。
体力を奪い合うようなエッチではなく、お互い愛を確かめ合うような慈しみ合うエッチで心が満たされていく。

終わると神経を使ったエッチに満足したのか優しい眠りに導かれ、深く深く落ちて行く感覚だった。
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