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10の扉 わたしの せかい

自分を 面白がる

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「でも。 最近、「自分」が楽しいんですよ。 別に何をしている訳じゃないんですけど、「寝れば」「更新してる」それがちゃんと次の日わかって。なんか、昨日わかんなかったことが わかって だからある意味 異常に悩まないとか  あ、それは前からか。 でも「自分を開けていく感覚」が 面白くて。 まあ「世界そと」を見ても なんもないからかも知れませんけど。」

「ハハ、お前さんからしたら、そうだろうね。でもそれでいいんだよ。なにしろ塞いでなくて良かった。今、外はゴタゴタしているから。」

「そうですね 。 だからなんか、「自分の中にしかない」、ってのも今 よくわかるし 確かに「外」にあるのは、ヒントで。糸口にはなるんですけど、答えは私の中にしか ないんですよね。なんでなんだろうか 。」

「ふむ。…………しかしずっとお前さんが、辿ってきた「魂の道」に。既に回収されてきたものが、そこなんだ。それに、世界には「何もない」のではなくて「お前さんが欲しいものがない」のだろう?もう、そこでの探し物は終わったという事さ。何ら不思議はないんだけどね。そう思えば。」

「   成る程。」

  
  "まるっと ぜんぶが 自分の なか"

確かに何度も それは思った筈だ。

 それが ここにきて。

また 私に段階の上がった気付きを齎し それを知らしめているのだろう。

 「お前わたしは 変わった」のだと。

つい、忘れがちな自分に 自分で施している「仕掛け」なのかも知れない。


「確かに 「一番高い私」は私のこと 丸わかりだろうしな  。」

「さて、お前さん、それはいいが。今日はカードを見に来たんじゃないのかい。」

「  あ」

 そう だった。

「いかんいかん。」

「まあいい。急いじゃないんだろう?ゆっくりしていきな。久しぶりなのだし。」

「 そうですね、はい。では有り難く  」

自分のアホっぷりを 秒で脇に置いて
フリジアの素敵な提案に乗り お茶の支度が整えられている テーブルへ着く。


私が来る事は予想していなかっただろうが、ここデヴァイの人達のお茶の時間は 午前と午後、二回 ある。

 その 「丁度いい」タイミング

  いつでも歓迎してくれる 暖かい部屋と
 家主の気配が充満する 仄暗い空気

 しかし「暗く」はない 色
「濃密な」「まじないの空気」が満ちて 落ち着く部屋に。

早くも馴染んで「新しい道具はないか」「面白そうな色は どこか」。

「いいよ」という いつものフリジアの空気を感じながらも
私の「興味のカケラ達」は 部屋の中をどんどん探検し始めている。

以前訪問したのは もう大分前だろう。
カケラ達は「知らないものが沢山あるに違いない」と 張り切って四方へ散っている様だ。


そうして 素敵な部屋の中を「いろんな視点」が探検 しているうちに。
 ひとつの キラリと光るカケラが
  目の前から飛び出してきた。


「 あ 」

  ? ?えっ  そこ ???

フリジアのスカートの ひだを見ていて。

 また「そこから湧いたカケラ」が
 面白くて。

私はひとり 笑って いた。


「   ふふ ふふふ」

「どうしたんだい、また。お前さんは。」

そんな呆れ顔を見ながらも 自分の変化を感じ
またその「自分の 予想通りに展開する」、その光景が 面白くて。

それを「感じる」と共に 「自由に使えるよう 留めておいて」、出てきた「いろ」を観察することにした。


そう
 「探しに行く」のでは なく
 
 「自分であれば それカケラが来る」

それが実感できるきちんとわかる様になってきた
それを留めると共に くるくると飛び出て回る カケラ達を見る。


「  ふむ。」

 これは。

 訊いて いいだろうか。

でも いや 「今の私」は
「無理」でも「不可能」でもないし
それを訊いた所で彼女が「どうもない」事も 知っている。

 、出てきたんだ ろうけど。


とりあえず。
一つ、深く呼吸をしてから 徐ろに口を開いた。

私が笑うのを止めて じっとその抹茶色の瞳を見てから。
きっと彼女は「そのカケラを待っている」、それがわかった からだ。


「あの。ここの、寿命の事なんですけど。」

「ああ。」

その瞳の色に 変化は見えない。
それを確認して私の真ん中にも「ポッ」と小さな焔が 燈ると。

なにしろ「思い浮かんだこと すべて」を
 つらつらと話し始めたんだ。



「フリジアさん、あの貴石のエルバとかもそうなんですけど。明らかに、「若い」?いや「長い」? ですよね? それって、なんでなのかなぁと思ったんですけど やっぱり好きな事をやってる?縛りが、緩い? なんか、とりあえずここの人達とは 違って。「自由」も 勿論そうだけど なんかちゃんと「個人」?って言うと失礼かな 。  まあ、なんか言いたい事はわかってくれると思うんですけど。やっぱり、縛られ過ぎると?そもそも、「本当は 寿命なんて短くなくても」。 「そう思っていれば」、、死んじゃうんじゃないかなぁと思って    」

 いや 言い過ぎ た か ?

しかし。

寧ろ 抹茶色だった瞳は明るいグリーンに 変化していたし
なんだか「水を得た魚」の様な 色をしている フリジア

 これは一体 どうした事だろうか。


「そうさね。、そう思うよ。それ以外に、ない。」

「    です よね。はい。」

なんだか 「待ってました感」を 感じているのは。
私だけ だろうか。
 いや 今 ここには 私しか いないのだけど。

「お前さんが。そう、話をした時に確実に変わったのが、解ったよ。これまでは中途半端だったんだ。半分、「こちら側」半分「あちら側」。その、「あちら」をどう定義しようが私は構やしないけどね。………ああ、成る程。安心したよ。」

「   ぇ   うん。  はい。 ありがとう ございます ?」

 なんて 言っていいのか
  わからなかった けど。

でも フリジアが私を心配してくれていた
それは わかる。

「お前さんはね。優し過ぎたから。でも、、そうなんだろうけど、だからこそそこら辺でモタモタしてたんだろう。気を遣わずとも、それでいいんだ。はっきり言ったって、解りゃしないやつは、解らないんだから。お前さんは、お前さんだからこそ。自分に、正直である事が必要なのさ。」

「    」

「そうして、その「才能」?いや、「能力」かね?「力」と言ってもいいんだろうけど。それを活かして、自分の為にみんなを助けるんだろう?………だから、それでいいんだ。」

「    それ って。「才能」とか、「能力」ですかね? なんか、大分自分のことは わかってきたつもりなんですけど。 実は、その、ずっと「みんなわかってる」って 私は 思ってて。 でも やってる事を見てると「えっ?!」ってなる事が多くて 「違くない??」ってなって ぐるぐるして。 「言ってることと やってることがズレてる」、その違いにやっとこ、気付いて。 だから大分、わかるのに時間が掛かって修正して、やっとこさ 「今ここ」なんです。  でも まあ。 結果それで、良かったのは わかる。 うん。」

「…………。」

「 えっ、なんですか? 」

「お前さん、「それが普通」だと思ってたのかい。散々、伝えたつもりだったけどねぇ………まあ、そんなものか。自分の事など、みんな分かってやしない、それが普通だからね。だが、しかしね。」

「 はい。?」

いきなり真剣になった 前屈みの姿勢に
思わず私も顔を近づけた。

 なんだか 秘密の話でも。

 始まりそうな 気配がしたからである。


「あんたはね。…………、解ったのだろう?それなら、そうでいいんだ。だから、自分の場所で、自分の力を使い、自分の役割をこなして、進んで行くんだ。実際お前さんの目的地なんて想像もできないが。………しかしきっと、なぁ。だから。成る程。あながち………」

「えっ 」

  ? ? ?

「ま、それはあの子に聞きな。以前言われたろう?なんというか「運命の女神」、みたいな事を。どこの本の受け売りかは知らないが、ここの話じゃない。また外の世界の、話なんだろう。お前さんよ。だから、「だからか」と思ってね。」

「  イストリアさん  」

「そう。…しかし、話が進まないね?お前さんカードを見に来たのじゃなかったかい。」

「 あ 」

 そうだった 。

 うん。
 なんか 私ってホント  うん。


そうしてそのまま 半分ボーっと しながら。

フリジアが方々の棚からカードを出し、テーブルに並べてゆくのを ただじっと
眺めていたので ある。





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