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8の扉 デヴァイ 再々

塗り替わる わたし

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  あお    
                光


  彩り
     
        鳥達    
               蝶


    風     
             羽音


 流れる風と  ひかり

  私の なかにも ある ひかり 。

  
  より 繊細に高く張り巡らされた それ

  なんだか 見知った 「いろ」の光 。


「 ん? 」


大きく、息を吸って 目を閉じ手を広げ
「今の自分」の光を 想像してみる。


 ん?
    あ れ ?

 ああ そうか  確かに 。

 そう なんだ。


ぐるり、拡がる宇宙空間 青い星
その周りを回る 光の女神

 その「光の女神」は大分 定着したのだけれど
 その青い星 即ち「地球」に張り巡らされている
 「金色のひかり」が。


「ああ、やっぱり 慶なんだ。」

そう、無限に放った私の光達は ウンは箒星にて私の周りを廻っているけれど、他の光は変化したのかと思っていた。

でも。

 確かに。 そう言えば そうなんだ
 あの「千手」は。
 
「確かに、光の網に。 なる、な。」

分かってみれば納得の結果、走り巡られされた私を繋ぐ、その美しい色は。

 確かに あの「慈愛の色」「千手観音の色」
 それそのもので ある。

金色ではあるのだけれど、白金に近いそれは 解って見るとほんのり桃色を帯びていて とてつもなく優しく全ての光を繋ぎながらも包んでいるのが、わかる。


  ああ なんか 。

  泣けるな 久しぶりに。


どこからどう、来てくれたのか 解らない私の
それが変容して「全ての」をまた繋ぎ、護ってくれている その姿は。


 ああ 私も 「こう在りたいな」
 
そう思える、姿だったからだ。


「ありがとう」

胸に手を当て、一杯の感謝をして 大きく息を吐き
身体を反らせて。

ぐるり 足元の青を探ってみると、その中心には「白と黒」「陰陽」の「キラルとアンカー」がぐるぐると回転しているのが わかる。

 再び 胸にジワリと沁みる いろ

 みんなの ひかり  愛の いろ 。


「白と黒」、それは二つの紋様となり「私の地球」の中心にて「アンカー」の役割をしてくれているのが わかるのだ。


「なんか。 もう。 なるほど って言うか。」

 もう  なんも ないな 。


久しぶりの言葉に自分で深く頷き、まだ他の光がいないか、もう一度 ぐるり確かめ始める。


  ウン  慶  キラル  アンカー

 あとは 誰か いないか な ?


「あ」

自分の中を探ると、すぐに当たった感覚

 「地脈」を走る 窮

「成る程、か。」

確かに窮は。

黒と土色が品良く混在した、「地面」の様な色をしていて。

 なるほど  こう きたか。


自分の想像なのだけど。

 そう それはもう「知っている」

 「想像」とは「創造の素」

 私が 「そう」「思えば」。


「即ち 窮はやはり、龍脈なのであって。てか、私の光が慶で 繋がって? 窮は龍脈 で??」

  地上を走る ひかり 
           地中を走る ひかり。


「ふむ?」

なんかとりあえず、「万事オッケー」ぽいから
いいか ?

「まあ、そう 確かに。朝も「能天気なのがいい」って、言ってたしね?」

うむ。

 そう 物事深刻になって 良い事など 
 何も無いのだ。 うむ。


見上げた白天井、そこに自分の宇宙を 投影して。

ぐるり、くるくると腕を広げ回る 私の 宇宙。

「 フフフ」

紫紺の中に、星屑 時折キラリと光る ウン
まだ見えぬ他の光達も、順を追って わかるのか
それとも他のなにかに 変容しているのか。


 くるくる  くるくると  まわる

   あおの  宇宙空間

 靡く 羽衣
 
 その 裾にある 高い位置から貰ったひかり 

 それは未だ衰えを知らず
    キラキラと白銀の煌めきを降り溢し
 そこに 調和しながら品良く這う 

    これまでには 無かった蔦が 。


   あ これが さっきの ナガ なんだ

 
、そうくるくると回る私の中に 直接伝わってきて。

 羽衣の 装飾となり戻ってきた それは

  「自分自身が 軸である」
  「自らの北を指す コンパスでもあり」
  「魔法の杖で ある」

 それを私に直接 示している 。

私を包む、私を周りから補強する それ
私から派生して出来た羽衣に加えられてゆく
 沢山の色 装飾 装備

それは勿論、これまでずっと 自分が解きほぐし織り直してきた、すべてが「私のひかり」だ。

 
 くるくると まわる  廻る

  宇宙の なか

    自分の カケラと

  いろ   ひかり

      沢山の星屑と共に舞う そこで

 行き先を 見失わない様

  しっかりと羽衣を意識して 

 コンパスを 真北へ 向ける 。



紫紺の中

  キラリと光る 羽


 時折 スピリットが 舞い込み始め

   横切る鳥  蝶 に

    私の宇宙が押され始めて きた。


「ふむ?やはり、現実は強いな。 てか、スピリットって「現実」なの??「現実がなにか」問題はそれ即ち人によって違う話、って 事に? また、なるのか  。」

 うっ。

独り言を言いながら、回り続けていたら目が回ってきた。

とりあえず「現実」に見える、ベンチにヨロヨロと近づいて 腰を下ろし一息吐く。


「 ん?」    なん  か  ?


だらしなく、ベンチにグッタリとしている私の頭上に 見えるは

   木漏れ日  ? ?  ?


「んっ?!」

 木漏れ日???

ふと、目をやるとあまりにも自然に馴染んで気が付かなかった 大きく成長している木が、ある。

「えっ   いつの間に ?」

そう 私が言った 瞬間
 フワリとそこに 赤紫の花が 咲いて。

  あ これが 蘭 なんだ

そう気が付いて、合点がいく。

きっと 蘭は私が「花の精」と思ったから。

 こうして 私の空間 
      もしかしたら デヴァイ
      銀の庭も どうかな
      グロッシュラーの畑にも 影響
      あるかも ???


ぐるり、一連の想像をし 花一杯で美しい景色を思い浮かべて。

「うん。 」

満足して、目を開け再び可憐な大きさの赤紫の花を映す。

  うーん 何の花かは 分かんないけど
   小花ってとこが またいいな

  可愛らしくて いい  うん。


て 言うか。


「ずっとこれにも、気付かないくらい。 」

 そう  私は この頃のぐるぐるにも
     今 また 宇宙空間にも。

迷い込んでいた、そういう事なのだろう。




「 まだまだ、だな。」

「あら、おはよう。て言うか、朝から何を、どうするわけ?もう、充分よその歳にしちゃ。」

「あ、朝。」

どこ行ってたの?と訊こうとして止める。

 きっと 私達に気遣って
 シリーもいないし イストリアさんか どこか
 一人? はないか? いやあり得るな??


「大丈夫よ。イストリアの部屋で寝てるから。」

「 あ。  そう なんだ。良かった。」

流石の青い瞳は私の考えている事など。
 そう 
 お見通しに 違いないので ある。

きっと「寂しくないか」なんて。
チラリと浮かんだ心配などは、余計なお世話と一蹴されてしまうだろう。

心強い青い瞳にジワリときたところで、切り替えて口を開く。

「じゃ、朝食?行こうか。」

「はいはい」

そうしてなにかを誤魔化す為、自分でもよく分かっていないがくるりと回転して。

青を一周、目に映した。


 やっぱり  美しい な。

美しく滑らかな青と白は、優しく私を見守り
いつでも「そこにある」事を物語っても いる。

「あ。」

 そうか 姫様の所にも 行きたいな?

「どうしたの?」
「ううん、なんでもない。大丈夫。」


 フワリと出てきた 「護り」の存在
 私が会いに行きたい 場所。

しかしなにしろ今は 頭も胸も、いっぱいだ。
とりあえずは暫く、落ち着いてから諸々片付けた方が いいだろう。

 そう 今日はお茶会も あるし。

だがしかし、私の「大丈夫」に仕方の無い色を浮かべた猫が一匹、いる。

「えっ、嫌だわ…………」

「何それ。」

そうしてクスクスと笑いながら。

何故だか溜息を吐く尻尾を追い、ポンと跳ねる様に 一歩を踏み出したのである。








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