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8の扉 デヴァイ 再
なにも 握らない
しおりを挟むなんにも ない 白
どこまでも続く様に見える 白い雲海
果てしなく広がるその 「せかい」に拡がりたくて
「私は なにに」 「どんな かたち」へ
そう 思っていたけれど。
「具体的に、「なに」って そういう「かたち」じゃ、ないのかもしれないな………。」
はっきりしようとすればするほど
見えてくる 多様な面
それはどれも 私が持つ美しい 「いろ」で
削ぎ落とせないもの
削ぎ落として 残ったもの
それ即ち 「本来 もつもの」 なのだ。
「まあ、それならそれで。」
うん。
「限定しない」と。
決めたからには、「それ」は まあいい。
それはきっと「なに」と決めるべきものではなく
ざっくりした 「嬉しい」「あったかい」とか
「優しい」とか 「美味しい」とか「綺麗」「美しい」とか。
「そんなんでも、いいよね…………。」
「全てを手放し 自由になる」
「ぜんぶ おいていく」と。
決めたから。
それに、天からくる閃きやインスピレーションを「それは 違う」と、「判断」してしまうのは悪手だ。
「決めて」しまうと。
きっとそれが 起こる。
ある程度までは「決めなければならない道筋」
しかしきっと 「今の私」には。
「必要のない もの」
次は「無限」の領域へ。
そう、決めたから。
なにしろ「もっと純度を上げ 融け込む」ことを
意識しながら、ふわふわと漂って いた。
どこまでも広がる 美しい雲間
柔らかく優しい景色 白 薄桃 空色
少しずつ「いろ」が加わってきた 私の「雲間」。
真っ白な白に乗り、眺めるこの景色も 少しずつ変化してきている。
時折 流れてくる「ひかり」
それは天から私を導く「道筋」にも見える光で、サラサラと流れる粒子の様にも、見える。
高く どこまでも続いている様に見える 天の雲
それは「雲」なのか「光」なのか ただ「違う色の空」なのか。
よく分からないけど「美しい」のだけは、確かだ。
足元には 雲海
白、少しの灰色と水色 もくもくと柔らかなそれは掬うと煙か、靄の様な不思議な感触。
しかし 白はそこでも身軽に跳ねて移動するし、私だって 歩くことはできる。
なんだか、フワフワは しちゃうけど。
優しく吹く風に 靡く伸びた髪
肩に掛かる 白銀の髪は 今日は少しウェーブがある。
日によって 少しウェーブがかかるようになった長い髪は、以前は背の真ん中くらいの長さだったけれど。
今は腰まであって、「蘭寄り」の日はウェーブ
凛として浄めの強い「ディーか慶寄り」の日はストレートだ。
如何様にも「変わる」、私の「外見」
それはきっとあの色に、より深く触れ
「より 細かく」「繊細 微細に」「変容」「変化」「融けれる」、練習をして。
齎された「良い変化」、より高く純粋な光になる為の一歩でも、あると思う。
そして 髪と共に風に靡く
光の糸で編まれた 真珠色の羽衣 銀の縁飾りは
どこまでも煌めく深い 空間を有していて
見ているだけで「無限」だ。
「どう」なっているのか、よく分からないがピッタリと私に合った衣装、ふんわりと身体に沿うそれは
透け感は無いけれど殆ど着ていない様な心地良さで。
所謂「下着」は無い。
きっと一体化?してるのだと、思うけど。
「あの時」、ピラリと解かれると
一瞬で裸になってしまうのは 何故なのだろうか。
「うーーん。 いや、その話は、とりあえず置いといて。うん。」
ほんのりとピンクになった全身をチラリと見、自分を白に戻す為に また白い空間へ視線を戻す。
「なに」でもなく眺める景色
味わう色
吸う 心地良く優しい空気
全てが「わたし」で満ちている空間。
ここから また どこ へ。
導かれる? の かな
「うーーーーん 」
大きく、伸びをして。
身体を、解し「少し固まっていた?」と
思い付いた感覚をポイと投げ、黎に燃してもらう。
「のんびりする」「できる」って 最高
まだ「下」は 混沌
フワリと浮いた澱を、また黎が瞬時に燃やして。
背に回るナガがチラリと顔を見せた。
「うん、ありがとう。」
あれからこの子は
私の羽衣に新たに加わった、光と同じ 色の。
「王冠」と「襟」を装着している。
「ナニコレ???」
それを見つけた時は、面白いのと意外と似合ってるのと、「いつの間に?」という思いと。
でも、きっと成長したのだろうと納得して可愛らしいのかなんなのか、王冠を被った光る白蛇を眺めたものだ。
きっと「杖」になったり「錫杖」になったり、雲間を掻き混ぜたりして。
この子も段階が上がったのだろう。
「なにしろそれは、良きことかな………」
そう 「憂い」は 置いて。
私は 「天」を。
そう、また自分に確かめて握っていた手のひらを開く。
「許し」 すべてを 「解放」する。
そう 「握っている」のは 私で
「そのこと」じゃない。
数ある出来事、関わる人の その誰も 何もかもは
ただの景色で、私の世界の「登場人物」「出来事」「事件」で。
ある意味「私が私に 戻るための ストーリー」の一部だ。
それを 全て「解放し 許す」
「もう その役は終わりだ」「次の段階へ」
そう 呼んでいるのはきっと 天の光
見上げる天 その白き場
明るく光り 輝きながら、揺らぐその美しい天を
目に 映して。
また 燃やして 流して。
それを どこまでも続けて いって。
ただひたすらに
浄めて 浄めて 光に 戻して
カケラを集め また 光に 変容して。
そうして私は 「わたし」を 取り戻して。
「ひとつ」に 「すべて」「ぜんぶ」に なって
「還って」ゆくのだろう。
しかし「還る」と言っても「循環」では ない。
もう 同じ場所は 繰り返さないと 決めた。
だからあの 大きな「輪」の 中に。
還るんだろう、きっと。
そうして 浄め 見えてきた「道」
「新しい 私の道」
「もっともっと 融け込める」「微細に」
「詳細に」「すべて へ」「満ちること」
きっと「満ちればわかる」、また次への道。
その中に ふと浮かぶ「どこまで」「なにに」「満ちるのか」、その疑問。
それは勿論「せかい」では あるのだけれど。
それに焦点を当て、少しカケラを彷徨わせると
見えてきた ほんのりとした「色」
これからの「行き先」。
「みどり」「自然」 「せかい」
「からだ」 「こころ」 「魂」「光」
「風」 「水」 「土」 「炎」
「??元素?現象系の、はなし?かな??」
この前も チラリと思った「風の精霊」
「チカラ」と「エネルギー」、「光」の関係。
私の神域にも「それ」は増えているけれど、あれはあくまで「私の場」である。
なんとなくだけど、「自然」の中にあるそれとは違う気がするのだ。
しかし 私が 「協力」「共同」するのは
スピリット 精霊 って。
言ってた よね あれは。
「「外」に?出ろって、ことなのかな…………?」
ここの「世界」は、幾つもあって扉の数だけある
それはどれも 私の「想像」なのか
それとも「次元」が違うのか
それとも私の「夢」か 「頭の中」なのか。
未だそれは 分からない。
しかし「地球」もきっと「その中の一つ」なのは
確かで。
「えー、地球に戻る?多分それは、無いな?まだあそこ行ってないし…。」
その、自分の「反応」で知れる
「私は まだ帰りたくない」という思い
だから やっぱり。
まだ「やり残したこと」が あるんだ。
「うーーん?緑?…………森? えっ そういうこと????」
そう、私が思い付く「森」 それは 勿論一つしか、ない。
思い付く側からニヤつき始めた自分に苦笑しつつ、「その案」についてざっと考え始めた。
しかし、軽く考えた限り問題は何も見当たらない。
「えっ、なんか。「女神」設定イケるし、なんか言うことなしなんじゃないの…………」
でも あとは。
きっと あの人達の 説得 ???
しかし、ニヤつき始めた私を止められるものは
きっと誰も いない。
ポンと勢いよく背から降り
そのまま ヒラヒラと羽衣を靡かせる。
フワリと白に手を置き、視点を 意識を 森に飛ばして。
なにしろとりあえず そのままずっと。
「みどり」のカケラを光らせながら
ニヤついて、歩いていたんだ。
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