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8の扉 デヴァイ 再
道
しおりを挟むやっぱり
そればっかり じゃ
「駄目」なんじゃ ない かな………
夢なのか なんなのか。
相変わらず くるくる回る鮮やかなカケラを見ていたら
ふと 自分がいつの間にか「黒い空間」に
滑っていたのが 分かる。
うん? 黒 い な
ここは あれ か。
えっ でも?
なん で ???
確か私は一人、マシュマロの上でボーッとしていた筈だ。
あの人は。
目が、覚めたらいなかったし
私は変わらずまだ、ここで微睡んで いる。
そう 「何故 まだ出たくないのか」解らずいたけれど
「無理矢理出る 必要も無い」事が解っていたから。
とりあえず 流れに任せる事にして今、一番の仕事
「徹底的に 癒される」「流す」
「満たす」「満たされる」ことを。
実行、していたのである。
しかし、その中でもある意味「ぐるぐる」していたのだろう。
「未だ残る しつこい 澱」に。
きっと、ここへ滑ってきてしまったのだ。
案の定、何も言っていない私の頭の中を覗いた様に
その「ぐるぐる」に対しての静かな返事が やって来た。
「そもそも、軸がずれている。道から逸れているのだ。」
「え」
未だ 黒の中。
シンだという事は分かるが、まだ姿は見えない。
「問題は「交わること」でも、なんでもない。お前が「何故 そうなのか」を、すぐに見失うからだろう。彼奴も、言っていただろう。」
「うん?」
えっ なん で 知ってる の ???
それ 「最中」 だよ ね ??????
「だからそれは、「癖」なのだ。別にお前が「駄目」な訳でも、「悪い」訳でも、ない。つい、歩いてしまう「いつもの道」の、様なもの。」
変わらぬトーンに、くるりと戻る頭
確かに彼は。
今、重要な話をしてくれてるんだ。
「恥ずかしい」は 置いて いや 蹴り飛ばして
おく のよ
そうしてピンクを遠くに放ると、段々と「ことば」と共に 黒い姿が見えてきた。
「いつも辿ってしまう 道」 「癖」
ああ そう だ
そう 言われて いたんだ 同じこと を。
「確かに。お前があの深い海で、殆ど流した澱、送った光は多かろう。が、しかし。依るの領域が、拡がれば拡がる程「含んでゆく色」「視界に入る異色」、更にお前が「研ぎ澄まされる事により 深く感じ取る色」。その、それぞれが持つ「満たされていない 色」。それが満たされねば、即ちまずお前が満ちねば。次の段階には、進まぬ。」
「…………うん、わかるん、だけど……… 」
ぼんやりと 自分の「なか」に
展開する 「領域」
その 「拡大」
そうして 拡がる 度に
溺れる度に 際限無く 湧く 澱
鈍い いろ 重い カケラ達
まだまだ 拡がる 度に?
あれ が ??
暗い渦に巻き込まれそうな私に、芯のある
はっきりと透る 声が。
一直線に 降ってくる。
「お前は。「知った」のだろうが、まだ使いこなせていないのだ。」
「 うん、そう、なの かも。?」
「知った」?
いや そう、確かに。
「知った」んだ
「満たされていない ものを 満たす」こと
「繰り返さない」「最後の 私」
「ただ 満ちれば いいこと」
「そうして 世界が 廻る こと」。
だけどすぐ、流される 私に。
金を含んだ真っ赤な瞳は、静かにこう 話す。
「先ずは「知る」、そして「選択する」。そこから「行動」、「積み重ね」、「行動により出てくる選択肢をまた選んでいくこと」、そうして行くうちに。」
「「自分のものにし」「扱える様になり」、自然と「成っている」、ものなのだ。ここは「時間」というものがある世界。それが前提なのだから、一朝一夕には、いくまい。なにしろお前の抱えるものは、「大きく」「重い」。だがしかしそれすらも、自分次第で。如何様にも、なる、でき得る事を知っている筈だ。」
「幾重にも重なり、連なり、複雑に絡み合っている様に見える「それ」を。複合的に見、選択しこなして行く事。だから視点は広く、高く、数多の点を同時に観て。「観照する」事が、必要なのだ。」
そう一気に、言って。
静かに光った金の瞳は、しっかりと閉じ
赤に戻る。
その色を受けて、くるくると回り出す
私の中の カケラ 光達。
うん そう だよね。
わかる。
くるくると目の前で回る、「美しいかたち」を見ながら
静かにそう思う。
もう 「ピース」は 揃って いるんだ。
それをどこかに すぐ 置いてきて惑う
私に できるか 分からないけど。
でも やっぱり思った
「複数展開」「同時に」「広く見る視点」
「重なる」「多層」「数多の角度」
「点でなく 面で捉える」
「複雑だけれど 簡単」
今 できる
それを 「最高純度」から 見ること
「全てを含む 空っぽ」の 「多胞体」。
私の「かたち」が きちんとあるならば
「真ん中」に 光っていたならば。
「それは 可能」
そもそも 「不可能」なんて、無い。
私の目の前に展開する「事実」は
私が「こなせる」「超えられる」から 出てきた山 だし
「必要」で
「より 高い所に行きたい」「見たい」から。
「出て来て、るんだし………まあ、分かるけど。うん、なにしろ頑張るよ。」
改めてシンの隣で見るカケラ達
確かにそれは、一人でぐるぐるしているよりも。
格段に見易くて、私の「絡まり」が よく解る。
これを 少しずつ やっていくこと
解いて行く こと
しっかりと目に映しながら、また忘れない様 そう思う。
「「頑張らなくとも」、いいのだがな。それも、解っているだろうが。」
「うん、なんか、そう、なの。」
つい、瞬間瞬間 ポロリと出る「癖」
染み着いた 「習慣」
それを剥がし 純度を上げ 進む 「私の道」。
「そのまま 在る」「ありのままで ある」事の
難しさ
しかしそれも。
「全部「自分」で、難しくしてるんだもんなぁ………嫌になっちゃう。」
そんな私を少し、柔らかくなった瞳で見つめるシン。
その、色を受けると。
再び出てくる
「やらなければ」
「姫様は どうする」
「この世界の護り 軸を 」
「シンは ずっと一人なのかな 」
私が「あれもこれも」と、取り出す「いろ」
それも。
この人が望んだものでは、ない。
私が勝手にぐるぐるして、出してきて、ジタバタして。
一人で悩んだり、しているものなんだ。
「解っている事も、知っている。だから「空っぽ」にするのだろう?それでいいのだ。先ずは何事も、繰り返し。どれだけ日々の中、削ぎ落とせるか、集中できるか。出来事物事、全てを応用し、進んでいけるのか。より、細かな作業にはなる。常人にはきつかろうな。だが、だからこそのお前。自身で「選んだ道」、超えれぬ山はない。練習であろう。焦るな。」
「お前はきちんと、「自分の道」を歩んでいる。今は「何故」「そう」なのか、解らぬだろうがそれはいつもと同じ事。時が来れば、自ずと知れよう。」
静かに頷く、その赤金の瞳を 見て。
そう「この人」に 言ってもらえると。
その 光から そっと点を離し 目を閉じて。
静寂の 黒の中
自分と向き合い、シンの言葉を沁み込ませる。
そうなんだ、すぐに忘れてしまう けれど。
「私が」「自分で」「持って来た」「持った」「色」
「やりたいからこその この色数」。
なんでかは、解らないけど。
「全部を 含みたい」 それは 初めから あるんだ。
「置いていけない」も
「全部見たい」も
「どの色も 含みたい」も。
始めから 私の「真ん中」にある
揺るぎない 思い。
しかしなにしろ、シンがそれをぐっと押してくれるなら。
きっとそれはやはり 「私の道」なのだろう。
ほっと胸を撫で下ろし、また浮き上がってきた重石を下ろす。
この神は 私にとても近い 神
それが解るから、背中を押して貰えるととても安心できる。
「うん、ありがとう。できるだけ、頑張るね。あ、適当に、頑張る?…ん?いや??「頑張る」が、駄目なのか???」
混乱し始めた私をじっと見つめる赤い瞳、それはぬらりと金に光るとみんなと同じ事を言う。
「本当に、下手だな。「なにもしなくともよい」のだ。「そのまま 在る」、それだけだ。何も難しくは無いのだがな。ただ自分の道を「疑わず」、「真っ直ぐに進む」事。まあ、それでこそ… 」
言葉を切ったシン、黒が深くなったこの部屋からも
「そろそろ終わり」だという事が知れる。
続きが気にならない、訳じゃないけど。
それも、また。
「うん、ありがとう。またね。」
「ああ。あれによろしくな。」
「 ぇっ」
そう 言われた瞬間「ピリリ」と痺れる感覚が
肩に走った。
あ。
そう 言えば?
ふと、視線を落とし羽衣をグイと捲り
あの「あざ」を確認する。
しかしそれは 勿論 「無い」。
それは「いつから」無いのか
「何故」消えたのか。
チラリと赤い瞳を確認しようとしたけれど、微かに見える その色が
「あれによろしく」という色を残していたから。
普段、絶対そんな事を言わないシンが、「そう言った」理由が解って
もう私に付けられていた「しるし」が無くなった事を知る。
「いつから」「なんで」
「いや あの時か」「それとも あの時か」。
とりあえずはピタピタと頬を叩き、目を瞑ってディーを思い浮かべる。
なにしろそれは 帰ってからだ。
「あら もう「一人でも」大丈夫よ?」
そんな色を出しているディー、確かに私達が今、二人揃うと。
なんだか鏡の様で、不思議な感じがする。
でも、なんか 面白いけど。
「うーん、いいの。でも、まだ。」
私の言葉に無言で頷く、同じ白
とりあえずは差し出されたその手を取って。
振り返ったが、既に黒は塗りつぶされて いた。
ディー も シン も
うーーん みんな
「また 「考えて」る。」
「はっ。」
ディーにまでツッコまれて、サッと目を閉じぐるぐるを消した。
そうして優しいクスクス声に包まれながら。
フワリと、いつもの空間に戻ったのである。
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