上 下
136 / 1,588
7の扉 グロッシュラー

運営の見学

しおりを挟む

歩きながら、さっきの件を訊くか訊かないか、迷っていた私。


でも、真顔で「婚約者」なんて言われた日にはこのまま普通に昼食が食べられるか、分からない。

うん。とりあえず、後にしよう。


そうして問題を先送りにした私は、それでも少しドキマギしながら食事をしていた。
しかし途中で気焔が放った一言により、そのドギマギもすっかり何処かへ飛んで行く事に、なる。

「お前、次は選択だろう。見学に行くのだろう?「お友達」とやらを作ると言っていたが、どこへ………。」
「そうだ!すっかり忘れてた!!」

そうだ。
昨日、失敗したんだった!

あの時の青ローブの子と、あの雰囲気。隣の銀の子に窘められたんだった………。
あの後、どうしたんだっけ…………?
ああ、シンか…。

そういえば、シンに気を取られてすっかり謝る機会を逃していたのだ。解散した所は勿論、みんなが帰った後の事も、全く覚えていない。

私、あの後別に何も、してないよね………?でも、してないからまずいのか…?

顔を上げて、向かいの気焔を見る。
食い気味に返事をした私の言いたい事が分かるのだろう、また仕方の無さそうな顔をしてこう言った。

「とりあえず、行ってみるしか無いのではないか?」

まぁ、そうだよね…………。


あまり味がしなくなった食事を手早く済ませると、片付けをして見学に行く準備をする。
一旦本を置きに部屋へ戻り、「まぁ頑張れ。」と言う気焔と別れ、また深緑の館へ向かった。



神殿の広い通路を横切り、また向かい側へ渡る。
昨日ベイルートに聞いた所によると、選択は全部で三つだ。
「図書室」はさっきの場所だから、大丈夫。後で行こう。
「運営」はあの、初めの教室らしい。たまに、資料の関係で図書室でやる事もあるらしいけれど、基本的には教室でやるとの事。
「力」は、別の場所で神殿内ではない様だ。特に採る予定は無いが、一度はどんなものか見てみたい。
また別の日に行くしか無いだろう。


とりあえず図書室は行く事が決まっているので、運営がどんなものなのかチラリと覗いてみる事にした。
先に様子を見る事に決め、階段を上ると左へ曲がり深緑の絨毯を進む。

誰も居ない、廊下。
また、同じ扉の前に立って少し胸に手を当てる。
そう、私は少し、緊張していた。

だって、エンリルはああ言っていたけど一体中ではどんな授業が繰り広げられているのだろうか。

物凄く、耐えられない内容だったら、どうしよう。でもやっぱり、どんな話をしているのか確かめたい気持ちも、強い。
とりあえず、胸がザワザワしたらすぐに教室を出る事だけ決めて、入ってみる事にした。
朝とベイルートにも「お願いね?」と言っておく。
何がお願いなのかは、微妙だけど。



扉の前に立っている時点で中からは話し声が、沢山聞こえていた。

話し合いでもしてるのかな?結構人が沢山いる感じがするけど?

授業中、と言うよりはみんなでディスカッションしているような雰囲気が伝わってくる。
邪魔をしない様に、小さなノックをして扉を開けた。



「ベイルートさん、お願いしますね。」

やっと落ち着いた私は小声で肩に向かって呟いて、話を流し聞きつつも辺りを観察し始めた。

教室はこの前と比べて、人口密度が高い。
そう広くも無いので、話し合いの内容もよく聞こえるがチラチラ聞こえる内容は、私には分からない単語も多い。
始めは少し話を聞いていたが、なんだか小難しい話になってきたので脳が色とりどりのローブに反応し始めたのだ。とりあえず難しい話をベイルートに任せ、私は部屋のローブを観察していた。



実は、始めにノックをして扉を開けると気まずいくらい、全員がこちらを見た。
教卓の黄ローブの背の高い、先生だろうネイア。
前から三列に座る、生徒であろうセイアの上級生。見た事のない人が多いので上級生だろう、エンリルとあの、食堂で見た銀のローブの人もいる。
そして、一番後ろの席に見学であろう、この前ここで一緒になった銀、黄、茶のローブの子が並んでいる。
その全員が、一斉に私を、見たのだ。


何これ。気まずい…………。女の子、一人もいないし………ん?別に女子禁止とかじゃ無いよね??
ベイルートさん??

そう思って、どうしようか教卓前のネイアに視線で助けを求めた。
目が合うと、一瞬驚いた顔をしたがニッコリと愛想の良い笑みを浮かべた黄のローブのネイアは、茶の短髪に水色の瞳がキラキラとした何だか爽やかなおじ様、と言った様子のネイアだ。
何となく硬いイメージがあるネイアに、こんな人がいるのかと少し、驚いた私。ちょっと、言い方が悪いけど「軽いおじさん」と言った感じ。
その人は私に「あちらに。」と言って、後方の席を示した。
そうして奥へ進むと、銀の彼の隣に座っていた黄と茶の彼が、わざわざ私の為に銀の彼の隣を空けてくれる。私は端で構わなかったが、わざわざ空けてくれたものを断るのも失礼かと思い、ありがたく、座っておいた。
「ありがとうございます。」と言うのも、忘れずに。

一瞬、私の声に何人かが振り返ったがそれはあまり気にしていなかった。その時は、女の子が珍しいのかと、思っていたから。

新入生の並びに座り、みんなと同じ様にフードを脱ぐ。サラリと下がる髪を背後に流し、さて、話を聞こうかと前を向くと全員がこちらを見ていた。

え。まだ見てる。
なに?何なの~!駄目なら言って?どっち?

私の困惑の瞳に気が付いたのか、正面のネイアが「パン」と手を鳴らすと、全員がきちんと前を向く。
そうして私がホッとした所で、また話し合いが始まったのだ。要らぬ緊張をしてしまった私は早々に気疲れして話半分のローブ観察を始めた、という訳だ。
決して、脳が難しい話を受け付けない訳では無いと思いたい。うん。


そうして観察を始めた教室内の銀ローブ率は、今迄見たどの空間よりも高かった。

て言っても、三人だけどね?だって、今迄は多くて二人、しかも一人は私だし。

そう、部屋は教師のネイアが黄ローブ、セイアも三人、黄ローブだ。その次に多いのが、私達、銀ローブ。赤が二人で青と茶が一人ずつ。
バランスが、良いのか悪いのか、イマイチ分からない。

これって全員希望で決まってるのかな?バランスとか関係あるの?でも、茶は上級生がいないな?

そんな事を考えていると、少しの偏りに気が付いた。
ローブに入っているラインが黄色の人が多いのだ。何か関係があるのだろうか。
そうして落ち着いて来ると、少しずつ話の内容が耳に入って来る。

力が強い方が、この授業を取る率が高いのかな?
うん、エンリルも中々きちんと話し合いしてるね…
なに?世襲?うん?ラピスの話かな………。
職業の偏り………うん、それは困るけど…え?
でも勝手に決められるのは嫌だよ。それは止めて。
ん?まじない?まじないで意思を変えるの?…おいおい、それは暗示じゃないの?


どうやら今の議論内容は、職業の偏りを調整する為にはどうするか、という事らしい。
確かに今は昔よりも世襲は減ってきていると、ラピスでも言っていた。しかし、親の仕事を継ぐものだという考えはまだまだ根強いと私自身が感じてきた事だ。
それをまたルールを作って戻すって?
止めてよ。
でも、偏りを無くす上手い方法が提案出来ないと力技で変えられちゃうって事だよね?
まじない使って操作するとか…………駄目駄目。
対、人よ、人。
どうしたらいいのかな………?でも向き不向きもあるし、ウィールと協力すれば良いかもね?
でもそもそも、偏ると競争ができる。ある程度競争があった方が良いものは出来るよね…でも売れなくなるからそこまで偏らないんじゃ?どうなんだろう。そもそもそこまで人口多くないよね?今迄は………どうだったんだろう?確かにずーっと専業だけっていうのもなぁ………。


私がつらつら一人で考えていると、いつの間にか話はまじない石の事に変わっている。
そう、そのまじないを使って人々を誘導する話に入っているのだ。
大勢を操るにはかなりの質のまじない石が必要でそれをどう、手に入れるのか。それとも作るのか。そしてまじない石以外にも、陽動者が必要な事等。

前から気になっていた、この世界でのまじない石の調達方法が聞けるかもしれない。
しかも、陽動者って………何?石って作れるの?まじない道具の事かな?…………何か、嫌な予感しかしないんだけど。

これは聞かなければ、と顔を上げた私の目はキラリと光っただろうか。
目が合った、黄ローブのネイアは石の話をピタリと止めた。そしてまた別の話題を上級生に振り、いつの間にか話題はスルリと変わってしまう。

え?なに?
聞かせられない内容?

明らかにあのネイアは私、若しくは私達に話を聞かせない様、話題を変えた。

多分、そう。

何事もなかった様に、別の議題について話し合うセイア達。その、何も無かったような様子が逆に何とも言えない寒気を感じさせる。

隣の銀の彼の顔色を、チラリと確認する。

気が付いたか、聞いてみてもいいだろうか?
あまり、他の色の人には話しかけない方が良いかもしれないから。

私の隣の銀の彼は、もう既に話をした仲だ。同じ色だし、話し掛けても大丈夫だろう。
そうして私が話をしようか、と少し座り直したところで銀の彼も私の事をチラリと見た。

きっと、私が「今、話掛けよう」としていたのが分かったのだろう。
また少し小さなため息を吐いた彼は立ち上がり、私に付いてくる様、目で合図した。




「お前また、何か突拍子も無い事を言い出すつもりじゃなかっただろうな?」

チラリと教室の扉を見ながら、そう言って私を咎める彼。
青い瞳がやっぱり、青のラインに合っていて、綺麗だなと呑気な私はそんな事を考えていて、それがまたツルリと口から出ていたようだ。

「やっぱり、ラインと瞳の色が合ってると素敵だよね………ローブと同色でも良いけれど、ポイント同士という意味ではこっちの方が効いてて、良いと思う。うん。」
「お前は……………。」

そう言ったきり、黙ってしまった彼。
何とも言えない目で、私を見たまま止まっている。

誰もいない廊下で少し緊張が解れた私は、いつものペースを取り戻していた。
そう言えば、彼の名前は何だろう?まだ、自己紹介してないよね?

頭の中では大分「銀の彼」で定着していた、私の前に立つ彼。

まさか…………私が覚えてない間にしてた、って事無いよね?

「してないわよ。」

足元の朝が助け舟を出してくれる。
流石、何も言わなくても私が何にぐるぐるしているか、分かったのだろう。その朝の言葉を聞いて、私は彼に名乗る事にした。

同じ銀だから、良いんだよね?何だか固まってるみたいだし………。ん?でも朝に驚いてるのかな?

「あの………?私、ヨルって言うの。あなたは?聞いても良い?」
「………僕は、ランペトゥーザだ。」

少しの沈黙の後、答えた彼。しかしそのまま、また私をじっと見つめ黙っている。
見られて嫌な感じはしないが、何かを確かめている様な、探る様な、青い瞳。
その彼の視線の意味が分からなくて、私はやや混乱していた。

え?これ私が次何か言う場面?全然分からないんだけど。


そのままぐるぐるしていると、背後で扉の開いた音がする。

少しの騒めきと、人の気配。きっと授業が終わったのだろう。
ランペトゥーザの視線が私の顔から上にずれ、丁度私の頭の上で止まる。
ネイアか誰か、来たのだろうか。


「僕はシュマルカルデン。何か分からない事があれば、僕に聞くといい。」

ん?シュマルカルデン?

私が振り向く前に喋り始めた、彼。
何処かで聞いた名だと思いながらも、いきなり自己紹介を始めた彼を見上げる。

あ。

見上げて思い出した、銀のローブ。背の高い人がいるな、と思った事を思い出したのだ。

この人、食堂で見たんだ。
うわぁ、ブリュージュさんが言ってた人だよね?
気を付けて、って。
これ、私も名乗らないと駄目だよね………。


遠目で見た時にも綺麗だと思った、水色の短髪。濃灰色の瞳に銀のローブがとても似合う彼は学生の割にはとても背が高い。多分、ウイントフークより大きいだろうか。
色味が爽やかなので威圧感はあまり無いが、目の前で立ち塞がる背の高い年上の、男。
銀ローブの所為だろうか、腕組みをして私を見下ろす彼からの何かを感じて逃げられない事を悟った、私。

とりあえず後ろの教室から出て来る人達がフードを被っているのを見て、私もフードを被る。身なりを整え、一応きちんと自己紹介をした。

「銀のセイアで新入生のヨルと申します。よろしくお願いします。」

そう言って、少し頭を下げる。

「お辞儀の文化、あるっけ?」と今更思いながらも見ると、彼が満足そうに頷いたので大丈夫だろう。ホッとしていると、背の高い彼はそのまま私の頭を通り越して、何故か壁際にいるランペトゥーザに話し掛けた。

「力は無いが、やる事は早いな?」

私に話す時と違い、少し棘のある声に思わずパッとランペトゥーザに視線を向ける。
しかし彼は何も言わず、少し悔しそうにシュマルカルデンを見ているだけだ。

どうして新入生に意地悪するの?

反射的にムッとした自分に気が付いて、慌てて余計な事を言わない様口を塞ぐ。
いかんいかん、状況が分からない。この二人の関係も、会話の内容も。何となく、私が嫌な感じがする、というだけだ。私が発言する事で、もしかしたらランペトゥーザの立場が悪くなるかもしれない。


とりあえず突発的な行動を取らなかった自分を自分で褒めると、私はランペトゥーザのローブの端をチョイと引っ張って、こう言った。

「次の見学、行こう?」

彼は少し驚いた顔をしたけれど、私が意図する事は分かったのだろう。
シュマルカルデンに軽く頭を下げると、二人で「失礼します。」と言い、銀ローブの脇を抜けた。

勿論、物凄く、いい笑顔で言ってやったけどね?


その後は二人とも振り向かずに、深緑の廊下を真っ直ぐに進んだ。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約破棄したい悪役令嬢と呪われたヤンデレ王子

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
「フレデリック殿下、私が十七歳になったときに殿下の運命の方が現れるので安心して下さい」と婚約者は嬉々として自分の婚約破棄を語る。 それを阻止すべくフレデリックは婚約者のレティシアに愛を囁き、退路を断っていく。 そしてレティシアが十七歳に、フレデリックは真実を語る。 ※王子目線です。 ※一途で健全?なヤンデレ ※ざまああり。 ※なろう、カクヨムにも掲載

淫獄桃太郎

煮卵
BL
鬼を退治しにきた桃太郎が鬼に捕らえられて性奴隷にされてしまう話。 何も考えないエロい話です。

エリザベート・ディッペルは悪役令嬢になれない

秋月真鳥
恋愛
エリザベートは六歳の公爵家の娘。 国一番のフェアレディと呼ばれた母に厳しく礼儀作法を教え込まれて育てられている。 母の厳しさとプレッシャーに耐えきれず庭に逃げ出した時に、護衛の騎士エクムントが迎えに来てくれる。 エクムントは侯爵家の三男で、エリザベートが赤ん坊の頃からの知り合いで初恋の相手だ。 エクムントに連れられて戻ると母は優しく迎えてくれた。 その夜、エリザベートは前世を思い出す。 エリザベートは、前世で読んだロマンス小説『クリスタ・ノメンゼンの真実の愛』で主人公クリスタをいじめる悪役令嬢だったのだ。 その日からエリザベートはクリスタと関わらないようにしようと心に誓うのだが、お茶会で出会ったクリスタは継母に虐待されていた。クリスタを放っておけずに、エリザベートはクリスタを公爵家に引き取ってもらう。 前世で読んだ小説の主人公をフェアレディに育てていたら、懐かれて慕われて、悪役令嬢になれなかったエリザベートの物語。 小説家になろう様、ノベルアップ+様にも投稿しています。

身体検査が恥ずかしすぎる

Sion ショタもの書きさん
BL
桜の咲く季節。4月となり、陽物男子中学校は盛大な入学式を行った。俺はクラスの振り分けも終わり、このまま何事もなく学校生活が始まるのだと思っていた。 しかし入学式の一週間後、この学校では新入生の身体検査を行う。内容はとてもじゃないけど言うことはできない。俺はその検査で、とんでもない目にあった。 ※注意:エロです

転生貴族の気ままな冒険譚〜国を救うはずが引退してスローライフを目指します〜

 (笑)
恋愛
異世界に転生した元OLのアリア・フォン・ヘルツォークは、名門貴族の令嬢として生まれ変わる。前世で過労死したアリアは、今度こそ「働かずに静かなスローライフを送りたい」と心に決めるが、彼女の優れた魔法の才能が周囲に知れ渡り、次々と王国の危機に巻き込まれていく。何とかして目立たず、のんびりと暮らしたいアリア。しかし、王子フィリップとの出会いや学院での生活、さらには魔物との戦いなど、彼女の望みとは裏腹に、次々と大きな試練が彼女を待ち受ける。果たしてアリアは、理想のスローライフを手に入れることができるのか?

ヒーローの末路

真鉄
BL
狼系獣人ヴィラン×ガチムチ系ヒーロー 正義のヒーロー・ブラックムーンは悪の組織に囚われていた。肉体を改造され、ヴィランたちの性欲処理便器として陵辱される日々――。 ヒーロー陵辱/異種姦/獣人×人間/パイズリ/潮吹き/亀頭球

「おまえを幸せにする」と約束して敵国に潜入し死んだはずの夫と二年後、そこで幸せな家庭を築く彼と再会しました。~愛も幸福も絶対に逃さない~

ぽんた
ファンタジー
「かならずや生きて戻り、おまえをしあわせにする」 そう約束し、敵国に潜入した夫が死んだ。そうきかされた。 そして、三年後、夫の死を信じられないまま、わたしも敵国に潜入した。夫と同じように。元上司である大佐の妻役として。 そして、その敵国で出会ったのは、妻子と幸せに暮らしている夫だった。 死んだはずの夫は、わたしとではなく敵国のレディと息子と家庭を築き、しあわせに暮らしていた。 夫ベンは、記憶喪失に違いない。彼の記憶を取り戻すべく、極秘の活動を開始する。が、それがうまくいかないどころか、王子やら謎の人物やらに絡まれつきまとわれるように。しかも命まで狙われるってどういうことなの? わたしはただ夫ベンの記憶を取り戻し、どこか静かなところでしあわせに暮らしたいだけなのに。夫と彼との子どもたちといっしょに。それなのに命を狙われたり王位継承の謀略に巻き込まれたり、いい加減にしてほしい。 わたし、いったいどうなるの? ベンを取り戻せるの? また彼に愛されるようになるの? 彼に愛されたい。彼に心も体も愛撫されたい。ただそれだけなのに……。 ※ハッピーエンド確約。いわゆるスパイものです。初のR15指定。ご都合主義のゆるゆる設定はご容赦願います。 ※申し訳ありません。カテゴリー変更に伴い、「私は、最愛の夫と別の妻との幸せを見守らねばなりませんか?~「おまえを幸せにする」と約束した夫は敵国の美女と二人の息子と幸せに暮らしています~」よりタイトルを変更しています

【完結】呪われ王子は生意気な騎士に仮面を外される

りゆき
BL
口の悪い生意気騎士×呪われ王子のラブロマンス! 国の騎士団副団長まで上り詰めた平民出身のディークは、なぜか辺境の地、ミルフェン城へと向かっていた。 ミルフェン城といえば、この国の第一王子が暮らす城として知られている。 なぜ第一王子ともあろうものがそのような辺境の地に住んでいるのか、その理由は誰も知らないが、世間一般的には第一王子は「変わり者」「人嫌い」「冷酷」といった噂があるため、そのような辺境の地に住んでいるのだろうと言われていた。 そんな噂のある第一王子の近衛騎士に任命されてしまったディークは不本意ながらも近衛騎士として奮闘していく。 数少ない使用人たちとひっそり生きている第一王子。 心を開かない彼にはなにやら理由があるようで……。 国の闇のせいで孤独に生きて来た王子が、口の悪い生意気な騎士に戸惑いながらも、次第に心を開いていったとき、初めて愛を知るのだが……。 切なくも真実の愛を掴み取る王道ラブロマンス! ※R18回に印を入れていないのでご注意ください。 ※こちらの作品はムーンライトノベルズにも掲載しております。 ※完結保証 ※全38×2話、ムーンさんに合わせて一話が長いので、こちらでは2分割しております。 ※毎日7話更新予定。

処理中です...