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すべてのはじまり
《11》 ♡
しおりを挟む腰を動かしつつ顔を近づけてキスをしてくる、手を取られ耳の横で指が絡まる、まるで濃厚な恋人同士のそれだ。片手が緋縁の前をユルユルと触ってくる、快感がピークに近づく、ぼんやりと気持ち良いと思ってしまった緋縁だか急に前の根本をぎゅうっと握られる、熱いものをせき止められてしまった。
「あぁっ!やっいつ…やっ、なん…で…」
「お仕置だって忘れてないか?っは…んっ…」
その間も止まらず動き続けるコウ
「やだ…うっうっ…」
「返事…付き合うって言うんだよな…サキ?」
まさか今言ってくるとは卑怯ではなかろうか、人質に取られているようなものだ。
「酷いっ…あっあっうんっ…離して…んっ…」
「返事、OKださなけりゃずっとこのまま」
(やっぱりなんて男なんだっこんなの無理だ!)
散々愛撫にまみれ、緩やかな快感の海で溺れさせ、疼く奥への刺激がだんだんと強くなって来ているのに、せき止められる辛さ。緋縁は我慢が出来なくどうにでもなれと思ってしまう。
「やだっうっ…んっなる、なるからっ」
「なるって?恋人に?はっきり言って」
「もぅあぁっんっあんっ…ひど…あ~…恋人になるからっ…もぅ出したい…やだぁ…あっ…ひぃっく…ふっふっ…んぅぅ…ふぁ…」
「言ったな、取消は効かないからな……サキっサキっ俺のサキっんっ」
「やっやっ…あ、あ、あぁっ」
コウが緋縁の根元を緩めたのと同時に奥に熱いものが広がる、中に出されてしまった。緋縁もいつもより長く吐き出し、イッていた。
「はぁはぁサキ…離さない離さない…サキ」
なんと怖い男だ。グッたり腕と身体を投げ出す緋縁は荒い息をしながら、雁字搦めにからめとられてしまったイメージの中にいた。涙で泣き濡れた顔にキスが落ちてくる。最後に唇にゆっくりとされる。
「心も俺様に落ちるまで時間の問題だな」
(俺様、俺様?…自分で言う人初めて聞いた)
「え、うそ、まって…もぅ無理だよ…んっ」
「朝までっつったろ」
少しの休憩を挟んでコウがまだ動き出した。中に出されてしまったのでグッチュグッチュと卑猥な音が大きく聞こえる気がする。
「やだっやだっんっあっあっあぁっ!はぁんっ」
口に冷たい水の気配、喉がカラカラに乾いていた緋縁は流し込まれるそれを素直に飲む。そっと目を開けるとコウが口移しで飲ませていた。あの後本当に明け方まで行為は続いた。寝ているのか、気を失っているのか分からないうちに色々されたらしい。喉が痛い、喉が渇いた、又この倦怠感、何とも言えない。
「風呂行くぞ、ぐちゃぐちゃ…」
かぁっと顔が熱くなる、誰のせいでこの有様なのか。確かにドロドロで気持ちが悪い、サッパリしたいのは否定できない。
(あぁ…ここに来て何度目のお姫様抱っこだ…)
既に慣れてきているお姫様抱っこ、コウは毎回嬉しそうに緋縁を運ぶのだ。
(もう、好きにしてくれよ…はぁ…)
緋縁が諦めた瞬間だった。
風呂上がり、動けない緋縁はソファで寝かされベットを綺麗にしているコウ。
(今日で何日経ったっけ…あぁー頭が働かない…これってまずい状況だよね…どうしよう、しかも恋人になってしまった…どうしよう!なんとか、何とか逃げないと…)
「サキ、寝るぞ…って寝たか…」
待っている間グルグル考えていたが、体力の限界を迎え寝落ちしてしまった。コウが近づき髪を撫でる、サラサラとした手触りがお気に入りらしい。
「綺麗だな…この俺が、誰かをこんなに好きになるなんて…まったく…参ったな…」
コウ自身も困惑していた、今までは誰を傷つけても何とも思わなかった、好意を寄せられることも多くあった、適当に相手をして遊んで、俺が遊んでやってるから有難く思えぐらいに思っていた。所がどうだろうか、この小さな身体の綺麗な少年に骨抜きにされてしまった、しかもなかなか振り向いて貰えない…嫌われては無さそうだが、同じ熱量の想いは無いだろう。自分がウブな子にこんなに興奮するとは驚愕である、今まで周りにいなかったタイプで緋縁という沼にずっぽりハマってしまった。一挙手一投足可愛いくてどんどん惹かれる、長くいればいるだけ、見つめ続ければそれだけ、知れば知るほど愛おしい。この湧き上がる気持ちは何だろうか。好きだ、自分以外をここまで好きになれるとは…
今まで泣かせた数だけ焦れるのだろうか、これが天罰なのか…
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