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第7話 見知らぬ天井
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気がつくとそこは見知らぬ天井だった。
と、そんな定番ネタはさておき
どうやら案内された寝室のようだ。
逆にさっきまでのが現実逃避をした私の夢だったのかもとも考えたけど。
「わふ」
けるちゃんが膝の上に乗っているので、そんなこともないようだ。
そういえば、時間軸ってどうなってるのかな?
すごした時間と経過した時間が違うような気がするけど。
邪神様だし、たぶん時間も操れるのだろう。
「お目覚めになられましたか、聖女様…
あら、いつの間にお着替えになられたのですか?」
メイド服を着た、40代の女性、おそらく侍女というものだろう。
目の下には少し隈が浮かんでいる。
もしかしたら一睡もしていないのかもしれない。
そういえば、家に帰ったときに着替えたんだけど、
こっちだとどういう扱いになっているんだろう。
「それにこの子犬はいったいどこから…」
ついさっき突然出現したような言い方だった。
「この子はけるちゃんで、私の護衛だから気にしないでいいよ」
「子犬が護衛ですか…」
うん、言いたいことはわかるけど、邪神様が護衛だってつけてくれたんだし。
…護衛でいいんだよね?
「わふぅ!」
けるちゃんもしっぽを振ってるし、喜んでいるようだからそれでいいか。
「ところで、あなたのお名前を教えて欲しいのだけど」
「失礼しました、私はこちらで聖女様の
お世話をさせていただくことになりました。
マリーア・トスカルバインと申します。」
「マリーアさんね、よろしくおねがいします。」
私がぺこりと頭を下げて、挨拶をすると
「そんな、私ごときに、聖女様が頭を下げるなど恐れ多く…」
なんかすごく恐縮されているんだけど
「えっと、その、私はまだ何もしていないので、
そんなにかしこまらないで欲しいのですけど、だめでしょうか?」
「聖女様…わかりました、不肖ですがこのマリーア、
誠心誠意お使えさせていただきます。なにとぞよろしくお願いします。」
あまり態度が変わってない気がするけど、まあいいか。
というか、どう考えても私のほうが年上の人に対しての態度じゃないよね。
「聖女様、
朝食をご用意させていただいておりますが、お召し上がりになられますか?」
「もちろん食べる!」
無料で用意されたものを食べないとかありえないよ。
運ばれてきたのは、紅茶にパンと、ベーコンにスープでした。普通だね。
もちろん残さずに頂きました。ご馳走様でした。
紅茶は高級品だなあとは思ったけど、他はそうでもない気がする。
あと、けるちゃんにと牛乳をお願いしたら持ってきてくれた。
けるちゃんは牛乳の入ったコップを器用にもつと
そのままごくごくとおいしそうに飲んでいた。
うん、コップを持ちながら飲んでるの、器用だよね。
食べ終わったら、マリーアさんが声をかけてきた。
「それで、この後、
国王様との謁見をしていただきたいのですが、大丈夫でしょうか?」
「予定とかはないから大丈夫だよ?」
「いえ、そういうことではなく…
その様子だと大丈夫そうですね、安心しました。」
そうか、昨日あれだけ泣いて落ち込んでいたから
その心配のほうをされていたのかな?
うん、元の世界に戻れることがわかっているので、もう落ち込んでいません。
それにしても、国王様かあ、どんな人なんだろう。
「それではお召し物を換えさせていただきますね」
なんだろう、すごく嫌な予感がする。
「きつい、きついってこれは」
「我慢してください、聖女様は元がお美しいので、
その美しさをさらに引き立たせるにはそれ相応の努力が必要になるのです。」
「そんな努力別にいらないから、私は服は楽なほうがいいんだよ」
ドレス、主にコルセット、を着るのにすごく苦労していた。
というか、骨が折れるよこれ…、物理的な意味で。
その後、髪型を整えられ、高そうな宝石のちりばめられた
ネックレス等のアクセサリを付けられ
私の着替えは完了した。
いったい、私が今来ている服で
どれくらいの値段がするのだろうか…万一壊したらどうしよう。
少し考えて、そして私は考えるのをやめた。
と、そんな定番ネタはさておき
どうやら案内された寝室のようだ。
逆にさっきまでのが現実逃避をした私の夢だったのかもとも考えたけど。
「わふ」
けるちゃんが膝の上に乗っているので、そんなこともないようだ。
そういえば、時間軸ってどうなってるのかな?
すごした時間と経過した時間が違うような気がするけど。
邪神様だし、たぶん時間も操れるのだろう。
「お目覚めになられましたか、聖女様…
あら、いつの間にお着替えになられたのですか?」
メイド服を着た、40代の女性、おそらく侍女というものだろう。
目の下には少し隈が浮かんでいる。
もしかしたら一睡もしていないのかもしれない。
そういえば、家に帰ったときに着替えたんだけど、
こっちだとどういう扱いになっているんだろう。
「それにこの子犬はいったいどこから…」
ついさっき突然出現したような言い方だった。
「この子はけるちゃんで、私の護衛だから気にしないでいいよ」
「子犬が護衛ですか…」
うん、言いたいことはわかるけど、邪神様が護衛だってつけてくれたんだし。
…護衛でいいんだよね?
「わふぅ!」
けるちゃんもしっぽを振ってるし、喜んでいるようだからそれでいいか。
「ところで、あなたのお名前を教えて欲しいのだけど」
「失礼しました、私はこちらで聖女様の
お世話をさせていただくことになりました。
マリーア・トスカルバインと申します。」
「マリーアさんね、よろしくおねがいします。」
私がぺこりと頭を下げて、挨拶をすると
「そんな、私ごときに、聖女様が頭を下げるなど恐れ多く…」
なんかすごく恐縮されているんだけど
「えっと、その、私はまだ何もしていないので、
そんなにかしこまらないで欲しいのですけど、だめでしょうか?」
「聖女様…わかりました、不肖ですがこのマリーア、
誠心誠意お使えさせていただきます。なにとぞよろしくお願いします。」
あまり態度が変わってない気がするけど、まあいいか。
というか、どう考えても私のほうが年上の人に対しての態度じゃないよね。
「聖女様、
朝食をご用意させていただいておりますが、お召し上がりになられますか?」
「もちろん食べる!」
無料で用意されたものを食べないとかありえないよ。
運ばれてきたのは、紅茶にパンと、ベーコンにスープでした。普通だね。
もちろん残さずに頂きました。ご馳走様でした。
紅茶は高級品だなあとは思ったけど、他はそうでもない気がする。
あと、けるちゃんにと牛乳をお願いしたら持ってきてくれた。
けるちゃんは牛乳の入ったコップを器用にもつと
そのままごくごくとおいしそうに飲んでいた。
うん、コップを持ちながら飲んでるの、器用だよね。
食べ終わったら、マリーアさんが声をかけてきた。
「それで、この後、
国王様との謁見をしていただきたいのですが、大丈夫でしょうか?」
「予定とかはないから大丈夫だよ?」
「いえ、そういうことではなく…
その様子だと大丈夫そうですね、安心しました。」
そうか、昨日あれだけ泣いて落ち込んでいたから
その心配のほうをされていたのかな?
うん、元の世界に戻れることがわかっているので、もう落ち込んでいません。
それにしても、国王様かあ、どんな人なんだろう。
「それではお召し物を換えさせていただきますね」
なんだろう、すごく嫌な予感がする。
「きつい、きついってこれは」
「我慢してください、聖女様は元がお美しいので、
その美しさをさらに引き立たせるにはそれ相応の努力が必要になるのです。」
「そんな努力別にいらないから、私は服は楽なほうがいいんだよ」
ドレス、主にコルセット、を着るのにすごく苦労していた。
というか、骨が折れるよこれ…、物理的な意味で。
その後、髪型を整えられ、高そうな宝石のちりばめられた
ネックレス等のアクセサリを付けられ
私の着替えは完了した。
いったい、私が今来ている服で
どれくらいの値段がするのだろうか…万一壊したらどうしよう。
少し考えて、そして私は考えるのをやめた。
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