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第4章 邪神の迷宮
第18話 迷宮都市ラヴュリュントス4 動く迷宮
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勇者レイジと仲間達は地下に入り迷宮を進む。
魔法の灯りを周囲に配置して、共にいるシズフェ達も灯りを用意しているので、暗くはない。
また、石造りの壁には装飾が施され、その装飾が淡い光を放っている。
そのため、灯りがなくてもある程度周りの状況が把握できそうであった。
「よく、こんな道を見つけたわね」
チユキは細い通路を歩きながら言う。
罠のある正面の通路を避け、横の壁にある隠された通路を歩く。
「まあ、楽で良いっすね。この道はつい最近に多く人間が通った形跡があるっす」
ナオが振り返って言う。
今のナオの頭の両側には獣の耳が見え、お尻からはシッポが生えている。いわゆる半獣状態である。ナオが完全に獣化すると翼の生えた美しい豹の姿となる。
ナオは獣化していくごとに感知能力が鋭くなり、身体能力が上昇する。しかし、その代わり手先の器用さが下がり、装備できる武具防具が減り、また精神魔法に対する耐性が下がる。
つまり、獣化はメリットもあればデメリットもある。そのため、使い所を考えなくてはならない。
今は探索をするために半獣化状態になっている。探知能力が上がったナオが言うのだから、間違いなく連れ去られた人達はこの道を通ったのだろう。
はっきりとした地図はない。
だけどナオが人が通った場所を感知できれば安全に進める。
その事に気付けば問題はないのである。
「はは、結局私達は役に立ちませんでしたね」
ナオと共に先行するシズフェが笑う。
さほどシズフェ達は役に立っていない。
だから、ほとんど案内はいらなかった。
「問題はない。シズフェ。むしろ、何もなくて良かった思うべきだな」
レイジが笑ってシズフェを励ます。
「そうだよ。何もないほうが良いよ」
サホコもレイジに頷く。
「確かにそうね。それにしても、シロネさん達が遅れているみたいね。大丈夫かしら」
チユキは後ろを見る。
後続のシロネとキョウカとカヤが遅れている。
原因はおそらくキョウカだと思うが、それにしては遅い。
少しだけチユキは心配に思う。
「う~ん。大丈夫じゃないかな? さすがに何かあったらわかるし、今の所こっちも何もないし」
リノがつまらなそうに言う。
「確かに、今のところ何もないな」
レイジの言う通り、今のところ何もないことにチユキは首を傾げる。
ミノタウロス達の狙いはわかっていない。
これだけ大掛かりな拉致を行ったのだから、きっと何か狙いがあるはずなのだ。
先行しているゴーダン達が魔物を全て倒してくれているから、地表よりもはるかに楽であった。
ここまで特に何もなかった。
迷宮の通路を進んでいるとシズフェ達が立ち止まる。
「どうしたんだい、シズフェ?」
「レイジ様。この先は地下2階層になります。ここからはやっかいな魔物がでますのでお伝えしようと思いまして」
シズフェ達の前には地下2階層へと降りる階段がある。
「そうなの? ちなみにどんな魔物が出るのですか?」
「ブレムミュアエとイビルアイです。この魔物達が2階から徘徊しています」
ブレムミュアエとは首がない人間の姿をした魔物だ。ただ首がない代わりに人間の両胸に目があり、お腹の所に口がある。中国の刑天という妖怪に似ている。
ブレムミュアエは鉄の体を持つ上に、武器を扱う能力に優れていて、また口から強力な酸を出すらしい。
そして、イビルアイは巨大な目玉に視神経のような触手がついた魔物だ。巨大な目から放つ光は対象を麻痺させたり、魅了したり、石化させる。
そして動けなくなった獲物を触手で絡め捕り生気を奪うそうだ。
どちらの魔物も普通の人間にとってかなり危険である。
シズフェ達は過去に探索隊に参加したときにブレムミュアエに遭遇したそうだ。
その時は探索隊の自由戦士の半数が犠牲になったが、なんとか逃げる事に成功したらしい。
先行したゴーダン達は大丈夫なのだろうか?
シズフェはブレムミュアエに遭遇した時の事を思い出しているのか不安そうだ。
「大丈夫だ、シズフェ。俺達がついている。だから安心しな」
「レイジ様……」
レイジが言うとシズフェが嬉しそうな顔をする。
そして横にいるノヴィスは面白くなさそうだ。
「先に行っているゴーダン達が心配ね。急ぎましょう……。あれ? どうしたのナオさん」
チユキが横を見るとナオが周囲を見渡している。
その様子が変であった。
胸に抱かれているネズミの様子も落ちつかない様子である。
「なんだか、迷宮が動いているような気がするっす」
◆
シロネ達は急ぎレイジ達を追う。
遅れた理由はキョウカが原因である。
迷宮を歩くのになれておらず、歩みが遅くなってしまったのである。
周囲には数名の自由戦士達がいる。
チユキが念のためにとシロネ達に付けたのである。
「どうしよう急がないと、みんなに遅れちゃう」
シロネは急ごうとするが、どうしても遅くなってしまう。
そのため焦ってしまう。
「申し訳ないですわ……」
キョウカがしょんぼりと謝る。
遅れた原因が自身であると気付いているため気落ちしている。
「う、ううん、大丈夫だよ。キョウカさんはなれていないだけだから、そのうち早くなるよ」
シロネは傷つけたかもと思い。
キョウカを励ます。
「いえ、シロネ様。少し変です。確かに地下に入り、少し遅れましたが、その後私達は急ぎました。追いついてもおかしくないはずです」
カヤが周囲を見ながら言う。
「確かにそうかも、みんなは確かにこっちに進んでいるはずなのに気配を感じない」
シロネも首を傾げる。
「誰か迷宮について知っている者はいますか?」
カヤが自由戦士達を見ながら聞くと、自由戦士達は顔を見合わせる。
「も、もしかすると迷宮が形を変えている途中なのかもしれねえ」
30歳ぐらいの男の自由戦士の1人がおずおずと言う。
「えっ、迷宮が? 確かに変わるって聞いていたけど今なの?」
シロネはショックを受ける。
「わかりません。ですが、そうとしか考えられないです」
シロネ達は顔を見合わせる。
「急いでレイジ君達に知らせた方が良いかも」
「確かにそうかもしれません。ナオ様がいますから、異変に気付いているとは思いますが……。撤退を進言した方が良いかもしれません」
カヤは厳しい顔をして言う。
迷宮からは危険な感じがしていた。
一度迷宮を出た方が良いだろうとカヤは判断する。
「シロネさん、カヤ。私を置いてお兄さま達を追いなさい」
キョウカが意を決した様子で言う。
「お嬢様。それではお嬢様が危険です」
カヤが言うとキョウカは首を振る。
「私は戻りますカヤ。これまで何もなかったのです。戻るのは進むよりも安全ですわ」
そう言うキョウカの顔は残念そうであった。
これ以上足手まといになるわけにはいかない。
その表情を見たカヤは溜息を吐く。
こうなったキョウカを説得するのは難しい。
それに、安全であろう地上に戻ってくれようとしているのだ。
止める事はできない。
「わかりました。レイジ様に撤退を進言して私達も戻ります。自由戦士の皆さんはお嬢様をお願いしますね」
カヤは自由戦士達を見る。
「急ごうカヤさん。レイジ君達に追いつこう」
シロネとカヤはレイジに追いつこうと走り出すのだった。
◆
「何だ? お前は?」
迷宮都市の地表部分の神殿内部、その地下の迷宮の入り口に近づいた時だった。
クロキは入り口で待機している自由戦士に呼び止められる。
どうやら、地下の入り口で様子を見ているようであった。
「い、いえ。勇者様をお手伝いしようと思いまして、その……」
クロキはしどろもどろに答える。
鉄仮面で顔を隠しているが、兜で顔が見えない戦士は少なくない。
だから、顔が見えないだけで怪しまれる事はないはずである。
「そうか、数は多い方が良いらしいからな、行きな。もっとも勇者様はかなり先に進んでいると思うがな」
自由戦士達は特に怪しむ様子もなくクロキを通そうとしてくれる。
(良かった。もしかすると、自分以外にも後から来る者がいるのかも……。さて、レイジ達はどこまで進んだのだろう。迷わないように進まないと)
クロキはそんな事を考えながら地下へと入るのだった。
魔法の灯りを周囲に配置して、共にいるシズフェ達も灯りを用意しているので、暗くはない。
また、石造りの壁には装飾が施され、その装飾が淡い光を放っている。
そのため、灯りがなくてもある程度周りの状況が把握できそうであった。
「よく、こんな道を見つけたわね」
チユキは細い通路を歩きながら言う。
罠のある正面の通路を避け、横の壁にある隠された通路を歩く。
「まあ、楽で良いっすね。この道はつい最近に多く人間が通った形跡があるっす」
ナオが振り返って言う。
今のナオの頭の両側には獣の耳が見え、お尻からはシッポが生えている。いわゆる半獣状態である。ナオが完全に獣化すると翼の生えた美しい豹の姿となる。
ナオは獣化していくごとに感知能力が鋭くなり、身体能力が上昇する。しかし、その代わり手先の器用さが下がり、装備できる武具防具が減り、また精神魔法に対する耐性が下がる。
つまり、獣化はメリットもあればデメリットもある。そのため、使い所を考えなくてはならない。
今は探索をするために半獣化状態になっている。探知能力が上がったナオが言うのだから、間違いなく連れ去られた人達はこの道を通ったのだろう。
はっきりとした地図はない。
だけどナオが人が通った場所を感知できれば安全に進める。
その事に気付けば問題はないのである。
「はは、結局私達は役に立ちませんでしたね」
ナオと共に先行するシズフェが笑う。
さほどシズフェ達は役に立っていない。
だから、ほとんど案内はいらなかった。
「問題はない。シズフェ。むしろ、何もなくて良かった思うべきだな」
レイジが笑ってシズフェを励ます。
「そうだよ。何もないほうが良いよ」
サホコもレイジに頷く。
「確かにそうね。それにしても、シロネさん達が遅れているみたいね。大丈夫かしら」
チユキは後ろを見る。
後続のシロネとキョウカとカヤが遅れている。
原因はおそらくキョウカだと思うが、それにしては遅い。
少しだけチユキは心配に思う。
「う~ん。大丈夫じゃないかな? さすがに何かあったらわかるし、今の所こっちも何もないし」
リノがつまらなそうに言う。
「確かに、今のところ何もないな」
レイジの言う通り、今のところ何もないことにチユキは首を傾げる。
ミノタウロス達の狙いはわかっていない。
これだけ大掛かりな拉致を行ったのだから、きっと何か狙いがあるはずなのだ。
先行しているゴーダン達が魔物を全て倒してくれているから、地表よりもはるかに楽であった。
ここまで特に何もなかった。
迷宮の通路を進んでいるとシズフェ達が立ち止まる。
「どうしたんだい、シズフェ?」
「レイジ様。この先は地下2階層になります。ここからはやっかいな魔物がでますのでお伝えしようと思いまして」
シズフェ達の前には地下2階層へと降りる階段がある。
「そうなの? ちなみにどんな魔物が出るのですか?」
「ブレムミュアエとイビルアイです。この魔物達が2階から徘徊しています」
ブレムミュアエとは首がない人間の姿をした魔物だ。ただ首がない代わりに人間の両胸に目があり、お腹の所に口がある。中国の刑天という妖怪に似ている。
ブレムミュアエは鉄の体を持つ上に、武器を扱う能力に優れていて、また口から強力な酸を出すらしい。
そして、イビルアイは巨大な目玉に視神経のような触手がついた魔物だ。巨大な目から放つ光は対象を麻痺させたり、魅了したり、石化させる。
そして動けなくなった獲物を触手で絡め捕り生気を奪うそうだ。
どちらの魔物も普通の人間にとってかなり危険である。
シズフェ達は過去に探索隊に参加したときにブレムミュアエに遭遇したそうだ。
その時は探索隊の自由戦士の半数が犠牲になったが、なんとか逃げる事に成功したらしい。
先行したゴーダン達は大丈夫なのだろうか?
シズフェはブレムミュアエに遭遇した時の事を思い出しているのか不安そうだ。
「大丈夫だ、シズフェ。俺達がついている。だから安心しな」
「レイジ様……」
レイジが言うとシズフェが嬉しそうな顔をする。
そして横にいるノヴィスは面白くなさそうだ。
「先に行っているゴーダン達が心配ね。急ぎましょう……。あれ? どうしたのナオさん」
チユキが横を見るとナオが周囲を見渡している。
その様子が変であった。
胸に抱かれているネズミの様子も落ちつかない様子である。
「なんだか、迷宮が動いているような気がするっす」
◆
シロネ達は急ぎレイジ達を追う。
遅れた理由はキョウカが原因である。
迷宮を歩くのになれておらず、歩みが遅くなってしまったのである。
周囲には数名の自由戦士達がいる。
チユキが念のためにとシロネ達に付けたのである。
「どうしよう急がないと、みんなに遅れちゃう」
シロネは急ごうとするが、どうしても遅くなってしまう。
そのため焦ってしまう。
「申し訳ないですわ……」
キョウカがしょんぼりと謝る。
遅れた原因が自身であると気付いているため気落ちしている。
「う、ううん、大丈夫だよ。キョウカさんはなれていないだけだから、そのうち早くなるよ」
シロネは傷つけたかもと思い。
キョウカを励ます。
「いえ、シロネ様。少し変です。確かに地下に入り、少し遅れましたが、その後私達は急ぎました。追いついてもおかしくないはずです」
カヤが周囲を見ながら言う。
「確かにそうかも、みんなは確かにこっちに進んでいるはずなのに気配を感じない」
シロネも首を傾げる。
「誰か迷宮について知っている者はいますか?」
カヤが自由戦士達を見ながら聞くと、自由戦士達は顔を見合わせる。
「も、もしかすると迷宮が形を変えている途中なのかもしれねえ」
30歳ぐらいの男の自由戦士の1人がおずおずと言う。
「えっ、迷宮が? 確かに変わるって聞いていたけど今なの?」
シロネはショックを受ける。
「わかりません。ですが、そうとしか考えられないです」
シロネ達は顔を見合わせる。
「急いでレイジ君達に知らせた方が良いかも」
「確かにそうかもしれません。ナオ様がいますから、異変に気付いているとは思いますが……。撤退を進言した方が良いかもしれません」
カヤは厳しい顔をして言う。
迷宮からは危険な感じがしていた。
一度迷宮を出た方が良いだろうとカヤは判断する。
「シロネさん、カヤ。私を置いてお兄さま達を追いなさい」
キョウカが意を決した様子で言う。
「お嬢様。それではお嬢様が危険です」
カヤが言うとキョウカは首を振る。
「私は戻りますカヤ。これまで何もなかったのです。戻るのは進むよりも安全ですわ」
そう言うキョウカの顔は残念そうであった。
これ以上足手まといになるわけにはいかない。
その表情を見たカヤは溜息を吐く。
こうなったキョウカを説得するのは難しい。
それに、安全であろう地上に戻ってくれようとしているのだ。
止める事はできない。
「わかりました。レイジ様に撤退を進言して私達も戻ります。自由戦士の皆さんはお嬢様をお願いしますね」
カヤは自由戦士達を見る。
「急ごうカヤさん。レイジ君達に追いつこう」
シロネとカヤはレイジに追いつこうと走り出すのだった。
◆
「何だ? お前は?」
迷宮都市の地表部分の神殿内部、その地下の迷宮の入り口に近づいた時だった。
クロキは入り口で待機している自由戦士に呼び止められる。
どうやら、地下の入り口で様子を見ているようであった。
「い、いえ。勇者様をお手伝いしようと思いまして、その……」
クロキはしどろもどろに答える。
鉄仮面で顔を隠しているが、兜で顔が見えない戦士は少なくない。
だから、顔が見えないだけで怪しまれる事はないはずである。
「そうか、数は多い方が良いらしいからな、行きな。もっとも勇者様はかなり先に進んでいると思うがな」
自由戦士達は特に怪しむ様子もなくクロキを通そうとしてくれる。
(良かった。もしかすると、自分以外にも後から来る者がいるのかも……。さて、レイジ達はどこまで進んだのだろう。迷わないように進まないと)
クロキはそんな事を考えながら地下へと入るのだった。
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