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第6章 混沌の中に浮かぶ真実

69 目的

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 1時間ほどたった時、俺は目薬を大量に差していた。なつの時に使ったときは少年一人に使うだけだったが、今回は暴走している霰とランクSSSの深層生物アンダーアイズと、逃げられないように地面と、バレないように澄玲にも使ったので目の負担がヤバい。鏡を見たら兎のように充血していて、これはまずいと判断した俺は目を休めることにした。これで桜の魔王エンプブロサムスに対抗できるのかは微妙だ。
まあ、とにかく、今学園島の方で何かが起こっているのだろう。今はそちらが気になるが、俺はスマホを見て着信していたメールには、
「霰と三郎は明日までに墓参りを済ませて戻ってきてほしい。本当に申し訳ないが、こっちもかなりの緊急だからな。頼んだ」かなり無責任なメールだと思ったが、実際何が起こっているのか尚更気になった。
「なあ、霰」霰はベッドの中から頭だけ覗かせた。
「手向ける花を明日買って墓参り行くぞ」俺は理由も説明した。すると、
「分かった。今日は少し寝させて」まあ、あの時倒したのは俺でも霰は能力の制御が効いていなかった。その溢れ出たエネルギーで出た疲労は大きいだろうなとそんな事を考え、
「じゃあ、おやすみ。霰」そうして電気を消し、俺は
「また椅子かよ」と呟き椅子に腰掛けるのだった。

 また、夢を見た。ただ、今回のは違う。明晰夢、と言うやつなのか。俺の頭に何かが話しかけてきて、俺はそれに答えていた。
「ランクSSSのヤツでも無理か。やはり、流石だ。だが、俺に敵うか?」
「敵うんじゃねえか?こっちには先生も澄玲も居る。人間の中で最大戦力がこっちには集まってる。お前が災害を起こしたところで止めれるぞ?」
「覇王と呼ばれて浮かれているな。まあ、一つ言っておく。俺は桜の災害の直後に、桜以外の場所から生まれた。俺を産んでくれたヤツには感謝しかねえよ」その言葉に驚愕しつつ俺は意識を失い、

「本当に大丈夫?」殴られて目を覚ました。また、アイツに関係する夢を見た。果たして。アイツは誰から生まれたのか。少し考えて見ることにしよう。

 ホテルから出て、花を買い、そして、その場所にやってきていた。あの桜の木に近い墓地。なので秋でも花びらが舞っている。俺は桶に柄杓を持って歩いている。霰は俺の横で花を抱えている。そして、少し歩いていき、霰はある場所に立ち止まり、指差した。
「ここ、うちのお墓」俺は蛇口を捻って桶に水を入れ、墓参りの用意を始める。柄杓に水をすくって、その墓石に掛ける。花を手向ける。線香を炊く。そして、用意が出来たとき、霰は墓の前に跪き、
「パパ、ママ、久しぶり。昨日、やっと二人の仇を取れたよ。見守ってくれてありがと。あと、学校でも色んな友達が出来てね、楽しいんだ。もうすぐあの災害が始まっちゃうらしいけど、大丈夫」そこで一拍開けて、
「私、負けないから」その決意を込めた一言。
「また、全部が終わったら来るね」そうして立ち上がり、こっちを向いて、ニッコリと笑い

「ありがとう。やっと出来たよ。これで私がこの学園に来た目的も達成できた。でも、まだ皆の目的は達成されてないから、最後まで私は戦うよ」そして、俺の手を引っ張り、
「さあ、島に戻るよ!澄玲ちゃん達を助けてあげないと!」と。そんな決意を表すのだった。
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