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第5章 眼は口よりも想いを刻む
61 緊急事態!?
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戦いは、一瞬で終わった。体に防護壁のように能力を纏わせながら突進してきた七星奏を、俺は腕に纏わせたその能力を高出力化して、拳を打ち合わせる。
俺は、紫の能力以外なら応用が出来る。防護壁で直撃させる気は無い。とにかく少し弾けば良いのだ。だから、水蒸気爆発を引き起こす。
爆風を風で払い、俺は少しよろめいたその男に距離を詰める。今のでよろけるだけか。かなりの実力者だ。ただ、俺には届かない。
「遠雷ニテ盛ル大樹」それを一点に集中させて、七星奏を固定する。そして、爆雷を起こし、撃つ。
能力を解除すると七星奏は膝と手をついて、そして、
「自己修復」傷が塞がっていき、立ち上がる。
「まだやろうって言うのか?自分で気付いたと思うが、お前は俺に勝てない」その言葉に少し頭をかきながら、
「まあ、そうなんだよな。僕は独能力を使ってたけど、貴方は使わなかった。それでもこの差。噂の黒の能力も使われなかった。いや、強いね」
数週間の間、ほとんど無事に過ごし、(真夏の登山でなつとカスミは熱中症で1回倒れたが。)紅葉の葉が綺麗な秋になってきた、
教室に向かう際の廊下で俺はなつに話しかけられた。
「今日、なんか大事な話があるって先生が言ってた。だから、小講堂に来いって。クラスSとあたし達が呼び出されてる」そんな話を聞いた記憶は無いが、聞くと、澄玲となつは先生からの信用が高いのか、所謂「学級委員会」的なものに流れでなっているらしい。だからこそ、彼女はそのような情報を持っている。
「よし、全員集まったな。かなりの緊急だから手短にいく」先生はいつもとは違い少し緊張を孕んだ声を発した。誰も言葉を発さない。それすらもはばかられる緊張感。
「桜の災害がもうすぐ始まる。桜からの感知エネルギーで計算したらこのままのペースだとそれが起こるのは大体2ヶ月後。12月の中旬あたりになる」少し、ざわめきが起こる。この中でリアクションをしなかったのは俺だけか。しかし、内心では俺もめっちゃ緊張してる。ここで俺が今まで目的のために行動してきた結果が分かる。失敗するともう取り返しが付かないことになる。
「桜の災害で大量発生する深層生物はクラスAまでが対応する。お前達がそこで動いて少しでも消耗されたらマズいからな。そして、桜の魔王が出て来たらソイツらは撤退。教師陣とお前達でヤツを殺す」そこで先生は拳を固めた。強い怒りの感情が見え隠れしている。
「そこでこれからしたいのは1つだけ。アイツとの戦いでは命が何個あっても足りない。それだけは事実だ。だからこそ、お前達の決意を知りたい。戦いに参加する決意のあるやつは席に残れ。参加したくないなら教室に戻れ。戻っても僕は何も文句は言わない。さあ」その言葉にクラスSの席から二人、見たことない人が立ち去った。那由他も残っている。
「これの最終〆切は今月末までだ」
そして俺達は教室に戻ってきていた。誰も言葉を発さない。強い緊張が教室を覆っている。先生が戻ってきて、
「まあまあ、そこまで緊張するな。ところで霰、澄玲、三郎。後で少し僕に付いてきてくれ」呼び出された俺は何の事か分からずに少し首を捻るのだった。
俺は、紫の能力以外なら応用が出来る。防護壁で直撃させる気は無い。とにかく少し弾けば良いのだ。だから、水蒸気爆発を引き起こす。
爆風を風で払い、俺は少しよろめいたその男に距離を詰める。今のでよろけるだけか。かなりの実力者だ。ただ、俺には届かない。
「遠雷ニテ盛ル大樹」それを一点に集中させて、七星奏を固定する。そして、爆雷を起こし、撃つ。
能力を解除すると七星奏は膝と手をついて、そして、
「自己修復」傷が塞がっていき、立ち上がる。
「まだやろうって言うのか?自分で気付いたと思うが、お前は俺に勝てない」その言葉に少し頭をかきながら、
「まあ、そうなんだよな。僕は独能力を使ってたけど、貴方は使わなかった。それでもこの差。噂の黒の能力も使われなかった。いや、強いね」
数週間の間、ほとんど無事に過ごし、(真夏の登山でなつとカスミは熱中症で1回倒れたが。)紅葉の葉が綺麗な秋になってきた、
教室に向かう際の廊下で俺はなつに話しかけられた。
「今日、なんか大事な話があるって先生が言ってた。だから、小講堂に来いって。クラスSとあたし達が呼び出されてる」そんな話を聞いた記憶は無いが、聞くと、澄玲となつは先生からの信用が高いのか、所謂「学級委員会」的なものに流れでなっているらしい。だからこそ、彼女はそのような情報を持っている。
「よし、全員集まったな。かなりの緊急だから手短にいく」先生はいつもとは違い少し緊張を孕んだ声を発した。誰も言葉を発さない。それすらもはばかられる緊張感。
「桜の災害がもうすぐ始まる。桜からの感知エネルギーで計算したらこのままのペースだとそれが起こるのは大体2ヶ月後。12月の中旬あたりになる」少し、ざわめきが起こる。この中でリアクションをしなかったのは俺だけか。しかし、内心では俺もめっちゃ緊張してる。ここで俺が今まで目的のために行動してきた結果が分かる。失敗するともう取り返しが付かないことになる。
「桜の災害で大量発生する深層生物はクラスAまでが対応する。お前達がそこで動いて少しでも消耗されたらマズいからな。そして、桜の魔王が出て来たらソイツらは撤退。教師陣とお前達でヤツを殺す」そこで先生は拳を固めた。強い怒りの感情が見え隠れしている。
「そこでこれからしたいのは1つだけ。アイツとの戦いでは命が何個あっても足りない。それだけは事実だ。だからこそ、お前達の決意を知りたい。戦いに参加する決意のあるやつは席に残れ。参加したくないなら教室に戻れ。戻っても僕は何も文句は言わない。さあ」その言葉にクラスSの席から二人、見たことない人が立ち去った。那由他も残っている。
「これの最終〆切は今月末までだ」
そして俺達は教室に戻ってきていた。誰も言葉を発さない。強い緊張が教室を覆っている。先生が戻ってきて、
「まあまあ、そこまで緊張するな。ところで霰、澄玲、三郎。後で少し僕に付いてきてくれ」呼び出された俺は何の事か分からずに少し首を捻るのだった。
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