123 / 145
第二章 騎士学園編
123「大会終了。そして・・・」
しおりを挟む「しょ、勝者っ! カイト・シュタイナーっ!!!!!」
「「「「「ワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーーーーーーーっ!!!!!!!!」」」」」
カイト・シュタイナーの圧倒的勝利で幕を閉じた一回生クラス編成トーナメント。
その後、十分間の休憩が取られた後、舞台には決勝トーナメントに参加した11人だけが並び、それ以外の生徒は舞台を囲むようにして立っていた。そこへ、
「ふぉふぉふぉ⋯⋯ご苦労じゃった、一回生諸君」
「素晴らしかったぞ、一回生!」
「すごい試合を⋯⋯見させていただきました」
学園長ハンニバル・シーザーと、ラディット国王が登場。
さらに、ヤマト皇国・皇のリュウカイ・ヤマトも登場した。
********************
「一回生諸君、試合ごくろうだった! 今年の一回生は『動天世代』と呼ばれ、大きな期待と注目を集めていたが、それが逆にプレッシャーに感じてやしないかと心配をしていた。⋯⋯が蓋を開けてみれば、その皆の期待を大きく上回る結果を見せてくれた! これほど、レベルの高い一回生は歴代最強と言っても過言ではないだろう! よくやった!」
「「「「「ウワァァァァァァーーーーーー!!!!!!」」」」」
ラディット国王が一回生を手放しで大絶賛すると、会場の一般客はもちろん、見学に来ていたほとんどの二回生・三回生からも大きな驚きと共に大声援が送られた。
ラディット国王の言葉どおり⋯⋯レベルの高い試合であったと誰もが認めた瞬間でもあった。
「さてさて、そんなわけで、Aクラスは序列1位から12位までの12人体制となるが、皆も知っての通り、クラス編成トーナメントが終わったということは、同時に『序列決闘』が解禁ということになる」
学園長の言葉に、周囲の生徒らが一斉に色めきだった⋯⋯⋯⋯一人の生徒を除いて。
「な、なあ、イグナス⋯⋯『序列決闘』って何?」
「嘘だろ?! そんなことも知らねえのかよ!」
「でへへ⋯⋯」
「うぜー」
「カイト、『序列決闘』ってのはね、『序列』をかけて学園で決闘することだよ」
「ザック! こんなアホにわざわざ説明しなくてもいい!」
「ほうほう」
ザックの話だと、大会が終わっても『序列』は変動制らしく、学園内で下位の序列の者が上位の序列の者に決闘を申し込み、それに勝てば『勝った相手の序列』を奪うことができるそうだ。これを『序列決闘』というらしい。
「だけど、誰でも何度でもってわけじゃなくてAクラスに挑めるのはBクラスの生徒で、しかもBクラスの中で序列ごとに一人代表を決めて『月一回』という形で、まとめて『序列決闘』を行うんだ」
「なるほど」
「カイト⋯⋯お前、Aクラスの生徒同士の『序列決闘』もあるってことは理解しているよな?」
「え? Aクラスの生徒同士でもやるの?」
「当たり前だ! むしろ、同じクラスでの序列争いが基本だ!」
「そうなんだ⋯⋯」
「うん。あと上位クラスへの挑戦っていうのは、まあ、よっぽど⋯⋯⋯⋯かな? 滅多にないよ」
「え? なんで?」
「上位クラスとの『序列決闘』はデメリットが大きいからね。もしも、挑戦して負けでもしたら、負けた生徒は『序列二段階降格』となるから」
「序列二段階降格?」
「うん。『序列二段階降格』ってのは、その降格した序列の状態で一ヶ月『序列決闘』が禁止される」
「えっ!?『序列決闘』が⋯⋯⋯⋯禁止!」
「だから、上位クラスとの『序列決闘』はみんな慎重になるってわけ」
「な~るほど」
たしかに『いつでも、誰でも、何度でも』なんて許してしまったら、それこそ毎月同じ奴らから『序列決闘』を申し込まれかねないだろうからな。
「ふん⋯⋯! つまり、学校が始まったら同じクラスの生徒たちは敵同士ってことだ。てめーも余裕ぶっこいて足元掬われないよう、せいぜい注意しな!」
「おーおー、ツンデレ乙」
「あーんっ?!(怒)」
「あーもう! 二人ともやめろよっ!」
ザックがいつもの俺とイグナスのやり取りに合いの手のようなツッコミを入れる。
そんな呑気にワイワイ二人と喋っていると、
「さて、大会はこれで終わりじゃが、今日はちょっとした発表がある」
ふと、学園長の様子が変わった。
何を⋯⋯⋯⋯発表するんだ?
「本日より、クラリオン騎士学園専属騎士団⋯⋯」
ん?
学園長、今何か言った?
「『クラリオン学園騎士団』をここに創設することを宣言するっ!!!!」
「「「「「ク、クラリオン⋯⋯学園⋯⋯騎士団⋯⋯っ!?」」」」」
1
お気に入りに追加
428
あなたにおすすめの小説
異世界でも男装標準装備~性別迷子とか普通だけど~
結城 朱煉
ファンタジー
日常から男装している木原祐樹(25歳)は
気が付くと真っ白い空間にいた
自称神という男性によると
部下によるミスが原因だった
元の世界に戻れないので
異世界に行って生きる事を決めました!
異世界に行って、自由気ままに、生きていきます
~☆~☆~☆~☆~☆
誤字脱字など、気を付けていますが、ありましたら教えて頂けると助かります!
また、感想を頂けると大喜びします
気が向いたら書き込んでやって下さい
~☆~☆~☆~☆~☆
カクヨム・小説家になろうでも公開しています
もしもシリーズ作りました<異世界でも男装標準装備~もしもシリーズ~>
もし、よろしければ読んであげて下さい
ゴーレム使いの成り上がり
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移してしまった白久(しろく) 大成(たいせい)。
ゴーレムを作るスキルと操るスキルがある事が判明した。
元の世界の知識を使いながら、成り上がりに挑戦する。
ハーレム展開にはしません。
前半は成り上がり。
後半はものづくりの色が濃いです。
カクヨム、アルファポリスに掲載しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
悪役令嬢の騎士
コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。
異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。
少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。
そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。
少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。
異世界帰りの英雄は理不尽な現代でそこそこ無双する〜やりすぎはいかんよ、やりすぎは〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
<初投稿4日目からは『お昼12:00頃』の毎日配信となります>
「異世界から元の世界に戻るとレベルはリセットされる」⋯⋯そう女神に告げられるも「それでも元の世界で自分の人生を取り戻したい」と言って一から出直すつもりで元の世界に戻った結城タケル。
死ぬ前の時間軸——5年前の高校2年生の、あの事故現場に戻ったタケル。そこはダンジョンのある現代。タケルはダンジョン探索者《シーカー》になるべくダンジョン養成講座を受け、初心者養成ダンジョンに入る。
レベル1ではスライム1匹にさえ苦戦するという貧弱さであるにも関わらず、最悪なことに2匹のゴブリンに遭遇するタケル。
絶望の中、タケルは「どうにかしなければ⋯⋯」と必死の中、ステータスをおもむろに開く。それはただの悪あがきのようなものだったが、
「え?、何だ⋯⋯これ?」
これは、異世界に転移し魔王を倒した勇者が、ダンジョンのある現代に戻っていろいろとやらかしていく物語である。
勇者召喚に巻き込まれたおっさんはウォッシュの魔法(必須:ウィッシュのポーズ)しか使えません。~大川大地と女子高校生と行く気ままな放浪生活~
北きつね
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれた”おっさん”は、すぐにステータスを偽装した。
ろくでもない目的で、勇者召喚をしたのだと考えたからだ。
一緒に召喚された、女子高校生と城を抜け出して、王都を脱出する方法を考える。
ダメだ大人と、理不尽ないじめを受けていた女子高校生は、巻き込まれた勇者召喚で知り合った。二人と名字と名前を持つ猫(聖獣)とのスローライフは、いろいろな人を巻き込んでにぎやかになっていく。
おっさんは、日本に居た時と同じ仕事を行い始める。
女子高校生は、隠したスキルを使って、おっさんの仕事を手伝う(手伝っているつもり)。
注)作者が楽しむ為に書いています。
誤字脱字が多いです。誤字脱字は、見つけ次第直していきますが、更新はまとめて行います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる