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小学生編
8.テストとお勉強(1)
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時が流れるのは早い。
一日が終わったかと思えば、また新たな一日が始まる。
一週間が終わったかと思えば、もう一ヶ月、一年が過ぎている。
窓の外を見る。
窓からは青々と息吹く木々や草花が顔をのぞかせている。
入学式からおよそ一ヶ月の時が経ち、窓から見える景色も桃色から緑へとすっかり変わってしまった。
授業もオリエンテーションメインだったものからお勉強へと変わっている。
はぁぁぁあ...退屈だ
今は5時間目の算数の時間。
前世の知識がある僕からしたら、足し算引き算なんて簡単すぎる。
日本の教育課程によるとてつもない時間をかけた丁寧な説明がされている。
それより、これからどうしようか。
鳴海さんの成長はものすごいものがある。
このまま順調にいくと、日本一、いや世界一のピアニストになれる。
僕は鳴海さんを歴代最高のピアニストにするつもりだ。
もちろん、鳴海さんがそれを望まない場合は諦めるけれど。
鳴海さんの方をちらりと見る。
すると、鳴海さんと目があった。
鳴海さんは僕と目があうと、目線をそらし、またチラチラとこちらを覗いている。
なにその動き、めっちゃかわいい。
鳴海さんのかわいい行動に頬を緩ませ、思わずにやけてしまう。
癒やされる。
「...た...と.....くん...拓人くんっっ!!」
「うわああっっ!!!!」
いつの間にか目の前に先生が立っていた。
「うわぁあって、ちゃんと話聞いてましたか?」
「ええと。すみません、何の話でしたっけ...?」
「もうっ、柚葉ちゃんのことが気になるのはわかるけれど、先生の話もしっかり聞いてくださいね」
ニコニコしながらそういった。
うっ..はい、気をつけます。
「もう一度言うけれど、次の時間足し算と引き算のテストをします。みんなしっかりお勉強してきてくださいね~」
先生の言葉に「イヤだー」とか「うわぁ」とか様々な反応がある。
いや、この時期からすでにテストに対して忌避感を覚えているのかよ。
そして、隣からも...
「はぁあ」
「鳴海さん?どうしたの、ため息なんか吐いて」
鳴海さんが深い溜め息を吐いていた。
「あのね、音尾くん。私..実は...」
深刻な顔をした鳴海さんが僕の方を見ている。
「算数が苦手なのっっっ!!」
「え?あ、そうなんだ」
いや、実は少しだけそうなんじゃないかな~とは思っていた。
あれは前の算数の時間。
○●○●
『あかいおりがみが30まい、あおいおりがみは20まいあります。おりがみはぜんぶでなんまいありますか』
黒板にはよくある足し算の文章問題が書いてある。
まだまだ、数字に慣らそうという意味合いの強い問題が多いなあ。
そう思いながら隣を見てみると、鳴海さんが困った顔をしていた。
あれ?もしかしてわからないのかな?
「鳴海s...」
僕が鳴海さんに解き方を教えてあげようとしたところで先生が話し始めた。
「それでは、この問題を...柚葉ちゃん解いてみてくれるかな。間違ってもいいから」
先生の言葉に鳴海さんは身体をビクッとさせた。
ちょっ先生っ、タイミング悪いよぉ。
「え..と。その...ええと」
「...37まい?」
ん?37枚?どういう計算したらそうなるんだあぁ。
○●○●
ということがあったんだ。
だから、まあそうなんじゃないかな~とは思っていた。
「あ..あのさ」
鳴海さんは僕の方を見て言った。
「お勉強..教えてくれないかなぁ.....」
一日が終わったかと思えば、また新たな一日が始まる。
一週間が終わったかと思えば、もう一ヶ月、一年が過ぎている。
窓の外を見る。
窓からは青々と息吹く木々や草花が顔をのぞかせている。
入学式からおよそ一ヶ月の時が経ち、窓から見える景色も桃色から緑へとすっかり変わってしまった。
授業もオリエンテーションメインだったものからお勉強へと変わっている。
はぁぁぁあ...退屈だ
今は5時間目の算数の時間。
前世の知識がある僕からしたら、足し算引き算なんて簡単すぎる。
日本の教育課程によるとてつもない時間をかけた丁寧な説明がされている。
それより、これからどうしようか。
鳴海さんの成長はものすごいものがある。
このまま順調にいくと、日本一、いや世界一のピアニストになれる。
僕は鳴海さんを歴代最高のピアニストにするつもりだ。
もちろん、鳴海さんがそれを望まない場合は諦めるけれど。
鳴海さんの方をちらりと見る。
すると、鳴海さんと目があった。
鳴海さんは僕と目があうと、目線をそらし、またチラチラとこちらを覗いている。
なにその動き、めっちゃかわいい。
鳴海さんのかわいい行動に頬を緩ませ、思わずにやけてしまう。
癒やされる。
「...た...と.....くん...拓人くんっっ!!」
「うわああっっ!!!!」
いつの間にか目の前に先生が立っていた。
「うわぁあって、ちゃんと話聞いてましたか?」
「ええと。すみません、何の話でしたっけ...?」
「もうっ、柚葉ちゃんのことが気になるのはわかるけれど、先生の話もしっかり聞いてくださいね」
ニコニコしながらそういった。
うっ..はい、気をつけます。
「もう一度言うけれど、次の時間足し算と引き算のテストをします。みんなしっかりお勉強してきてくださいね~」
先生の言葉に「イヤだー」とか「うわぁ」とか様々な反応がある。
いや、この時期からすでにテストに対して忌避感を覚えているのかよ。
そして、隣からも...
「はぁあ」
「鳴海さん?どうしたの、ため息なんか吐いて」
鳴海さんが深い溜め息を吐いていた。
「あのね、音尾くん。私..実は...」
深刻な顔をした鳴海さんが僕の方を見ている。
「算数が苦手なのっっっ!!」
「え?あ、そうなんだ」
いや、実は少しだけそうなんじゃないかな~とは思っていた。
あれは前の算数の時間。
○●○●
『あかいおりがみが30まい、あおいおりがみは20まいあります。おりがみはぜんぶでなんまいありますか』
黒板にはよくある足し算の文章問題が書いてある。
まだまだ、数字に慣らそうという意味合いの強い問題が多いなあ。
そう思いながら隣を見てみると、鳴海さんが困った顔をしていた。
あれ?もしかしてわからないのかな?
「鳴海s...」
僕が鳴海さんに解き方を教えてあげようとしたところで先生が話し始めた。
「それでは、この問題を...柚葉ちゃん解いてみてくれるかな。間違ってもいいから」
先生の言葉に鳴海さんは身体をビクッとさせた。
ちょっ先生っ、タイミング悪いよぉ。
「え..と。その...ええと」
「...37まい?」
ん?37枚?どういう計算したらそうなるんだあぁ。
○●○●
ということがあったんだ。
だから、まあそうなんじゃないかな~とは思っていた。
「あ..あのさ」
鳴海さんは僕の方を見て言った。
「お勉強..教えてくれないかなぁ.....」
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