転生したらチートでした

ユナネコ

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シャクラマ学園・冒険者編

いいんですー!

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「よし!行くぞー!」
 私は握りこぶしを作って空にかかげる。
 空はまだ青く、雲ひとつなかった。
「い、行くってどこに?」
「もちろんサーチスの所だよ!」
 フォスが聞く。
 サーチスの所に決まってる。
 私が言うと、お兄ちゃんが私の肩を掴んだ。
「でも危険だよ?いいの?」
 お兄ちゃんの表情は私を心配しているようで、私は笑顔で答えてみせた。
「大丈夫!安心して!」
『マスター・・・、ごめんなさい。』
『ごめんなさい。』
 リムに続いてディーネも頭を下げて謝った。
「大丈夫!私が他の精霊達も助けるから!それに!私の友達を傷つけたやつは許さない!」
 私の発言に、ディーネとリムは笑顔に。
 フォスは驚いたような表情をしたが、すぐに笑顔に変わった。
 お兄ちゃんは輝かんばかりの笑顔で私の頭を撫でている。
 
 お兄ちゃんって撫でるの好きだよね。

「行くのはいいけど、なにか作戦はあるの?」
 お兄ちゃんが私の頭を撫でながら問う。
「もっちろん!」

「どんな作戦?」
 笑顔で言うと、フォスが首を傾げて聞いてきた。
 私は両手を腰に当て、胸を張って答える。
「とにかくぶっ潰す!」
「「『『・・・・・・・・・はい?』』」」
 私の言葉に、四人はフリーズしたがすぐに間抜けな声を発した。
「リア、品がないよ?」
 お兄ちゃんは苦笑をしながら撫でるのをやめた。

 別に今は品がなくたっていいんですー!
 
 そう反論しようと思ったがやめておこう。なんだか子供扱いされそうな気がするんだよね。

「お兄ちゃん、早く来ないと置いていっちゃうからね?」
 私はそう言って悪戯っぽく微笑んだ。
 お兄ちゃんは?と頭の上に出てきそうなほど不思議そうに首を傾げた。
「先に行ってるよってこと。」
 私は言い終わると同時に【身体強化】の魔法をかけて地面を強く蹴った。
 後ろから、叫ぶお兄ちゃんの声が聞こえた。しかし、その声もすぐに小さくなっていった。 


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「リアー!?」
 アルフォードはどんどん遠ざかっていくリアの名前を呼び叫んだ。
 フォスは苦笑をしながらアルフォードの肩に手を置く。
「ドンマイ。」
『ドンマイね。』
『ドンマイだねぇ。』
 もっとも、ディーネとリムの声は聞こえていないのだろうけど。
 アルフォードの場合、姿は見えるものの光にしか見えていない。声も聞こえていないのだ。
 しかし、五歳の頃のことを考えてみれば三年でそのレベルまで上がったというのだから、恐らく三、四年後には完全に見えるようになるのだろう。
 妹のリアは天才と呼ぶに値する存在だ。
 それに対してアルフォードは秀才と呼べる存在だと言える。
 
 つまり、この双子は異常ということなのだ。


「っと、早く追いつかないと!リア、大丈夫だといいけど。あ、フォスライトはそこにいて。精霊達をお願い。」
 アルフォードはそう言うとリア程ではないが、【身体強化】をかけて地面を強く蹴った。
 どんどん姿が小さくなる。
「・・・・・僕、精霊見えないんだけど。」
 フォスは今にも消え入りそうな声で呟いた。
 その呟きを聞いたのはディーネとリムだけであった。
 
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