1 / 1
カプセル大王
しおりを挟む
「明斗(あきと)はここで待っててね。お買い物すぐすむから」
お母さんは明斗に百円玉二つにぎらせると、弟の海斗(かいと)のバギーを押して行ってしまいました。
土曜日の午後ですが 、ショッピングモールのゲームコーナーはひっそりとしています。
「ちえっ、またか」
半年前に弟の海斗が産まれてから、 お父さんもお母さんも弟だけかわいがって、明斗はしかられてばかりです。海斗なんて、ちょっとおすわりしただけで手をたたいてもらえます。
「ぶーぶー」
そう言いながら、ふわふわボールをぽいっと落としただけで、頭をなでてもらえます。それを片付けるのは、明斗です。
海斗は、ちょっと泣いたらすぐだっこしてもらいます。
お父さんも会社から帰ってくると、まず海斗をだっこします。明斗が、幼稚園の大きい組でかいてきた絵を見せても、前みたいにほめてくれません。一番好きなカプセルヒーローのテレビだって、海斗が寝てると、ボリュームを小さくして静かに見ないといけないのです。
「赤ちゃんはいいよなあ」
明斗は、そう言いながら、カプセルヒーローのマシンの前で、レッドの変身ポーズを決めました。さびしい時やくやしい時は、これで元気になります。大きくなったら、絶対弱い者を守るヒーローになると決めています。
「よし、一番強いレッドを出すぞ。月曜日、幼稚園でけんちゃんに見せびらかすんだ」
「カプセルレッド出ろ!」
大きな声で言うと、明斗はカプセルマシンのレバーを思い切り回しました。
ウイ~ングワ~ン
「あれ?」
いつもの半分透明のカプセルと違って、虹色に光るカプセルが出てきました。
「ひょっとしてレアアイテムかも!」
明斗は、わくわくしてカプセルを開けようとしました。でも、固くて開きません。汗が出るほど力を入れました。突然、まぶしい光とバーンという音と同時に、カプセルが開きました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
二つに割れたカプセルの片側に、明斗の親指くらいのネコのようなものが動いています。それは、二本足で立って大きな赤いマントをつけて、ふんぞりかえっています。
「えっ、しゃべるの?電池?でも、カプセルヒーローにこんなキャラいたかなぁ」
明斗は、あっけにとられて、そのチビネコをつまもうとしました
「ムキャ~!無礼者め、わしは、おもちゃじゃないわい!」
チビネコは、ぴょんぴょん跳びはねましたが、ハッと我に返って咳ばらいをすると、前よりももっとふんぞりかえって言いました。
「コホン。礼を言うぞ、地球人の子供よ」
「生きてるの?」
明斗は、それを自分の手の平に乗せると、じっくり見つめました。
「わしはカプセル星のカプセル王国の大王じゃ。宇宙探索に出ておったら、この機械の中に紛れ込んでしまい、困り果てておったところじゃ」
カプセル大王と名乗るそれは、明斗の肩に飛び乗ると、いばって言いました。
「礼として願いを一つかなえてやろう。なんなりと申せ。ただし十数える間じゃ。ムキャキャキャ~!」
「何でも!?え~っ!」
「十、九、八、」
「え、え、え~っと 、海斗とかわりたい」
明斗は、大声で叫びました。
「ムキャキャ~!お安いご用じゃ」
カプセル大王が、小さな、毛むくじゃらのうでを一回転させると、虹色のうずまきの光りが押し寄せてきて、明斗はそれに飲み込まれました。
明斗が、バギーの上に座っている自分に気がついたのは、しばらくしてからでした。
「あら海斗ちゃん、どうしたのかな?」
お母さんが、バギーの上からにっこり笑って頭をなでてくれました。こんなにやさしいお母さんを見たのは、初めてのような気さえします。
「海斗とかわったんだ!すごい!カプセル大王が願いをかなえてくれたんだ。すごい」
明斗は、うれしくてバギーの中で手と足をバタバタさせました。
お母さんと買い物を済ませてゲームセンターのところまで戻ってくると、激しい鳴き声が聞こえました。カプセルマシンの前で、あおむけにひっくりかえった海斗が泣き叫んでいます。
「明斗!どうしたの?」
お母さんが、顔色を変えて駈け寄ると
「うわ~ん、ぼくなんだかわからないけど、お兄ちゃんになっちゃったよ~、うわ~ん」
聞き取りにくい言葉で、海斗は叫びました。
「何ばかばかしいこと言ってるの!明斗はずっと海斗のお兄ちゃんでしょ。つまらないこと言ってるんだったら、ほって帰るわよ」
お母さんは、さっさとバギーを押して行ってしまいます。海斗は、ふらふらとやっとのことで立ちあがると、お母さんの上着をつかまえました。明斗は
「いい気味だ。今まで海斗ばかりかわいがられてたんだからな」
バギーに乗った明斗は、大笑いしたい気分でした。
「明斗、ごはんよ。元気がないけど、大好きなハンバーグよ、おあがりなさい」
海斗は、キッチンのテーブルの前にすわりましたが、おはしをグーににぎって、つきたてているだけです。
「何やってるの!おぎょうぎの悪いことするんじゃありません。いらないのなら食べなくっていいわ」
お母さんは、ぷりぷりしてお皿をさげてしまいました。
海斗は、べそべそ泣きながらベビーベッドのそばまで来ると、そのまま寝てしまいました。
「いい気味だなあ、ぼくの気持がわかるだろう」
明斗は笑おうとしましたが、おなかがすいて力が出ません。
「オギャーフギャー」
「海斗もおなかすいたのね、はいはい」
お母さんは、明斗をだっこすると哺乳瓶を口に入れました。
「ま・ま・まずー、ぼくもハンバーグが食べたいよ」
しかたがないので、明斗は涙を浮かべながらミルクを飲みました。おしっこもしたのですが、オムツの中で気もち悪くてたまりません。首の後ろがかゆいのに、お母さんに分かってもらえません。
夜遅く、帰ってきたお父さんにだっこされました。せっかくぐっすり眠っていたのに、起こされてお酒の匂いもくさくていやでした。
次の日、朝八時です。海斗はまだ寝ています。
「明斗、日曜日よ。カプセルヒーロー始まるわよ、見ないの?」
お母さんは、テレビのリモコンを海斗に渡そうとしましたが、海斗はだまって、いやいやをしました。
「ばかっ、一番たのしみなテレビなのに!今日はいよいよ敵との決戦なんだぞ」
でも、テレビのスイッチは入れられることはなく、時間が過ぎていきました。明斗のすることは何もなく、ただまずいミルクとうすい果汁とか飲んで、寝ているだけです。
月曜日の朝、海斗は着替えが遅いと、またしかられています。
「おにいちゃんのせいだ」
海斗はそう言うと、ベビーべッドの明斗の頭をぽかっとたたきました。でも、明斗は泣かずにがまんしました。お兄ちゃんになってしまった海斗が、かわいそうになってきたのです。
お昼前、電話がなりました。
受話器を取ったお母さんは、真っ青になり、 明斗をおぶって飛び出しました。タクシーの中で、お父さんに携帯電話しています。
「明斗が幼稚園のジャングルジムから落ちたんですって。けんちゃんと変身ごっこをしてて。いつも遊んでるのにね。今病院に向かってるの。おもらしとかもして、大変だったみたい。もうどうしちゃったのかしら?何かあったらどうしたらいいの」
お母さんは、顔をくしゃくししゃにして泣いています。
車椅子に乗った海斗の右足には、ギブスがはめらています。
明斗をおぶったお母さんは、海斗の車椅子を押して病院を出ました。
明斗は、弟がかわいそうでたまらなくなりました。
「ごめんね、海斗は小さくて弱くて何もできないんだ。ぼくが守ってあげなくちゃいけないんだ。ぼくこんなんじゃ、ヒーローになれないや。なんとか元にもどさなければ!どうしたらいいんだろう。そうだ!」
通りかかったのは、ちょうどあのショッピングモールの前です。
明斗は、お母さんの背中から必死で
「あぶぶ~ぶぶ~」
海斗に合図を送りました。手をモールの方へ向けました。ぽかんとしていた海斗は、やっと分かったようです。
「お母さん、 ぼくゲームセンターに行きたい!」
海斗は、叫びました。お母さんは、びっくりして
「こんな時に何言ってるの」
そう言って、にらみましたが 、明斗のあまりにも真剣な様子に
「わかったわ。あの時から何か変だもの。行きましょう」
そうきっぱりと言うと、車椅子を向けてくれました。
海斗は、あのカプセルマシンの前に立ちました。二百円を入れて深呼吸をすると、ありったけの力を出してレバーを回しました。お母さんの背中から、明斗も念を込めました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
おしまい
お母さんは明斗に百円玉二つにぎらせると、弟の海斗(かいと)のバギーを押して行ってしまいました。
土曜日の午後ですが 、ショッピングモールのゲームコーナーはひっそりとしています。
「ちえっ、またか」
半年前に弟の海斗が産まれてから、 お父さんもお母さんも弟だけかわいがって、明斗はしかられてばかりです。海斗なんて、ちょっとおすわりしただけで手をたたいてもらえます。
「ぶーぶー」
そう言いながら、ふわふわボールをぽいっと落としただけで、頭をなでてもらえます。それを片付けるのは、明斗です。
海斗は、ちょっと泣いたらすぐだっこしてもらいます。
お父さんも会社から帰ってくると、まず海斗をだっこします。明斗が、幼稚園の大きい組でかいてきた絵を見せても、前みたいにほめてくれません。一番好きなカプセルヒーローのテレビだって、海斗が寝てると、ボリュームを小さくして静かに見ないといけないのです。
「赤ちゃんはいいよなあ」
明斗は、そう言いながら、カプセルヒーローのマシンの前で、レッドの変身ポーズを決めました。さびしい時やくやしい時は、これで元気になります。大きくなったら、絶対弱い者を守るヒーローになると決めています。
「よし、一番強いレッドを出すぞ。月曜日、幼稚園でけんちゃんに見せびらかすんだ」
「カプセルレッド出ろ!」
大きな声で言うと、明斗はカプセルマシンのレバーを思い切り回しました。
ウイ~ングワ~ン
「あれ?」
いつもの半分透明のカプセルと違って、虹色に光るカプセルが出てきました。
「ひょっとしてレアアイテムかも!」
明斗は、わくわくしてカプセルを開けようとしました。でも、固くて開きません。汗が出るほど力を入れました。突然、まぶしい光とバーンという音と同時に、カプセルが開きました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
二つに割れたカプセルの片側に、明斗の親指くらいのネコのようなものが動いています。それは、二本足で立って大きな赤いマントをつけて、ふんぞりかえっています。
「えっ、しゃべるの?電池?でも、カプセルヒーローにこんなキャラいたかなぁ」
明斗は、あっけにとられて、そのチビネコをつまもうとしました
「ムキャ~!無礼者め、わしは、おもちゃじゃないわい!」
チビネコは、ぴょんぴょん跳びはねましたが、ハッと我に返って咳ばらいをすると、前よりももっとふんぞりかえって言いました。
「コホン。礼を言うぞ、地球人の子供よ」
「生きてるの?」
明斗は、それを自分の手の平に乗せると、じっくり見つめました。
「わしはカプセル星のカプセル王国の大王じゃ。宇宙探索に出ておったら、この機械の中に紛れ込んでしまい、困り果てておったところじゃ」
カプセル大王と名乗るそれは、明斗の肩に飛び乗ると、いばって言いました。
「礼として願いを一つかなえてやろう。なんなりと申せ。ただし十数える間じゃ。ムキャキャキャ~!」
「何でも!?え~っ!」
「十、九、八、」
「え、え、え~っと 、海斗とかわりたい」
明斗は、大声で叫びました。
「ムキャキャ~!お安いご用じゃ」
カプセル大王が、小さな、毛むくじゃらのうでを一回転させると、虹色のうずまきの光りが押し寄せてきて、明斗はそれに飲み込まれました。
明斗が、バギーの上に座っている自分に気がついたのは、しばらくしてからでした。
「あら海斗ちゃん、どうしたのかな?」
お母さんが、バギーの上からにっこり笑って頭をなでてくれました。こんなにやさしいお母さんを見たのは、初めてのような気さえします。
「海斗とかわったんだ!すごい!カプセル大王が願いをかなえてくれたんだ。すごい」
明斗は、うれしくてバギーの中で手と足をバタバタさせました。
お母さんと買い物を済ませてゲームセンターのところまで戻ってくると、激しい鳴き声が聞こえました。カプセルマシンの前で、あおむけにひっくりかえった海斗が泣き叫んでいます。
「明斗!どうしたの?」
お母さんが、顔色を変えて駈け寄ると
「うわ~ん、ぼくなんだかわからないけど、お兄ちゃんになっちゃったよ~、うわ~ん」
聞き取りにくい言葉で、海斗は叫びました。
「何ばかばかしいこと言ってるの!明斗はずっと海斗のお兄ちゃんでしょ。つまらないこと言ってるんだったら、ほって帰るわよ」
お母さんは、さっさとバギーを押して行ってしまいます。海斗は、ふらふらとやっとのことで立ちあがると、お母さんの上着をつかまえました。明斗は
「いい気味だ。今まで海斗ばかりかわいがられてたんだからな」
バギーに乗った明斗は、大笑いしたい気分でした。
「明斗、ごはんよ。元気がないけど、大好きなハンバーグよ、おあがりなさい」
海斗は、キッチンのテーブルの前にすわりましたが、おはしをグーににぎって、つきたてているだけです。
「何やってるの!おぎょうぎの悪いことするんじゃありません。いらないのなら食べなくっていいわ」
お母さんは、ぷりぷりしてお皿をさげてしまいました。
海斗は、べそべそ泣きながらベビーベッドのそばまで来ると、そのまま寝てしまいました。
「いい気味だなあ、ぼくの気持がわかるだろう」
明斗は笑おうとしましたが、おなかがすいて力が出ません。
「オギャーフギャー」
「海斗もおなかすいたのね、はいはい」
お母さんは、明斗をだっこすると哺乳瓶を口に入れました。
「ま・ま・まずー、ぼくもハンバーグが食べたいよ」
しかたがないので、明斗は涙を浮かべながらミルクを飲みました。おしっこもしたのですが、オムツの中で気もち悪くてたまりません。首の後ろがかゆいのに、お母さんに分かってもらえません。
夜遅く、帰ってきたお父さんにだっこされました。せっかくぐっすり眠っていたのに、起こされてお酒の匂いもくさくていやでした。
次の日、朝八時です。海斗はまだ寝ています。
「明斗、日曜日よ。カプセルヒーロー始まるわよ、見ないの?」
お母さんは、テレビのリモコンを海斗に渡そうとしましたが、海斗はだまって、いやいやをしました。
「ばかっ、一番たのしみなテレビなのに!今日はいよいよ敵との決戦なんだぞ」
でも、テレビのスイッチは入れられることはなく、時間が過ぎていきました。明斗のすることは何もなく、ただまずいミルクとうすい果汁とか飲んで、寝ているだけです。
月曜日の朝、海斗は着替えが遅いと、またしかられています。
「おにいちゃんのせいだ」
海斗はそう言うと、ベビーべッドの明斗の頭をぽかっとたたきました。でも、明斗は泣かずにがまんしました。お兄ちゃんになってしまった海斗が、かわいそうになってきたのです。
お昼前、電話がなりました。
受話器を取ったお母さんは、真っ青になり、 明斗をおぶって飛び出しました。タクシーの中で、お父さんに携帯電話しています。
「明斗が幼稚園のジャングルジムから落ちたんですって。けんちゃんと変身ごっこをしてて。いつも遊んでるのにね。今病院に向かってるの。おもらしとかもして、大変だったみたい。もうどうしちゃったのかしら?何かあったらどうしたらいいの」
お母さんは、顔をくしゃくししゃにして泣いています。
車椅子に乗った海斗の右足には、ギブスがはめらています。
明斗をおぶったお母さんは、海斗の車椅子を押して病院を出ました。
明斗は、弟がかわいそうでたまらなくなりました。
「ごめんね、海斗は小さくて弱くて何もできないんだ。ぼくが守ってあげなくちゃいけないんだ。ぼくこんなんじゃ、ヒーローになれないや。なんとか元にもどさなければ!どうしたらいいんだろう。そうだ!」
通りかかったのは、ちょうどあのショッピングモールの前です。
明斗は、お母さんの背中から必死で
「あぶぶ~ぶぶ~」
海斗に合図を送りました。手をモールの方へ向けました。ぽかんとしていた海斗は、やっと分かったようです。
「お母さん、 ぼくゲームセンターに行きたい!」
海斗は、叫びました。お母さんは、びっくりして
「こんな時に何言ってるの」
そう言って、にらみましたが 、明斗のあまりにも真剣な様子に
「わかったわ。あの時から何か変だもの。行きましょう」
そうきっぱりと言うと、車椅子を向けてくれました。
海斗は、あのカプセルマシンの前に立ちました。二百円を入れて深呼吸をすると、ありったけの力を出してレバーを回しました。お母さんの背中から、明斗も念を込めました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
おしまい
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ドラゴンの愛
かわの みくた
児童書・童話
一話完結の短編集です。
おやすみなさいのその前に、一話ずつ読んで夢の中。目を閉じて、幸せな続きを空想しましょ。
たとえ種族は違っても、大切に思う気持ちは変わらない。そんなドラゴンたちの愛や恋の物語です。
アンナのぬいぐるみ
蒼河颯人
児童書・童話
突然消えてしまったぬいぐるみの行く先とは?
アンナは五歳の女の子。
彼女のお気に入りのくまのぬいぐるみが、突然姿を消してしまい、大変なことに!
さて、彼女の宝物は一体どこに行ったのでしょうか?
表紙画像は花音様に企画で描いて頂きました。
微笑んだ木
倉澤 環(タマッキン)
児童書・童話
子供たちにとって、思い出がたくさん詰まった『ぎんなんの木』
ある日、区画整理のため、ぎんなんの木が切られることになってしまいます。
子供達は寂しい気持ちを抱えながら、最後のぎんなんを拾います。
そして、その日がやってきました。
森小鬼のラダとルダ
はなまる
児童書・童話
緑の手を持つ小さな醜い森小鬼。人間に忌み嫌われ、見つかると殺されてしまいます。
ところがこの森小鬼、実は……。
皆さんのよく知る雑魚キャラの、皆さんの知らない物語です。
魔法使いプーキン姉さんの夢袋が奇跡を起こす
燦一郎
児童書・童話
ポリーノはある夜最愛のチェリーナの夢を見た。なんとかこの夢を消さずに取っておきたい。
魔法使いのプーキン姉さんにこのことを相談したら、魔法の夢袋に夢を閉じ込めておけば、何度でも同じ夢が見られると言う。
ポリーノは早速夢を思い浮かべながら息を吹き込んだ。
これでチェリーナの夢を何度でも見られる……。
しかし悪戯好きのカッパのギャンパに邪魔されて、ギャンパの夢を吹き込まれてしまった。
さてどんな夢が出来上がったか。
そしてポリーノはそれからどうなったか。
人形サクラッチに変身した少女サクラのお話
燦一郎
児童書・童話
サクラはアヤちゃんとケンカして学校に行けなくなった。一日中部屋でじっとしている。
「いっそジェニファーのような人形になってしまいたい」
するとジェニファーが声を出した。
「人形の精、マリークリスティーン様ならあなたを人形に変えられるのよ」
サクラは人形に変身し、デパートのショーケースに並べられた。
でも大変なことになった。あのアヤちゃんがやってきて、誕生日のプレゼントにと人形サクラを買ってもらったのだ。
「この人形、サクラちゃんにそっくり」
万事休す。
「まさかアヤちゃんに買われるなんて」
アヤちゃんはその人形に「サクラッチ」と名付けた。
人形は人の心を読む力があり、サクラッチは今まで見えなかったアヤちゃんの気持ちを知った。
それは意外なものだった。
「人間に戻りたい……」
さてサクラッチはどうなるのか。
ママは乳がん二年生!
織緒こん
児童書・童話
完結済み、予約投稿12月8日まで。番外編などはありません。
闘病、医療メモではなく、女の子の独り言です。
木村生絹(きむらすずし)、中学一年生。スズのママは二年前、乳がんの宣告を受けて手術をした。がんを打ち明けたママのいちばんの心配事は⋯⋯炊飯器?
おとぼけパパと世間様とちょっぴりずれたママ、しっかり者のスズ、三人家族が元気に過ごす日常です。
ビジュアルイメージ、パパ(サトウジロウさん)、ママ(サカシタチリコさん)、スズ(十年前のミヤマカレンさん)笑笑笑。
きぼうのうた
ながい としゆき
児童書・童話
平成元年春から平成5年春まで旭川にある知的障がい児入所施設で広報を担当していた時に、地域の方たちに少しでも関心を持って手に取って読んでいただきたいとの想いから機関誌の表紙に独断で自作の詩を掲載していた。今思うと、よくお咎めがなかったなぁと不思議!あの頃は運動会や学園展のポスターを作ってみたり、道北愛護展で売り物の大根で招き猫を作って飾ったりと結構好き勝手にやらせてもらっていました(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる