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第四〇話 コンロの試作
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朝食の時、相変わらず乳房を放り出したままのルゼに、チーナは軽く溜め息をついた。気にすればするほど精神疲労が溜まるだけなので、気にしないようにする筈だったが気になってしまう。
「なんて、うらめやましい。私にもこんなおっぱいが有ったら」
拳を握った。ルゼの行為を曲がりなりにも容認してしまうと、逆にその魅惑的な肢体に軽く嫉妬してしまう。それに、今朝のルゼの唇も柔らかかった。前日に続いての「おはようのチュー」を思いだし、ルゼの唇が触れた頬に手を当てて身体をくねらせる。
「なんだか、イケナイ感覚に目覚めてしまいそう」
累造は累造で相変わらず視線がルゼの胸に固定されている。悩む素振りなどまるで無い。
悩んでいるのは自分だけなのかと思うと面白くない。
「私だけなんて、なんて理不尽な」
両手を腰に当て、累造を半眼で睨んだ。
それにしても、もう少しこっちも見てくれても良いのではないか。
「私は一体何を考えてるの」
額に指先を当てて首を振る。これでは自分の方こそ累造に懸想しているようではないか。
「なあ、チーナ? 『うらめやましい』だとか何とかって、さっきから何をやってるんだ?」
「えええ!? なんで私の考えてた事が判るんですか? もしや店長は読心術の使い手!?」
「それ、前にやったから」
ルゼがひらひらと手を振った。
「思いっきり、声に出してましたよ。身体をくねくねさせて」
累造の言葉に、チーナは驚愕した。
「ほーれ、うらやましいかー?」
ルゼが乳房を見せ付けるようにたゆんたゆんと揺らする。
「ぐぬぬ」
チーナは拳を握りしめて唸った。
「累造君、ちょっとお話が」
朝食後、累造を呼び止めた。
「はい? もしかしてチーナさんが何を口走ったかですか?」
「ちょ、なっ」
一瞬、知っておくべきなのかと思ってしまい、言葉に詰まった。
「一言で言えば、大変倒錯的な妄想をしていたように見えました」
「ええ! そんな事考えたの、ほんのちょこっとですよ……」
反論は尻窄みだ。
「ちょこっとでも考えちゃったんですか」
「もう! それはほっといてください! おねーさんが聞きたいのは、累造君が店長への劣情が抑えきれなくなったりしないのかについてです!」
真っ赤になって叫ぶと、累造がクスクス笑いながら答える。
「自分でも不思議なんですが、どこかブレーキが掛かる感じなんです。ああしているルゼさんがかなり子供っぽいからでしょうか」
「そう、ですか……」
裸のルゼが妙に子供っぽいのは確かなのだけど、けしからんものが揺れているのもまた事実なのだ。何に対して悩んでいるのか判らなくなりつつも、悩まずに居られないチーナであった。
◆
連日の陽気により粘土板が既に乾いているため、コンロの実験だ。魔法陣そのものは問題ない事を確認しているので、実験には竈を使う。
竈には鍋を掛けるための穴が、大きなものが二つと小さなものが右端に一つ有り、大きなものの下には焚き口がそれぞれ付いている。焚き口は分かれていても中では繋がっており、真ん中の穴の下の焚き口で石炭を燃やせば、真ん中の穴が強火で左の穴が弱火となり、小さな穴ではヤカンで湯を沸かしたりもできる。火が一つだけで良い場合には焚き口の間を仕切り、熱が横へと逃げないようにもできる。
そして、虹の橋雑貨店では、燃料の節約も兼ねてずっと閉じている状態であった。
焚き口が網で出来ていて灰が下に落ちるようになっている竈であれば、灰の掻き出し口が焚き口の下に有るのだが、雑貨店のものはそうなってはおらず、灰は焚き口から掻き出すようになっている。これにはチーナがいつも不便を感じているらしいが、コンロの実験と運用にはこの方が都合良い。
まず、焚き口の仕切りを外す。今回、魔法陣をずっと最大火力で使うため、仕切りが有っては弱火に対応できないのだ。
次に、焚き口に灰を敷き詰めて均す。これは、粘土板が若干縮んでしまう事を予想しているためだ。焚き口のレンガで擦れて罅が入るような事態は避けたいのである。
そして、魔法陣を灰の上に乗せて起動する。スイッチを慎重に火ばさみを使って魔法陣本体の横に置くと、炎が噴き上がった。穴からボッと炎が少し高く出た後、炎の高さは穴から少し出る程度に落ち着いた。
「今日はずっとこのまま燃やし続けます」
作業の様子を見ていたチーナに言った。
その火を見てチーナが頭を抱えて悔しがる。
「ああー、朝食前だったらー」
累造はなんとも言えない気分になった。
折角火があるのだから、料理もする。まずは飯を炊く。吹き零してしまうと大変なので慎重にする。じっと監視して吹き始めたところで釜を弱火の方へと移すのだ。少し火力が弱いが今回は我慢だ。真ん中の穴には、水を入れた別の釜を置いておく。そうしておかなければ、火力が全部真ん中の穴から抜けていって、弱火の方はほんとに弱い火になってしまう。お湯が沸いたら、ついでで糠漬け用のナスやキュウリ、カブなどを湯通ししておく。湯通しをすると味は悪くなるのだが、農業の実体がよく判らないので念のためである。小さい穴では小さめの鍋で干し肉を煮ている。
飯が炊け、釜を火から下ろして蒸らしている間に、煮て柔らかくなった干し肉を小さく刻む。ネギと湯通ししたサヤエンドウも刻む。
フライパンを火に掛け、オリーブオイルを引き、卵を一つ軽く溶いて入れ、軽く混ぜたら直ぐに飯を加えて炒める。塩胡椒で味付けしてネギを入れて炒める。干し肉とサヤエンドウを加えて混ぜたら、魚醤を少しだけ入れ、全体に馴染んだら炒飯の完成だ。
干し肉を煮ていた鍋は、チーナがエンドウ豆などを足してスープにした。
そんな訳で昼食は炒飯である。火力が弱すぎたのか飯の炊き上がりは今一つだったが、粘り気の無い飯でも炒飯であれば満足できるものになると実証できて、累造は上機嫌である。ルゼとチーナの評判も上々だ。
「これも、累造の世界の料理なのか?」
ルゼの質問に首を捻る。
「知識としてはそうなんですが、多分、この世界にも似た料理は有ると思います」
「そうなのかい?」
ルゼも首を捻る。
「はい。パンは小麦粉の質が違うだけで、まるで同じものですから、米の料理法も多分変わりないでしょう」
「へぇ、小麦粉の質ねぇ」
「正確に言うと、粉の篩い分けがもっと細かくされています。普通に使うものは真っ白な粉になってます」
ルゼとチーナがびっくりして目を見開いた。
「真っ白は小麦粉なんて高価なものを使えるのかい?」
「高価ではないですよ? なるべくふすまが混じらないように粉にできますから」
「ふすまが混じらないようにねぇ」
ルゼもチーナも不思議そうな顔をする。
「だけど、石臼だと難しいかも知れません」
「石臼を使わずにどうやって?」
ルゼとチーナはますます不思議そうな顔をする。
「ほら、小麦の粒を潰しただけだと粉が少し出るだけで、他はみんな塊になってるから粉だけを篩うのは簡単でしょう?」
「まあ、そうだね」
「それを何度も繰り返すんですよ」
「そんな事やってたら幾ら時間があっても足りないよ!」
ルゼがあり得ないと言い張った。
「大丈夫です。全部機械が自動でやりますから」
「はあ!?」
ルゼもチーナも脳に過負荷が掛かったように暫し目を回してしまった。
「薄々感じてはいましたが、累造君は随分文明が進んだ世界から来たんですね」
「まったくだよ。一体どのくらい進んでるんだ?」
小首を傾げながら答える。
「三〇〇年位?」
いよいよ惑乱する二人を、自分にはそこまでの知識は無いのだと言って宥めるのに、かなりの時間を要する累造だった。
夕食はてんぷらとお好み焼きもどきである。卵は高価なため、てんぷらの衣にも、お好み焼きもどきの生地にも入っていない。
天ぷらはナスと、人参とサヤエンドウのかき揚げだ。ついでにじゃがいもを細く切ってフライドポテトにする。
お好み焼きもどきは干し肉を煮たものとキャベツが具だ。生地は干し肉を煮た汁で溶いている。
累造としてはフライドポテトが一番美味しかった。天ぷらもそれなりに美味しいが塩だけでは今一つ味気ない。お好み焼きもどきは、ソースが必須だと改めて感じた。
慣れ親しんだ味に挑戦した結果は概ね満足できるものだったが、卵や油が高価だったため、懐には大きなダメージでもあった。
「なんて、うらめやましい。私にもこんなおっぱいが有ったら」
拳を握った。ルゼの行為を曲がりなりにも容認してしまうと、逆にその魅惑的な肢体に軽く嫉妬してしまう。それに、今朝のルゼの唇も柔らかかった。前日に続いての「おはようのチュー」を思いだし、ルゼの唇が触れた頬に手を当てて身体をくねらせる。
「なんだか、イケナイ感覚に目覚めてしまいそう」
累造は累造で相変わらず視線がルゼの胸に固定されている。悩む素振りなどまるで無い。
悩んでいるのは自分だけなのかと思うと面白くない。
「私だけなんて、なんて理不尽な」
両手を腰に当て、累造を半眼で睨んだ。
それにしても、もう少しこっちも見てくれても良いのではないか。
「私は一体何を考えてるの」
額に指先を当てて首を振る。これでは自分の方こそ累造に懸想しているようではないか。
「なあ、チーナ? 『うらめやましい』だとか何とかって、さっきから何をやってるんだ?」
「えええ!? なんで私の考えてた事が判るんですか? もしや店長は読心術の使い手!?」
「それ、前にやったから」
ルゼがひらひらと手を振った。
「思いっきり、声に出してましたよ。身体をくねくねさせて」
累造の言葉に、チーナは驚愕した。
「ほーれ、うらやましいかー?」
ルゼが乳房を見せ付けるようにたゆんたゆんと揺らする。
「ぐぬぬ」
チーナは拳を握りしめて唸った。
「累造君、ちょっとお話が」
朝食後、累造を呼び止めた。
「はい? もしかしてチーナさんが何を口走ったかですか?」
「ちょ、なっ」
一瞬、知っておくべきなのかと思ってしまい、言葉に詰まった。
「一言で言えば、大変倒錯的な妄想をしていたように見えました」
「ええ! そんな事考えたの、ほんのちょこっとですよ……」
反論は尻窄みだ。
「ちょこっとでも考えちゃったんですか」
「もう! それはほっといてください! おねーさんが聞きたいのは、累造君が店長への劣情が抑えきれなくなったりしないのかについてです!」
真っ赤になって叫ぶと、累造がクスクス笑いながら答える。
「自分でも不思議なんですが、どこかブレーキが掛かる感じなんです。ああしているルゼさんがかなり子供っぽいからでしょうか」
「そう、ですか……」
裸のルゼが妙に子供っぽいのは確かなのだけど、けしからんものが揺れているのもまた事実なのだ。何に対して悩んでいるのか判らなくなりつつも、悩まずに居られないチーナであった。
◆
連日の陽気により粘土板が既に乾いているため、コンロの実験だ。魔法陣そのものは問題ない事を確認しているので、実験には竈を使う。
竈には鍋を掛けるための穴が、大きなものが二つと小さなものが右端に一つ有り、大きなものの下には焚き口がそれぞれ付いている。焚き口は分かれていても中では繋がっており、真ん中の穴の下の焚き口で石炭を燃やせば、真ん中の穴が強火で左の穴が弱火となり、小さな穴ではヤカンで湯を沸かしたりもできる。火が一つだけで良い場合には焚き口の間を仕切り、熱が横へと逃げないようにもできる。
そして、虹の橋雑貨店では、燃料の節約も兼ねてずっと閉じている状態であった。
焚き口が網で出来ていて灰が下に落ちるようになっている竈であれば、灰の掻き出し口が焚き口の下に有るのだが、雑貨店のものはそうなってはおらず、灰は焚き口から掻き出すようになっている。これにはチーナがいつも不便を感じているらしいが、コンロの実験と運用にはこの方が都合良い。
まず、焚き口の仕切りを外す。今回、魔法陣をずっと最大火力で使うため、仕切りが有っては弱火に対応できないのだ。
次に、焚き口に灰を敷き詰めて均す。これは、粘土板が若干縮んでしまう事を予想しているためだ。焚き口のレンガで擦れて罅が入るような事態は避けたいのである。
そして、魔法陣を灰の上に乗せて起動する。スイッチを慎重に火ばさみを使って魔法陣本体の横に置くと、炎が噴き上がった。穴からボッと炎が少し高く出た後、炎の高さは穴から少し出る程度に落ち着いた。
「今日はずっとこのまま燃やし続けます」
作業の様子を見ていたチーナに言った。
その火を見てチーナが頭を抱えて悔しがる。
「ああー、朝食前だったらー」
累造はなんとも言えない気分になった。
折角火があるのだから、料理もする。まずは飯を炊く。吹き零してしまうと大変なので慎重にする。じっと監視して吹き始めたところで釜を弱火の方へと移すのだ。少し火力が弱いが今回は我慢だ。真ん中の穴には、水を入れた別の釜を置いておく。そうしておかなければ、火力が全部真ん中の穴から抜けていって、弱火の方はほんとに弱い火になってしまう。お湯が沸いたら、ついでで糠漬け用のナスやキュウリ、カブなどを湯通ししておく。湯通しをすると味は悪くなるのだが、農業の実体がよく判らないので念のためである。小さい穴では小さめの鍋で干し肉を煮ている。
飯が炊け、釜を火から下ろして蒸らしている間に、煮て柔らかくなった干し肉を小さく刻む。ネギと湯通ししたサヤエンドウも刻む。
フライパンを火に掛け、オリーブオイルを引き、卵を一つ軽く溶いて入れ、軽く混ぜたら直ぐに飯を加えて炒める。塩胡椒で味付けしてネギを入れて炒める。干し肉とサヤエンドウを加えて混ぜたら、魚醤を少しだけ入れ、全体に馴染んだら炒飯の完成だ。
干し肉を煮ていた鍋は、チーナがエンドウ豆などを足してスープにした。
そんな訳で昼食は炒飯である。火力が弱すぎたのか飯の炊き上がりは今一つだったが、粘り気の無い飯でも炒飯であれば満足できるものになると実証できて、累造は上機嫌である。ルゼとチーナの評判も上々だ。
「これも、累造の世界の料理なのか?」
ルゼの質問に首を捻る。
「知識としてはそうなんですが、多分、この世界にも似た料理は有ると思います」
「そうなのかい?」
ルゼも首を捻る。
「はい。パンは小麦粉の質が違うだけで、まるで同じものですから、米の料理法も多分変わりないでしょう」
「へぇ、小麦粉の質ねぇ」
「正確に言うと、粉の篩い分けがもっと細かくされています。普通に使うものは真っ白な粉になってます」
ルゼとチーナがびっくりして目を見開いた。
「真っ白は小麦粉なんて高価なものを使えるのかい?」
「高価ではないですよ? なるべくふすまが混じらないように粉にできますから」
「ふすまが混じらないようにねぇ」
ルゼもチーナも不思議そうな顔をする。
「だけど、石臼だと難しいかも知れません」
「石臼を使わずにどうやって?」
ルゼとチーナはますます不思議そうな顔をする。
「ほら、小麦の粒を潰しただけだと粉が少し出るだけで、他はみんな塊になってるから粉だけを篩うのは簡単でしょう?」
「まあ、そうだね」
「それを何度も繰り返すんですよ」
「そんな事やってたら幾ら時間があっても足りないよ!」
ルゼがあり得ないと言い張った。
「大丈夫です。全部機械が自動でやりますから」
「はあ!?」
ルゼもチーナも脳に過負荷が掛かったように暫し目を回してしまった。
「薄々感じてはいましたが、累造君は随分文明が進んだ世界から来たんですね」
「まったくだよ。一体どのくらい進んでるんだ?」
小首を傾げながら答える。
「三〇〇年位?」
いよいよ惑乱する二人を、自分にはそこまでの知識は無いのだと言って宥めるのに、かなりの時間を要する累造だった。
夕食はてんぷらとお好み焼きもどきである。卵は高価なため、てんぷらの衣にも、お好み焼きもどきの生地にも入っていない。
天ぷらはナスと、人参とサヤエンドウのかき揚げだ。ついでにじゃがいもを細く切ってフライドポテトにする。
お好み焼きもどきは干し肉を煮たものとキャベツが具だ。生地は干し肉を煮た汁で溶いている。
累造としてはフライドポテトが一番美味しかった。天ぷらもそれなりに美味しいが塩だけでは今一つ味気ない。お好み焼きもどきは、ソースが必須だと改めて感じた。
慣れ親しんだ味に挑戦した結果は概ね満足できるものだったが、卵や油が高価だったため、懐には大きなダメージでもあった。
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