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1943.テラス

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 女神教本部を取り巻く野次馬に見えた多くは信者だったらしい。

『アノヒトタチノ マエニ? ソノクライハ イイケレド、ウシロノ ヒトハ ミエナイヨ?』

 オリエは世話になっている手前、多少の要望には応えなければならないと考えていた。
 だが姿を見せればいいと言うものでもなさそうに思った。

『ご心配には及びません。参謁用のテラスを新設してございます』
『ナニカ オトガ シテイタノハ ソノセイ?』
『ご不快に思われておりましたようで大変申し訳ございません』

 教祖は土下座した。
 音が気になりはしたがそこまでの話ではない。
 全裸の女の土下座は背徳感が酷いので切実に止めて欲しい。
 オリエは若干顔を青ざめさせながら思った。

『イイカラ タッテ!』
『はい』

 教祖は素直だった。
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