上 下
1,547 / 1,609

1890.同じもの

しおりを挟む
 女将はモトバが背中を流すと言うのを一度は断った。

『お客様にそんなことはさせられません』
『アラウノガ サービスナラ アラワレルノモ サービス デース』

 モトバがぷるんとおっぱいを突き出しながら迫ると、顔を赤らめた女将は目を逸らしながらか細く答えた。

『……わ、判りました。お願いいたします』

 モトバは背中を流す行為が本来のサービスに含まれないことを見抜いていた。
 特別扱いを暗に示し、もう一歩踏み込んだサービスを要求したのだ。
 立場上断っただけの女将に抗う勇気などない。
 女将はモトバに触れられるとビクンと身体を跳ねさせる。
 これを見ながらモトバは問うた。

『ドウシテ ワターシ トクベツ スルデースカ?』
『そ、それは……、お客様に以前お越し頂いた女神様と同じものを感じたからですん……』

 女将は喘ぐように答えた。

『ヨク ワカリマーシタ』

 モトバは答えに納得すると、女将を女将が気を喪うほどに愛でた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

慟哭の螺旋(「悪役令嬢の慟哭」加筆修正版)

浜柔
ファンタジー
前世で遊んだ乙女ゲームと瓜二つの世界に転生していたエカテリーナ・ハイデルフトが前世の記憶を取り戻した時にはもう遅かった。 運命のまま彼女は命を落とす。 だが、それが終わりではない。彼女は怨霊と化した。

魔法道具はじめました

浜柔
ファンタジー
 趣味で描いていた魔法陣によって間川累造は異世界へと転移した。  不思議なことに、使えない筈の魔法陣がその世界では使える。  そこで出会ったのは年上の女性、ルゼ。  ルゼが営む雑貨店で暮らす事になった累造は、魔法陣によって雑貨店の傾いた経営を立て直す。 ※タイトルをオリジナルに戻しました。旧題は以下です。 「紋章魔法の始祖~魔法道具は彼方からの伝言~」 「魔法陣は世界をこえて」

魔王へのレクイエム

浜柔
ファンタジー
五百年前に世界を滅ぼし掛けた魔王はダンジョンの奥底で微睡み続ける。 その魔王を訪れる者が居て、その魔王の真実を探す者が居て、そしてその魔王と因縁を持つ者が五百年前から召喚された。 ※重複投稿。https://ncode.syosetu.com/n5955ez/

冒険者の狂詩曲《ラプソディ》~碧い瞳の治療術士~

浜柔
ファンタジー
 冒険者とは体の良い言葉だ。その日暮らしの人々を言い換えただけなのかも知れない。  社会の歯車に成り得ず、夢と自由を求めた人々。  だが彼らとて生きている。人生と言う旅路に於いて冒険をしているのだ。  そしてその冒険は終着点に辿り着くまで途切れることは無い。  そう、冒険者は今日を生き、過去と明日を夢に見る。 ※タイトルを変更しました(主題を原点に戻し、副題はシンプルに)

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

処理中です...