魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１８５２．支払い

　品物を選ぶのに予想外に時間が掛かっただけなら善かったのだが、支払いで躓いた。

『こちらで現金を押してください』

　品物を出し、現金をカウンターに置いたところで返ってきた言葉がそれだ。

「？」

　探索者達は聞き取りできず、助けを求めてシェフを見た。
　しかしシェフも初めて見るシステムで首を傾げる。

『現金とは？』
『こちらの画面に映っている現金のボタンを押してください』
『画面？　む？　これか』

　シェフは現金ボタンを押すが、現金の投入を促されてまた止まる。

『投入口はそちらです』
『これか……』

　店員に指し示されてやっと理解した。
　原理は自動販売機と同じ筈だが使い勝手が違う。
　そしてどうにか支払いを済ませた。

「ナンダカ　ツカレタナ」
「結局買い物は上手く行かなかったな」

　意気消沈する一同。
　入るコンビニチェーンを選び損ねたのであった。