魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１８１８．異邦人の噂

　神隠しの噂に加えて異邦人の噂も立った。
　突然現れては忽然と姿を消す見知らぬ人のことだ。

「だからって何で俺にそんな相談を持ってくるんだ？」

　自警団から異邦人の正体について相談を受けた剣士はとても嫌そうな顔をした。

「そりゃゾッケンならダンジョンに精通してそうだからだ」
「そ、それ程でもないけどな」

　何気に褒められてちょっと浮かれる剣士は指で鼻の下を擦った。

「だからゾッケンなら原因を突き止められるんじゃないかと思ったんだ。頼むよ」
「しょ、しょうがねぇなぁ」

　褒められて下手に出られ、「ぐへへ」な感じで安請け合いした剣士であった。