魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１７３２．戻って来た

　第３階層の果ての探索者がハーメを目撃した地点に戻って来た。
　動向が気になったらしい。

「冒険者ギルド支店？　いつの間に？」

　まぐわっていたカップルは消え、冒険者ギルド支店が建っている。

「あいつらが建てたのに間違い無いな。何者だろう？」
「さあな。目の保養はできなくなったが、そこの支店が使えるか試してみようぜ」
「おっと、そうだった」

　他人が建てた支店であっても制限が掛けられていなければ利用できる。
　これに関しては冒険者間の暗黙の了解だ。
　そしてこの冒険者ギルド支店には制限は掛けられていなかった。
　早速彼らは骨休めにベースの町へと転移する。
　すると町が少しざわついている。
　原因を他人に聞くと、何やら町の真ん中でいたしているカップルが居ると言う。
　予感を覚えた彼らはその現場に向かった。

「やっぱりヤツらだ」

　階層の果てでまぐわっていたカップルであった。
　ところが周囲がやたら物々しい。
　そして理由を他人に尋ね、自分達が命拾いしたことを知った。