魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１７２０．思いの外

「あの者達は思いの外早く来たな」
「あ、あの人達って見たことあるような気がする。猟師仲間じゃなくて……」
「ダンジョン庁とやらに勤めていた者達だ」
「あ、そうそう。役に立ってたか立ってなかったか判らない人達だね」
「その評価もどうかと思うが、少なくとも我らの害にはなってないな」
「階層増やしたばかりでタイミング悪かったよね。通してあげてもいいんじゃない？」
「無いな。１０８階層までであってもお前の時より格段に難易度が低い」
「そんなに難易度下がってたっけ？」
「冒険者ギルドも在れば、転移陣も在る。これによって５１階までなら毎日日帰りでの探索も可能だ」

　第５１階層から上の階層には転移陣が設けられている。
　これより深く潜る場合には夜営が必要になるが、第３階層からと第５１階層からとでは負担が大きく違う。

「あー、すっかり忘れてたよ。あたしも何日もダンジョンで寝泊まりしてたんだった」
「うむ。浅い階層しか人が入っていなかったのはこれが大きかろう」
「でも今でも１０階くらいまでしか来ない感じだよね」
「殆どの者は生活できるだけで満足する故な」
「それもそうか」