魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１４９１．古いのは

　先進的過ぎては観客が付いて来れないと言うことで、古いのはどうかと外国の文化を採り入れながらその国独自に発展したジャンルに着目した。

「悪いとは言わないけど、チャチャーチャチャンチャーチャチャンってイントロとか『はあああーんっ』って感じに声を捻るのは馴染めそうにないわ」

　魔法使いの率直な意見であった。

「そっかー。じゃあ、これなんかどう？」

　オリエは別の動画を開いた。
　ギター２人に三味線１人の三人組だ。

「漫才師じゃない！」
「あらあら、でも楽しそうじゃありませんか」
「ええ……」

　モトバは賛成するようだったが、魔法使いはやはり難色を示す。

「マホが嫌なら候補から外すしかないか……」

　オリエはしょんぼりとした。

「オリエさんって意外とそんなのが好きですわよね」
「あー！　もう！　やればいいんでしょ！」

　何となくモトバにも責められているように感じた魔法使いは半ば自棄で同意した。