魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１３８８．難作業

　ヒーラーはエッチな小説の朗読を試みたが失敗した。
　読み上げる途中で変な気分になって理性を失ったのだ。
　朗読する本を選定する時から繰り返すので録音が終わらない。
　そもそもこの選定も地味に難作業だった。
　異世界にしか無い乗り物や道具がストーリーに関わっていては採用できない。
　電車であったり携帯電話であったりはこの世界の人々の共通認識には成り得ない。
　ＳＦや異世界ものも合意が形成されていないので同様だ。
　すると残るのは隣人との不倫のような単純な内容。
　ストーリーに凝らない分エッチが濃厚だったりする。

「こうなったら……」

　ヒーラーはエッチな要素の無い小説に手を伸ばした。