魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１３７４．割り切り

「またやってしまいました……」

　ヒーラーは項垂れた。
　流されてしまう自分の肉体が恨めしい。

「それにしても勿体ないわね。あんたのエッチな声は女のあたしだって股間に来て堪らなくなるんだから、男だったらイチコロよ」

　魔法使いはヒーラーがエッチに悶える動画を売れば爆売れ間違いなしだと重ねて言う。

「わ、わたしは赤の他人に肌を晒す割り切り方はできません」
「結局それよね……」

　ここで魔法使いは閃いた。

「そうだ！　だったらエッチな声だけ売るってのはどう？　それなら肌を晒すことにはならないわよ」
「！」

　ヒーラーは逡巡する。
　声だけならなんとでも誤魔化せるだろう。

「……悪くないかも知れませんね……」

　ヒーラーは若干ながら前向きになった。