魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

１２２８．冷や汗

　女将は魔王とオリエを前にびっしょりと冷や汗を掻いて内心で叫ぶ。

　だ、大丈夫よね？　お客さんも同じ恰好なんだし！

　ドキドキしながら目をグルグルさせながら何を言われるかと待ち構える。
　一方、魔王は女将の動転した様子が微笑ましいだけで何も言うことは無い。
　オリエも似たようなものだが、疑問には感じた。

「女将、服は着なくていいの？」
「ひゃい!?」

　女将はビクッと跳ねた。

　きゃーっ！　やっぱり変だったかしらーっ！

　今日はおかしな事ばかりで多少の「変」に無頓着だったことに改めて気付く。
　女将は内心で叫びながらしどろもどろに言葉を紡いだ。

「そ、それはその……、折角ですからお客様と裸のお付き合いをさせていただければと……」

　冷や汗が滝のようになった。

　わたしったら何てことをーっ！

　女将は恐る恐るオリエを見やる。
　だがオリエからは女将が予想だにしなかった花が咲くような笑顔が向けられる。

「何かいいね、それ！」