上 下
838 / 1,609

1181.ムッツリ

しおりを挟む
 ヒーラーはこの際仲間達と袂を分かつべきかと真剣に考える。
 だが口から漏れた言葉を拾って魔法使いが言う。

「セヒイラって自分で思ってるよりエッチで、エッチな身体を持て余してるわよ」
「あ……ちょ……止めて……くっ……」

 すすっと後ろに回った魔法使いに後ろ抱きに胸を揉みしだかれ、ヒーラーは強く抵抗することもなく切なげな声を漏らした。

「ほらね」
「あっ」

 そして魔法使いが惜しげもなく手を離すと胸を押さえて名残惜しげな顔をする。

「恥も外聞も捨ててムッツリを認めれば楽よ」
「お断りです!」

 頑ななヒーラーに魔法使いはやれやれとばかりに頭を振った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

慟哭の螺旋(「悪役令嬢の慟哭」加筆修正版)

浜柔
ファンタジー
前世で遊んだ乙女ゲームと瓜二つの世界に転生していたエカテリーナ・ハイデルフトが前世の記憶を取り戻した時にはもう遅かった。 運命のまま彼女は命を落とす。 だが、それが終わりではない。彼女は怨霊と化した。

魔法道具はじめました

浜柔
ファンタジー
 趣味で描いていた魔法陣によって間川累造は異世界へと転移した。  不思議なことに、使えない筈の魔法陣がその世界では使える。  そこで出会ったのは年上の女性、ルゼ。  ルゼが営む雑貨店で暮らす事になった累造は、魔法陣によって雑貨店の傾いた経営を立て直す。 ※タイトルをオリジナルに戻しました。旧題は以下です。 「紋章魔法の始祖~魔法道具は彼方からの伝言~」 「魔法陣は世界をこえて」

魔王へのレクイエム

浜柔
ファンタジー
五百年前に世界を滅ぼし掛けた魔王はダンジョンの奥底で微睡み続ける。 その魔王を訪れる者が居て、その魔王の真実を探す者が居て、そしてその魔王と因縁を持つ者が五百年前から召喚された。 ※重複投稿。https://ncode.syosetu.com/n5955ez/

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

冒険者の狂詩曲《ラプソディ》~碧い瞳の治療術士~

浜柔
ファンタジー
 冒険者とは体の良い言葉だ。その日暮らしの人々を言い換えただけなのかも知れない。  社会の歯車に成り得ず、夢と自由を求めた人々。  だが彼らとて生きている。人生と言う旅路に於いて冒険をしているのだ。  そしてその冒険は終着点に辿り着くまで途切れることは無い。  そう、冒険者は今日を生き、過去と明日を夢に見る。 ※タイトルを変更しました(主題を原点に戻し、副題はシンプルに)

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

神様のお楽しみ!

ファンタジー
 気がつくと星が輝く宇宙空間にいた。目の前には頭くらいの大きさだろうか、綺麗な星が一つ。    「君は神様の仲間入りをした。だから、この星を君に任せる」  これは、新米神様に転生した少年が創造した世界で神様として見守り、下界に降りて少年として冒険したりする物語。  第一章 神編は、三十三話あります!  第二章 婚約破棄編は、二十話しかありません!(6/18(土)投稿)  第三章 転生編は、三十三話です!(6/28(火)投稿)  第四章 水の楽園編(8/1(月)投稿)  全六章にしようと思っているので、まだまだ先は長いです!    更新は、夜の六時過ぎを目安にしています!  第一章の冒険者活動、学園、飲食店の詳細を書いてないのは、単純に書き忘れと文章力のなさです。書き終えて「あっ」ってなりました。第二章の話数が少ないのも大体同じ理由です。  今書いている第四章は、なるべく細かく書いているつもりです。  ストック切れでしばらくの間、お休みします。第五章が書き終え次第投稿を再開します。  よろしくお願いしますm(_ _)m

俺は善人にはなれない

気衒い
ファンタジー
とある過去を持つ青年が異世界へ。しかし、神様が転生させてくれた訳でも誰かが王城に召喚した訳でもない。気が付いたら、森の中にいたという状況だった。その後、青年は優秀なステータスと珍しい固有スキルを武器に異世界を渡り歩いていく。そして、道中で沢山の者と出会い、様々な経験をした青年の周りにはいつしか多くの仲間達が集っていた。これはそんな青年が異世界で誰も成し得なかった偉業を達成する物語。

処理中です...