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1010.やり切った

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 ヒーラーはやり切った。
 少なくとも全員を治療したし、ヒーラー自身はそう思った。
 ところが妙なおまけが付いて来ていた。

「へっへっへ、姐さん、次はどこにご案内しやしょ?」

 強面の男がヒーラーに問い掛ける。
 男はヒーラーが治療して回った対象の1人だ。それが何を思ったのかゴマを擦りながら道案内を買って出ていた。
 マップを見ながら探し回るよりも早いのでヒーラーも男を使ったが、終わった後には用が無い。

「もう必要ありません」
「そんな殺生な~」

 男は捨てられた子犬のような顔をする。
 だが強面でやられても不気味だ。ヒーラーは引いた。

「もう会うことは無いでしょう!」

 そして逐電した。
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