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999.背筋をしゃんと

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 ボディコンを着たまでは良かったものの、ヒーラーは小さくなっている。
 魔法使いはその背中を叩いた。

「ひゃっ!」
「背筋をしゃんと伸ばしなさい! 堂々としてた方がエロく見えないわよ」
「うう……」

 魔法使いは恨みがましい視線を向けてくるヒーラーを椅子に座らせる。

「メイクは少し派手目に!」

 魔法使いはヒーラーにメイクを施す。

「ヒールのある靴を履いて!」

 急にハイヒールは履けないので控え目なヒールのパンプスを宛がう。

「さあ、シャキッと立って鏡を見なさい!」

 魔法使いは姿見をヒーラーの前に立て、腕を取って立ち上がらせた。

「……マホに比べたら全然エロくないですね」

 鏡には魔法使いも映っている。
 立っているだけでエロい魔法使いと並べば、自身の今の姿など何て事ないようにも感じられたのだった。
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