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911.良い方法

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 剣士は早速依頼の形で募集を掛けようとするが、魔王は待ったを掛ける。

「ところで募集した者をどう連れて行くつもりだ? 支店に徒歩で辿り着けなければ転移陣は使えぬぞ」
「何だって!?」

 剣士は今初めて知ったかのように喫驚した。冒険者ギルドの転移陣は自力で辿り着いた支店と本店を結ぶのみなのだ。

「ど、どうすりゃいいんだ……」
「良い方法がございますわ」

 モトバが愉快そうに微笑む。

「場所を明かして競争させればよろしいのですわ。その先着順で採用するのです」
「そんな方法が可能なのか?」
「良いのではないか? 単純に募集しては殺し合いに発展するやも知れぬ」

 剣士は魔王に言われて想像する。モトバを抱けるなら金を惜しまない者も多いだろう。
 ところが男優に応募すれば金を貰って抱けるのだ。飛び付かない筈がない。

「魔王の言う通りだな。モトバさんの案で行こう」
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