魔☆かるちゃ～魔王はこたつで茶をすする～

５５６．ダンジョン庁

　国税局員は焼きそば屋に直撃してもまるで暖簾に腕押しのため、ダンジョン庁へと矛先を変えた。

「ダンジョンを管理しているのは君達だろう？　あの者らを何とかしたまえ」
「は？　管理なんぞしとらんぞ」

　長官は鼻毛を抜いてフッと吹き飛ばした。
　国税局員のこめかみがピクピク動く。

「管理でなければなんだと言うのかね？」
「監視だ」
「見ているだけと言うのかね？」
「まあ、ダンジョンがヘソを曲げないようには手を出すがね」
「ならば君達があれらの店舗を管理するのが筋ではないかね？」
「知ったことではない」
「ダンジョン庁は仮にも国の機関ではないか！」
「えーい、鬱陶しい！　貴様の仕事を俺に押し付けようとするな！　出て行け！」
「な！　ちょっ！」

　長官は自ら国税局員を力尽くで追い出した。

「いやはや、お強くなりましたなぁ」

　秘書が感心した。