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78~84
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【78.別のゲーム】
「ふぅ……。これはこのくらいでいいかな」
オリエは遣り切った笑顔で振り向いた。胸がぷるんと揺れる。
しかし気にする者は誰もいない。
「魔王、他に何かない?」
「格闘ゲームなんてどうだ?」
「どんなものか判らないけどやってみる」
オリエは小首を傾げつつも頷いた。
しかし直ぐに始められるものではない。
オリエは画面を見て首を傾げた。
「何が書いてあるの?」
【79.文字の種類】
魔王はゲーム画面に戸惑うオリエに事も無げに言う。
「文字だな」
「このよく判らないごちゃごちゃしたものが?」
「そうだ」
オリエは文字を憶えるのが先だった。
「これが……」
魔王は4種類の文字を一通り説明する。
ABC……。
あいう……。
アイウ……。
そして漢字。
「ええ……」
オリエは目の前が暗くなる錯覚をした。
【80.格闘ゲーム】
バキャーン! ドン、ドン。
バララララララ! ドン、ドン。
ビシュン! ビシュン! ビシュン! ビシュン!
ドルルルル! ドン、ドン。
「うっ! このっ! これで!」
「飯だゾ」
「ちょっと待って」
バキャーン! ドン、ドン。
「待たないゾ」
今度のシェフは強引だ。オリエの両脇を掴んで持ち上げる。するとコントローラーもオリエの手から落ちる。
ドルルルル! ドン、ドン。
YOU LOSE!
「あああ!」
【81.シェパーズパイ】
シェフはオリエをこたつに座らせる。オリエが「むぅ」と恨みがましく見詰めるが涼しい顔だ。
骸骨だから判らないけど。
「飯が先ダ」
尚もシェフに恨みがましい視線を向けるオリエだったが、目の前の料理を見たら腹がグゥと鳴った。気まずそうに顔を赤らめる。
しかしその腹の虫はシェフにとってはむしろご褒美。
「今晩はシェパーズパイ、ダ」
少し弾んだ口調だ。
シェパーズパイに誘われたオリエはフォークを手に取って、誘われるままに手を伸ばす。
そして口に入れた途端、ぱあっと輝くような笑顔になった。
シェフもご満悦だ。
骸骨だから判らないけど。
【82.背景音】
バキャーン! ドン、ドン。
ズズズ……。
「はあ、美味い」
魔王はオリエが遊ぶゲームの音を背景音に今夜もお茶だ。
ゴトッ。
ドルルルル! ドン、ドン。
YOU LOSE!
「ん?」
振り返ってみれば、画面はゲームオーバー。
「寝落ちか!」
【83.パジャマ】
魔王はオリエを寝室へと運ぼうと、お姫様だっこした。
オリエは相変わらずのすっぽんぽんだ。
「何か着せないと風邪引かせるゾ」
シェフも気になって見に来たらしい。骸骨になっても生身の頃の週間を忘れないシェフだ。
この部屋はこたつに合わせた気温にしているので、起きている時なら大丈夫でも、眠ったらどうか判らない。
「ふむ」
どれにしようか迷いつつも、魔王は猫の着ぐるみ型パジャマをコピーする。
そして魔法で宙に浮かせたオリエに着せて行く。
お姫様だっこなんて必要なかった。
【84.実力とは】
魔王とシェフはスヤスヤと眠るオリエの寝顔を眺め続ける。
眺め続ける。
「可愛いものだな」
「か弱いのだから目を掛けてやらなければナ」
「うむ」
しかし魔王の居室に辿り着く人が皆無に等しい中で、単独で辿り着いたオリエは人の中では突出した戦闘力を有している。
それでも、オリエの実力は魔王はおろか、シェフから見ても赤子のようなものなのだった。
魔王とシェフはもう暫くオリエの寝顔を眺めてから寝室を出た。
子供を寝かしつけた夫婦のようだが、気のせいだ。
「ふぅ……。これはこのくらいでいいかな」
オリエは遣り切った笑顔で振り向いた。胸がぷるんと揺れる。
しかし気にする者は誰もいない。
「魔王、他に何かない?」
「格闘ゲームなんてどうだ?」
「どんなものか判らないけどやってみる」
オリエは小首を傾げつつも頷いた。
しかし直ぐに始められるものではない。
オリエは画面を見て首を傾げた。
「何が書いてあるの?」
【79.文字の種類】
魔王はゲーム画面に戸惑うオリエに事も無げに言う。
「文字だな」
「このよく判らないごちゃごちゃしたものが?」
「そうだ」
オリエは文字を憶えるのが先だった。
「これが……」
魔王は4種類の文字を一通り説明する。
ABC……。
あいう……。
アイウ……。
そして漢字。
「ええ……」
オリエは目の前が暗くなる錯覚をした。
【80.格闘ゲーム】
バキャーン! ドン、ドン。
バララララララ! ドン、ドン。
ビシュン! ビシュン! ビシュン! ビシュン!
ドルルルル! ドン、ドン。
「うっ! このっ! これで!」
「飯だゾ」
「ちょっと待って」
バキャーン! ドン、ドン。
「待たないゾ」
今度のシェフは強引だ。オリエの両脇を掴んで持ち上げる。するとコントローラーもオリエの手から落ちる。
ドルルルル! ドン、ドン。
YOU LOSE!
「あああ!」
【81.シェパーズパイ】
シェフはオリエをこたつに座らせる。オリエが「むぅ」と恨みがましく見詰めるが涼しい顔だ。
骸骨だから判らないけど。
「飯が先ダ」
尚もシェフに恨みがましい視線を向けるオリエだったが、目の前の料理を見たら腹がグゥと鳴った。気まずそうに顔を赤らめる。
しかしその腹の虫はシェフにとってはむしろご褒美。
「今晩はシェパーズパイ、ダ」
少し弾んだ口調だ。
シェパーズパイに誘われたオリエはフォークを手に取って、誘われるままに手を伸ばす。
そして口に入れた途端、ぱあっと輝くような笑顔になった。
シェフもご満悦だ。
骸骨だから判らないけど。
【82.背景音】
バキャーン! ドン、ドン。
ズズズ……。
「はあ、美味い」
魔王はオリエが遊ぶゲームの音を背景音に今夜もお茶だ。
ゴトッ。
ドルルルル! ドン、ドン。
YOU LOSE!
「ん?」
振り返ってみれば、画面はゲームオーバー。
「寝落ちか!」
【83.パジャマ】
魔王はオリエを寝室へと運ぼうと、お姫様だっこした。
オリエは相変わらずのすっぽんぽんだ。
「何か着せないと風邪引かせるゾ」
シェフも気になって見に来たらしい。骸骨になっても生身の頃の週間を忘れないシェフだ。
この部屋はこたつに合わせた気温にしているので、起きている時なら大丈夫でも、眠ったらどうか判らない。
「ふむ」
どれにしようか迷いつつも、魔王は猫の着ぐるみ型パジャマをコピーする。
そして魔法で宙に浮かせたオリエに着せて行く。
お姫様だっこなんて必要なかった。
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眺め続ける。
「可愛いものだな」
「か弱いのだから目を掛けてやらなければナ」
「うむ」
しかし魔王の居室に辿り着く人が皆無に等しい中で、単独で辿り着いたオリエは人の中では突出した戦闘力を有している。
それでも、オリエの実力は魔王はおろか、シェフから見ても赤子のようなものなのだった。
魔王とシェフはもう暫くオリエの寝顔を眺めてから寝室を出た。
子供を寝かしつけた夫婦のようだが、気のせいだ。
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