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別れたい彼女と付き合いたい彼女
別れ話
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私のいるカウンターと、二人のいるテーブル席は近いわけじゃないけど遠いわけじゃない。
そして、現在お店に他のお客様もいない。
そのため、こっちにその気がなくても聞こえてきてしまうのです、会話が・・・。
「んで、達也さんから誘うなんて、珍しいじゃない。どうしたの?天気も良いし、これからどこか行く?」
「あー・・・いや、ちょっと・・・。今日は、絵美ちゃんに話しがあって・・・」
「ん?何なに?かしこまったりして」
あくまで仕事をしている私ですが、なにやら微妙な空気の会話が聴こえました。
私は空気、空気です。
「あの、さ・・・。もう、会うのやめよう。俺たち」
「え・・・?」
「俺さ、本当は・・・いるんだ、彼女。結婚も考えてる。・・・だから・・・」
なんとっ!今目の前にいる女性は浮気相手だった?!じゃあ前にプレゼント渡していた女性が彼女・・・
「知ってるよ。彼女いるの」
なん・・・だとっ???!!!
「え・・・」
「初めて会った時、話してたよ。・・・酔ってて覚えてないのかもしれないけど。」
ちょっと待て。初めて会った時、寄ってて覚えてないかも・・・?アレですか?酔った勢いってやつですか?
うわー彼女いるのにヤっちゃったの?!ひくわ~
「じゃあ・・・」
「でも達也さん、こんな事も言ってた。「彼女の喜ぶ顔は見たいけど、好きな所に連れていったり、ご馳走したり、そーゆーのって俺だからってわけじゃなくて、彼氏であれば誰でもできることなんだよな。」って。「俺って本当に必要とされてるのかな・・・ってわからなくなる」って・・・。それって、本音だよね?」
「そ・・・それは・・・」
「そんな彼女と結婚したって、うまくいくわけないよ」
酔った勢いでヤっちゃったのもすごいが、今の彼女の勢いもすごいな。見た目可愛いのにものすごく肉食系でした。人は見た目によらないね。
「だって、彼氏だからってお金全部出すのが当然なんて思う人、女のあたしから見たってひどい女だなって思うよ。お金がない学生なわけじゃないんでしょ?」
「う、うん。社会人だって言ってたよ。」
「じゃあ、男に貢がせることをステータスにするような女だよ、きっと」
「いや、でもそんな風には見えな・・・」
「あまーい!女はね、見た目がおとなしそうに見える人ほど恐ろしいんだから!」
私にはあなたも同類に見えますよ。見た目可愛い人がこんな正論並べ立てて男の人を言い負かすなんて・・・。
「いや・・・、そんな断言しなくても・・。」
「いやいやいや。ホントにそうなの。現にあたしの友達だって、見た目や雰囲気は清楚系なのに男の人に貢がせるだけ貢がせたらポイって人もいるんだから!」
「・・・そ、それはコワいね・・・」
「そうそう、その子ね最近も・・・」
(チャララ~♪チャチャチャチャチャ~ラ♬チャララ~♪)
「あ、ちょうどその子から電話だ。ごめん、ちょっと話してくるね」
「ああ・・・」
ちょっと彼女・・・いや、浮気相手さん!!なんで着信音が必殺仕事人なの??!!
あまりにもびっくりしすぎて、ぷにぷにしていた殿様をぎゅっと掴んでしまった。
「うにゃっ」
「あ、ごめんごめん、殿様」
「ぐぅ~・・・」
あ~・・・殿様ちょっと不機嫌になっちゃった。
後で美味しいおやつでも献上しよう。
ぷりっぷりっとお尻を振りながらマスターの方へ行き、膝をてしてしして「膝にのせて」アピールをする殿様。
丸々とした殿様が小柄な田中さんの膝に乗ってる姿は、今でこそ見慣れたけど最初は田中さんの足がしびれてしまわないかなど心配しまくったものだ。
プルプル震えて歩きそうな見た目のおじいちゃんなのに、意外と田中さんって丈夫なんだよなぁ。
そして、現在お店に他のお客様もいない。
そのため、こっちにその気がなくても聞こえてきてしまうのです、会話が・・・。
「んで、達也さんから誘うなんて、珍しいじゃない。どうしたの?天気も良いし、これからどこか行く?」
「あー・・・いや、ちょっと・・・。今日は、絵美ちゃんに話しがあって・・・」
「ん?何なに?かしこまったりして」
あくまで仕事をしている私ですが、なにやら微妙な空気の会話が聴こえました。
私は空気、空気です。
「あの、さ・・・。もう、会うのやめよう。俺たち」
「え・・・?」
「俺さ、本当は・・・いるんだ、彼女。結婚も考えてる。・・・だから・・・」
なんとっ!今目の前にいる女性は浮気相手だった?!じゃあ前にプレゼント渡していた女性が彼女・・・
「知ってるよ。彼女いるの」
なん・・・だとっ???!!!
「え・・・」
「初めて会った時、話してたよ。・・・酔ってて覚えてないのかもしれないけど。」
ちょっと待て。初めて会った時、寄ってて覚えてないかも・・・?アレですか?酔った勢いってやつですか?
うわー彼女いるのにヤっちゃったの?!ひくわ~
「じゃあ・・・」
「でも達也さん、こんな事も言ってた。「彼女の喜ぶ顔は見たいけど、好きな所に連れていったり、ご馳走したり、そーゆーのって俺だからってわけじゃなくて、彼氏であれば誰でもできることなんだよな。」って。「俺って本当に必要とされてるのかな・・・ってわからなくなる」って・・・。それって、本音だよね?」
「そ・・・それは・・・」
「そんな彼女と結婚したって、うまくいくわけないよ」
酔った勢いでヤっちゃったのもすごいが、今の彼女の勢いもすごいな。見た目可愛いのにものすごく肉食系でした。人は見た目によらないね。
「だって、彼氏だからってお金全部出すのが当然なんて思う人、女のあたしから見たってひどい女だなって思うよ。お金がない学生なわけじゃないんでしょ?」
「う、うん。社会人だって言ってたよ。」
「じゃあ、男に貢がせることをステータスにするような女だよ、きっと」
「いや、でもそんな風には見えな・・・」
「あまーい!女はね、見た目がおとなしそうに見える人ほど恐ろしいんだから!」
私にはあなたも同類に見えますよ。見た目可愛い人がこんな正論並べ立てて男の人を言い負かすなんて・・・。
「いや・・・、そんな断言しなくても・・。」
「いやいやいや。ホントにそうなの。現にあたしの友達だって、見た目や雰囲気は清楚系なのに男の人に貢がせるだけ貢がせたらポイって人もいるんだから!」
「・・・そ、それはコワいね・・・」
「そうそう、その子ね最近も・・・」
(チャララ~♪チャチャチャチャチャ~ラ♬チャララ~♪)
「あ、ちょうどその子から電話だ。ごめん、ちょっと話してくるね」
「ああ・・・」
ちょっと彼女・・・いや、浮気相手さん!!なんで着信音が必殺仕事人なの??!!
あまりにもびっくりしすぎて、ぷにぷにしていた殿様をぎゅっと掴んでしまった。
「うにゃっ」
「あ、ごめんごめん、殿様」
「ぐぅ~・・・」
あ~・・・殿様ちょっと不機嫌になっちゃった。
後で美味しいおやつでも献上しよう。
ぷりっぷりっとお尻を振りながらマスターの方へ行き、膝をてしてしして「膝にのせて」アピールをする殿様。
丸々とした殿様が小柄な田中さんの膝に乗ってる姿は、今でこそ見慣れたけど最初は田中さんの足がしびれてしまわないかなど心配しまくったものだ。
プルプル震えて歩きそうな見た目のおじいちゃんなのに、意外と田中さんって丈夫なんだよなぁ。
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