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【本編】
あの夜の真実3 in小野side
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◆
『ん……先ぱい…?』
『!!!』
隣でもぞもぞする気配がして目が覚めた。
その気配はもちろん先輩だ。
『小野…くん……?』
酷く驚いた顔と“やってしまった”という感情が垣間見える表情。
どうやら先輩は、酔いが醒めたらしい。
時計を見ると朝の4時。
まだまだ起きる時間には早い。
『先ぱい、もう朝?……んと、あれ?まだこんな時間じゃないですか…』
『や、えっと…その……』
『もう少し、一緒に寝ましょ……』
『あの、小野く……んっ』
予想通りの反応をしている先輩が可愛くて、もっと僕を意識して欲しくて、酔いの醒めた先輩にキスをした。
『?!』
『ふふっ、おやすみのキスです。こんな状態だし、これくらいいですよね?』
『う、うん……』
『じゃ、おやすみなさぁい……』
本当に身体を重ねたと思われてるし、さっき先輩からキスしてくれたから、なんとなく許してくれそうな気はしてたけど、思った以上に先輩は混乱してるのか僕の言葉に素直に反応する。
……先輩って、意外と流されやすい?
少しだけ先輩のこれからが心配になるも、自分が捕まえてしまえばそれで良いかと思い、抱き寄せた先輩の温もりを感じながら再び眠りにつく。
恥ずかしそうにしながらも、抵抗せず僕に身を委ねる先輩が可愛くて仕方がなかったのは言うまでもない。
◆
『あ、先輩起きたんですね。おはようございます。
へへ、先にシャワーいただいちゃいました』
先に起きてシャワーを済ませると、ちょうど先輩も起きたみたいだった。
『じゃあ先輩もシャワーどうぞ。先輩の着替えは中に置いてありますよ』
『あ、ありがとう』
昨日と違って素面の先輩は、あまり表情がかわらないけどかなり動揺しているのがわかる。
やっぱりわかりにくいだけで、とても素直な可愛い人なんだろう。
『ん~!こんな朝早くに日の光を浴びるなんて、朝稽古の時以来です』
『朝、稽古……?』
『あ、僕、子供の頃から空手を嗜んでまして』
『空手?だからあんなに……』
『?』
『いやいやっ、何でもない何でもない!気にしないで!!』
業務会話がほとんどの先輩と、何気ない会話ができる日がこんなに早く来るとは思わなかった。
会社ではクールで表情や態度をほとんど崩さない先輩が、僕とのことでこんなに動揺して耳を赤くしている。
先輩の人となりが見えると、どんどん“今はこうなんだろうな”というのがわかってきて、先輩の一挙手一投足すべてが愛おしく見える。
僕は堪らず先輩の両手をそっと掴み、チュッと手にキスをした。
『??!!』
『先輩…昨日のコト、憶えてます?』
核心をついたことで、さっきよりも明らかな動揺を見せ、目を泳がせる先輩。
『えっと…そうね、昨日のコトは……』
やっぱり憶えていないようだ。
……まぁ、憶えていたらこんなに動揺しないか。
だって、実際は身体の関係をまだ持っていないんだし。
でも、本当のことは言ってあげない。でも、嘘をつくつもりはありませんよ。
『ふふっ……先輩、昨日はとても可愛かったですよ♡』
『!!!』
『また二人で、気持ちイイこと、しましょうね♡』
『!!!!』
目がこぼれるんじゃないかってくらい見開いて驚いている先輩。
先輩の身体、柔らかくて抱き心地が良くて、気持ち良かったのは本当ですから。
……いつか本当に、先輩のこと抱かせて下さいね☆
『ん……先ぱい…?』
『!!!』
隣でもぞもぞする気配がして目が覚めた。
その気配はもちろん先輩だ。
『小野…くん……?』
酷く驚いた顔と“やってしまった”という感情が垣間見える表情。
どうやら先輩は、酔いが醒めたらしい。
時計を見ると朝の4時。
まだまだ起きる時間には早い。
『先ぱい、もう朝?……んと、あれ?まだこんな時間じゃないですか…』
『や、えっと…その……』
『もう少し、一緒に寝ましょ……』
『あの、小野く……んっ』
予想通りの反応をしている先輩が可愛くて、もっと僕を意識して欲しくて、酔いの醒めた先輩にキスをした。
『?!』
『ふふっ、おやすみのキスです。こんな状態だし、これくらいいですよね?』
『う、うん……』
『じゃ、おやすみなさぁい……』
本当に身体を重ねたと思われてるし、さっき先輩からキスしてくれたから、なんとなく許してくれそうな気はしてたけど、思った以上に先輩は混乱してるのか僕の言葉に素直に反応する。
……先輩って、意外と流されやすい?
少しだけ先輩のこれからが心配になるも、自分が捕まえてしまえばそれで良いかと思い、抱き寄せた先輩の温もりを感じながら再び眠りにつく。
恥ずかしそうにしながらも、抵抗せず僕に身を委ねる先輩が可愛くて仕方がなかったのは言うまでもない。
◆
『あ、先輩起きたんですね。おはようございます。
へへ、先にシャワーいただいちゃいました』
先に起きてシャワーを済ませると、ちょうど先輩も起きたみたいだった。
『じゃあ先輩もシャワーどうぞ。先輩の着替えは中に置いてありますよ』
『あ、ありがとう』
昨日と違って素面の先輩は、あまり表情がかわらないけどかなり動揺しているのがわかる。
やっぱりわかりにくいだけで、とても素直な可愛い人なんだろう。
『ん~!こんな朝早くに日の光を浴びるなんて、朝稽古の時以来です』
『朝、稽古……?』
『あ、僕、子供の頃から空手を嗜んでまして』
『空手?だからあんなに……』
『?』
『いやいやっ、何でもない何でもない!気にしないで!!』
業務会話がほとんどの先輩と、何気ない会話ができる日がこんなに早く来るとは思わなかった。
会社ではクールで表情や態度をほとんど崩さない先輩が、僕とのことでこんなに動揺して耳を赤くしている。
先輩の人となりが見えると、どんどん“今はこうなんだろうな”というのがわかってきて、先輩の一挙手一投足すべてが愛おしく見える。
僕は堪らず先輩の両手をそっと掴み、チュッと手にキスをした。
『??!!』
『先輩…昨日のコト、憶えてます?』
核心をついたことで、さっきよりも明らかな動揺を見せ、目を泳がせる先輩。
『えっと…そうね、昨日のコトは……』
やっぱり憶えていないようだ。
……まぁ、憶えていたらこんなに動揺しないか。
だって、実際は身体の関係をまだ持っていないんだし。
でも、本当のことは言ってあげない。でも、嘘をつくつもりはありませんよ。
『ふふっ……先輩、昨日はとても可愛かったですよ♡』
『!!!』
『また二人で、気持ちイイこと、しましょうね♡』
『!!!!』
目がこぼれるんじゃないかってくらい見開いて驚いている先輩。
先輩の身体、柔らかくて抱き心地が良くて、気持ち良かったのは本当ですから。
……いつか本当に、先輩のこと抱かせて下さいね☆
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
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(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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