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1章 そうだ、学園へ行こう!

大人達の大人達による子供達のため(?)の会議2 inサーヤside

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カルステッドさん達の意見や希望がまとまった後、あたしは視線をミナトちゃん達に向ける。

可愛い、もしくは綺麗な見た目なのに、「悪い人間は皆殺しぷっちんだ♪」と笑顔でやってのける過激派集団こと、精霊王様達はどう行動するんだろうか……?

「ん~、ボクは基本的に人間と関わるつもりはないしリアのそばにいたいから、姿を隠してたまに遊びに行くよ☆」
「レオたんをいじめる奴は、サーヤママのためにもぷっちんなのよ!」
「サクラをいじめる奴も、サーヤが悲しまないよう酷い目に遭わせなきゃ!」
「……僕はおねーさんとおにーさんの安寧のために、二人が暴走しないよう見守ることにするよ」
「あぁ。頼んだ、カイト」

セイルのブレないマイペース宣言を皮切りに、ミナトちゃんとベルナートさんは予想通りの過激な発言である。

人間の世界には基本的に手出し不可という制約があるみたいだけど、”加護者であるあたしのため”と理由を付けるだけで結構自由に行動できるらしい。
ずいぶんと緩い制約である。

気持ちはとても素直に嬉しいけど、それ以上に何かやらかしそうで正直めちゃくちゃ心配なんだよね。
でも、カイトくんが歯止め役になってくれるみたいだから、ひとまず安心かな?

「私やマデリーヌは森の家で待機しているわ。何か手伝いが必要なら遠慮なく言ってちょうだい」
「ふふっ、いろいろお守りを作って持たせてあげるわねん♡♡」

ノルンさんやマデリーヌさんは、今回待機組らしい。
ありがたいような不安なような…とりあえず一緒に学園に潜入するよりはだいぶ良いだろう。

だって、マデリーヌさんやノルンさんみたいなお色気たっぷりの絶世の美女は、学生には刺激が強すぎる。


それに……―――――――


「ノルン、本当に学園とやらに行かなくて良いのか?サーヤが行くのだ。必ず何かが起こるぞ」

そうそう、先代様だっているわけだし……って、ちょっと待て!
それどーゆー意味ですかっ!!!

「ふふっ、今回は子供達が通う国内の学園ですもの。私達が何かと手助けしては、子供達の成長にもなりませんわ」
「む、確かにそうか」

ノルンさんの仰る通り!
そうです。自分の問題は自分で解決できるようになってこそ、人は成長するんです!! 

「それに、学園にいる地の精霊に定期報告と何かあった場合の連絡を支持しておけば、私達まで現地で待機する必要もありませんし、むしろ大人数で潜入する方がトラブルを招く原因にもなりましょう。私は時々顔を出すくらいにさせていただきますわ」
「ん~、私はレヴィンと一緒に潜入して"制服ぷれい"って言うのをしてみたかったんだけれど、断られちゃったのよねん♡だから、森の家でのんびりと待機してるわん♡♡」

うんうん。ノルンさんは待機しながらもちゃんと様子を確認してくれるなんて……
やっぱり頼れる人だなぁ。

マデリーヌさんも、待機してくれるのはありがたいけど理由がソレですか……

思わずため息をつきそうになった時、思わぬ人が思わぬ言葉に反応した。

「む?せいふく、ぷれい?」
「えぇ♡学園の制服を着て、学生気分で愉しむぷれいみたいよん♡♡後は、"教師と生徒イケナイ恋愛ぷれい"だっかしらん?ふふっ、エリュシオンってば以前からサーヤちゃんといろんなぷれいを愉しんでて……痛っ」
「ふふふ…以前から先代様によからぬ知恵を植え付けてたのはあなただったの?マデリーヌ……」
「え?私はただエリュシオンにオススメの"ぷれい"を教えてもらっただけよん?」
「うむ。我はノルンを愉しませる方法を、対価を払ってエリュシオンに聞いているだけだ」
「…っ?!先代様、それは内密にと…」

んん?なんか雲行きが怪しくなってきたぞ?

エルってば、あたしの知らないところで先代様とそんな話してたの??
ってか、先代様の"対価"って一体なに??
エルは先代様にナニをしてもらってるわけ???


留守番する理由以外にツッコミどころが満載だけど、ノルンさんの有無を言わせないただならぬ雰囲気に気圧されてあたしは何も言えなくなってしまった。

そして、空気を読んだらしいセイルは「じゃあボク達はそろそろ帰るね~☆」と言って、ミナトちゃん達を連れて早々にいなくなった。

残されたエル達は、心なしか青ざめた顔をしている。

最近ノルンさんがティータイムで、先代様がどこからか変な知識を植え付けられていて大変だとぼやいてたけど、まさか原因がエルやマデリーヌさんにあるとは……

「まっ、待てノルン!我はお主との夜伽を少しでも良いモノにしようと…」
「あら…その割には、変な服を着せて愉しんでいらっしゃるのは先代様だけではありませんこと?私が嫌だと言って、やめたことなどありましたかしら?」
「いや、それは…」

先代様が完全にノルンさんに言い負かされている。
とゆーか、変な服って一体どんな服ですか?めっちゃ気になるんですけど……

「あと、エリュシオン。いくらサーヤのためとは言え、先代様をそそのかして変な魔道具を作るのはいかがなものかしら?」
「俺は別に、変な魔道具など……」
「"ばいぶ"……だったかしら?あんなモノを作るだなんて、自分のテクニックに自信がないのではなくて?」
「………っ!!」

エルもノルンさんの言葉に絶句している。

……というか、今”バイブ”って言った?
確かにエルに元いた世界のアダルトグッズをいくつか教えたことあったけど、もしかしなくても電動で動くあの大人のおもちゃを、魔力とか先代様の力を借りて完成させようとしてるわけ?
協力する先代様も先代様だけど、魔王様は伝説の聖獣様になんてことをお願いしてるの??!!
力の使い方や借り方、絶対間違ってるからねっ!!!

「マデリーヌ、あなたとレヴィンが誰にナニを聞いてどんなコトをしようが構わないわ。けれど、子供達の教育に良くない発言が最近目立ちすぎるの。周り(特に先代様)を巻き込む事だけはやめてちょうだい」
「わ、わかったわん……」

マデリーヌさんに関しては”厳重注意”でお咎めはないようだ。
なんとなく感じてたけど、精霊王様みんなの中でもノルンさんってお母さんかお姉さん的なポジションだよね。


 
そんな感じで、いろいろ話は横道にそれたものの大人達の学園潜入の話はとんとん拍子で進み、同時進行でレオンやサクラの入学手続きを進める方向となったのでした。
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