18 / 22
18.地味子ちゃんと結婚式を挙げて入籍した!
しおりを挟む
【9月18日(日)】結婚式の当日、美沙ちゃんが10時に僕のマンションへ来た。今日の打合せをして、お昼を一緒に食べてから、式場へ向かい2時に到着した。
係りの人との打合せを済ませて、美沙ちゃんと僕は着替えにそれぞれ別室へ。母親夫婦と竹本室長には3時に式場に来てもらうことになっている。
僕は着替えが済むと控室へ行って母親夫婦と竹本室長に挨拶を済ませる。美沙ちゃんは着付けに時間がかかっている。咲子さんが様子を見に行った。
暫くして、ウエディングドレスを着た美沙ちゃんが入ってきた。とっても可愛い。僕は衣装合わせの時に見ていたので、驚かなかったが、竹本室長の驚く様子が印象的だった。そして「岸辺君が結婚したいと思ったのがよく分かった。君は見る目があるねえ」と言った。それから皆で式場に向かった。
美沙ちゃんは野上さんとバージンロードを歩いて来た。式は順調に進んだ。美沙ちゃんの顔は上気して目の周りと頬がピンクに染まっている。野上さん夫婦も嬉しそうだった。
誓いのキスをしたとき、美沙ちゃんの目から涙がこぼれたのが今でも目に焼き付いている。
式が終わると、二人の結婚記念写真を撮影、全員の写真はそれぞれのスマホで撮ってもらった。これで、すべて終了。着替えを済ませてから、5人で会食の会場のレストランへ向かう。
会食では話が弾んだ。皆、気の置けない人ばかりなので、楽しい食事だった。咲子さんは美沙ちゃんが小さい時のころの話をしてくれた。竹本室長は僕が研究所に入って二人で苦労したことなどを話していた。親しい人だけの食事会は成功だった。
野上夫妻と竹本室長をタクシーで見送ると、二人は渋谷のホテルに向かった。美沙ちゃんは高層のホテルの部屋は、夜景はきれいだけど落ち着かないというので、低層階の部屋にしてもらった。確かに落ちつく。
部屋に着くとすぐにキスをして暫く抱き合う。それから二人でシャワーを浴びてベッドへ、しばらくはゆっくり休みたい。今日は結婚式、会食と続いて緊張していたのか二人ともかなり疲れていて、なかなか愛し合う気になれない。
「ひとつ教えて下さい。プローズしてもらった後に出てきたケーキにありがとうと書いてあったんですけど、お受けしないとは考えなかったのですか?」
「交際を申し込んだ時も、花火を見に来ないかと誘った時も、そして美沙ちゃんを抱いた時も、受け入れてくれたから大丈夫と思っていた」
「随分、自信家なんですね」
「それから」
「それから?」
「美沙ちゃんは今を今日を精一杯生きるといつも言っていたから、このプロポーズされたこの時を大事にしたいと思うに違いない、大事にしない訳がない、だから絶対に受けると確信していた」
「そのとおりでした。さすがに潤さんです。もうかないません」
「でも、突然大声で泣かれたのは全くの想定外で慌てた」
「嬉しくて、嬉しくて、もう感情を抑えることができませんでした」
「あわただしかったけど、式を挙げてここまで来た。明日、婚姻届を出せば美沙ちゃんは完全に僕のものだ」
「今でもすべて潤さんのものです」
美沙ちゃんが抱きついて来る。
【9月19日(月)祭日】ぐっすり眠れた。目が覚めたら6時。美沙ちゃんもほとんど同じころに目覚めたみたいだけど、ジッと身体を寄せて動かない。肌が触れあって心地よい。
「もう少しこうしていよう」
「このままこうしていたい」
また、二人はまどろんだみたいで、今度は気が付くと8時だった。さすがにもうこれ以上は眠れない。おはようのキスをして身づくろいを始める。
9時に朝食のラウンジに降りていくと、朝食を食べている人はまばらになっている。もうほとんどの人は朝食を終えたみたいだった。ビュッフェスタイルで食べたいものを適当に集めてゆっくり食事。今日は休日だけどこれから二人で区役所に婚姻届を出しに行く。
10時にチェックアウトして、溝の口駅の近くの区役所へ向かう。昨日、式が済んでからお母さんと竹本室長に署名捺印してもらった婚姻届、必要書類、身分証などすべて準備してある。窓口で書類が確認されて受理された。婚姻届受理証明書を発行してもらった。これで社内手続きは進められる。
美沙ちゃんのアパートは駅の反対側だけど、見送り方々、立ち寄って行くことにした。部屋の中にはもういくつか引越しの段ボールが積み上げられていた。美沙ちゃんがコーヒーを入れてくれる。二人で貰った書類を見ている。
「本当に潤さんの奥さんになったんですね。今日から岸辺美沙ですね」
「美沙ってどういう意味?」
「父は沙というのは仏教で使われていてありがたい字だと言っていました。慈悲深い心の美しい女の子になってほしいと付けたのだそうです」
「潤ってどう意味なんですか」
「人に潤いを与える人になってほしいと付けたそうだけど、呼びやすいのと響きも良いからとか言っていた」
「人柄に出ていますね」
「美沙ちゃんもね、一緒にいると心が癒される」
「一つ聞いてもいいですか?」
「いいよ、何?」
「潤さんは元カノと別れてから、女の人がほしくならなかったのですか?」
「健康な男だからね、しかたないでしょ」
「それでAV見てたんですか?」
「もう勘弁してくれ、はい、そうです。それに」
「それに?」
「それにプロの女性にご厄介になっていた。月1くらいかな、仕事の暇な時に」
「そういえば、会議が終わって一段落したころに、午後に休暇を取っていましたね。まさかその時ですか?」
「そう、ウイークデイの午後は空いているから、休日は混んでいるので、それに休暇も使わないといけないから」
「まさか私と付き合ってからはないですよね!」
「本当にありませんし、これからも絶対にありません。もう美沙ちゃんがいるから」
「誓って?」
「誓って!」
そう言うと、美沙ちゃんが抱きついてきた。もう誰にも遠慮はいらない。ただ、愛し合う。
それから、お昼になったけど、朝食が9時でそれもお腹いっぱいに食べたので、冷凍してあったケーキを二人で食べた。
折角の機会だから、関西へ持っていく家具や荷物のすり合わせをした。美沙ちゃんも僕も家財が少ないのですぐに終わった。
もうすぐ二人だけの生活が始まるけど、あと10日ばかりは、プライベートは休日だけ! を継続して別々に生活することにした。
係りの人との打合せを済ませて、美沙ちゃんと僕は着替えにそれぞれ別室へ。母親夫婦と竹本室長には3時に式場に来てもらうことになっている。
僕は着替えが済むと控室へ行って母親夫婦と竹本室長に挨拶を済ませる。美沙ちゃんは着付けに時間がかかっている。咲子さんが様子を見に行った。
暫くして、ウエディングドレスを着た美沙ちゃんが入ってきた。とっても可愛い。僕は衣装合わせの時に見ていたので、驚かなかったが、竹本室長の驚く様子が印象的だった。そして「岸辺君が結婚したいと思ったのがよく分かった。君は見る目があるねえ」と言った。それから皆で式場に向かった。
美沙ちゃんは野上さんとバージンロードを歩いて来た。式は順調に進んだ。美沙ちゃんの顔は上気して目の周りと頬がピンクに染まっている。野上さん夫婦も嬉しそうだった。
誓いのキスをしたとき、美沙ちゃんの目から涙がこぼれたのが今でも目に焼き付いている。
式が終わると、二人の結婚記念写真を撮影、全員の写真はそれぞれのスマホで撮ってもらった。これで、すべて終了。着替えを済ませてから、5人で会食の会場のレストランへ向かう。
会食では話が弾んだ。皆、気の置けない人ばかりなので、楽しい食事だった。咲子さんは美沙ちゃんが小さい時のころの話をしてくれた。竹本室長は僕が研究所に入って二人で苦労したことなどを話していた。親しい人だけの食事会は成功だった。
野上夫妻と竹本室長をタクシーで見送ると、二人は渋谷のホテルに向かった。美沙ちゃんは高層のホテルの部屋は、夜景はきれいだけど落ち着かないというので、低層階の部屋にしてもらった。確かに落ちつく。
部屋に着くとすぐにキスをして暫く抱き合う。それから二人でシャワーを浴びてベッドへ、しばらくはゆっくり休みたい。今日は結婚式、会食と続いて緊張していたのか二人ともかなり疲れていて、なかなか愛し合う気になれない。
「ひとつ教えて下さい。プローズしてもらった後に出てきたケーキにありがとうと書いてあったんですけど、お受けしないとは考えなかったのですか?」
「交際を申し込んだ時も、花火を見に来ないかと誘った時も、そして美沙ちゃんを抱いた時も、受け入れてくれたから大丈夫と思っていた」
「随分、自信家なんですね」
「それから」
「それから?」
「美沙ちゃんは今を今日を精一杯生きるといつも言っていたから、このプロポーズされたこの時を大事にしたいと思うに違いない、大事にしない訳がない、だから絶対に受けると確信していた」
「そのとおりでした。さすがに潤さんです。もうかないません」
「でも、突然大声で泣かれたのは全くの想定外で慌てた」
「嬉しくて、嬉しくて、もう感情を抑えることができませんでした」
「あわただしかったけど、式を挙げてここまで来た。明日、婚姻届を出せば美沙ちゃんは完全に僕のものだ」
「今でもすべて潤さんのものです」
美沙ちゃんが抱きついて来る。
【9月19日(月)祭日】ぐっすり眠れた。目が覚めたら6時。美沙ちゃんもほとんど同じころに目覚めたみたいだけど、ジッと身体を寄せて動かない。肌が触れあって心地よい。
「もう少しこうしていよう」
「このままこうしていたい」
また、二人はまどろんだみたいで、今度は気が付くと8時だった。さすがにもうこれ以上は眠れない。おはようのキスをして身づくろいを始める。
9時に朝食のラウンジに降りていくと、朝食を食べている人はまばらになっている。もうほとんどの人は朝食を終えたみたいだった。ビュッフェスタイルで食べたいものを適当に集めてゆっくり食事。今日は休日だけどこれから二人で区役所に婚姻届を出しに行く。
10時にチェックアウトして、溝の口駅の近くの区役所へ向かう。昨日、式が済んでからお母さんと竹本室長に署名捺印してもらった婚姻届、必要書類、身分証などすべて準備してある。窓口で書類が確認されて受理された。婚姻届受理証明書を発行してもらった。これで社内手続きは進められる。
美沙ちゃんのアパートは駅の反対側だけど、見送り方々、立ち寄って行くことにした。部屋の中にはもういくつか引越しの段ボールが積み上げられていた。美沙ちゃんがコーヒーを入れてくれる。二人で貰った書類を見ている。
「本当に潤さんの奥さんになったんですね。今日から岸辺美沙ですね」
「美沙ってどういう意味?」
「父は沙というのは仏教で使われていてありがたい字だと言っていました。慈悲深い心の美しい女の子になってほしいと付けたのだそうです」
「潤ってどう意味なんですか」
「人に潤いを与える人になってほしいと付けたそうだけど、呼びやすいのと響きも良いからとか言っていた」
「人柄に出ていますね」
「美沙ちゃんもね、一緒にいると心が癒される」
「一つ聞いてもいいですか?」
「いいよ、何?」
「潤さんは元カノと別れてから、女の人がほしくならなかったのですか?」
「健康な男だからね、しかたないでしょ」
「それでAV見てたんですか?」
「もう勘弁してくれ、はい、そうです。それに」
「それに?」
「それにプロの女性にご厄介になっていた。月1くらいかな、仕事の暇な時に」
「そういえば、会議が終わって一段落したころに、午後に休暇を取っていましたね。まさかその時ですか?」
「そう、ウイークデイの午後は空いているから、休日は混んでいるので、それに休暇も使わないといけないから」
「まさか私と付き合ってからはないですよね!」
「本当にありませんし、これからも絶対にありません。もう美沙ちゃんがいるから」
「誓って?」
「誓って!」
そう言うと、美沙ちゃんが抱きついてきた。もう誰にも遠慮はいらない。ただ、愛し合う。
それから、お昼になったけど、朝食が9時でそれもお腹いっぱいに食べたので、冷凍してあったケーキを二人で食べた。
折角の機会だから、関西へ持っていく家具や荷物のすり合わせをした。美沙ちゃんも僕も家財が少ないのですぐに終わった。
もうすぐ二人だけの生活が始まるけど、あと10日ばかりは、プライベートは休日だけ! を継続して別々に生活することにした。
0
お気に入りに追加
216
あなたにおすすめの小説
羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。
泉野あおい
恋愛
人の気持ちに重い軽いがあるなんて変だと思ってた。
でも今、確かに思ってる。
―――この愛は、重い。
------------------------------------------
羽柴健人(30)
羽柴法律事務所所長 鳳凰グループ法律顧問
座右の銘『危ない橋ほど渡りたい。』
好き:柊みゆ
嫌い:褒められること
×
柊 みゆ(28)
弱小飲料メーカー→鳳凰グループ・ホウオウ総務部
座右の銘『石橋は叩いて渡りたい。』
好き:走ること
苦手:羽柴健人
------------------------------------------
誘惑の延長線上、君を囲う。
桜井 響華
恋愛
私と貴方の間には
"恋"も"愛"も存在しない。
高校の同級生が上司となって
私の前に現れただけの話。
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚
Иatural+ 企画開発部部長
日下部 郁弥(30)
×
転職したてのエリアマネージャー
佐藤 琴葉(30)
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚
偶然にもバーカウンターで泥酔寸前の
貴方を見つけて…
高校時代の面影がない私は…
弱っていそうな貴方を誘惑した。
:
:
♡o。+..:*
:
「本当は大好きだった……」
───そんな気持ちを隠したままに
欲に溺れ、お互いの隙間を埋める。
【誘惑の延長線上、君を囲う。】
アクセサリー
真麻一花
恋愛
キスは挨拶、セックスは遊び……。
そんな男の行動一つに、泣いて浮かれて、バカみたい。
実咲は付き合っている彼の浮気を見てしまった。
もう別れるしかない、そう覚悟を決めるが、雅貴を好きな気持ちが実咲の決心を揺るがせる。
こんな男に振り回されたくない。
別れを切り出した実咲に、雅貴の返した反応は、意外な物だった。
小説家になろうにも投稿してあります。
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
社内恋愛の絶対条件!"溺愛は退勤時間が過ぎてから"
桜井 響華
恋愛
派遣受付嬢をしている胡桃沢 和奏は、副社長専属秘書である相良 大貴に一目惚れをして勢い余って告白してしまうが、冷たくあしらわれる。諦めモードで日々過ごしていたが、チャンス到来───!?
ワケあり上司とヒミツの共有
咲良緋芽
恋愛
部署も違う、顔見知りでもない。
でも、社内で有名な津田部長。
ハンサム&クールな出で立ちが、
女子社員のハートを鷲掴みにしている。
接点なんて、何もない。
社内の廊下で、2、3度すれ違った位。
だから、
私が津田部長のヒミツを知ったのは、
偶然。
社内の誰も気が付いていないヒミツを
私は知ってしまった。
「どどど、どうしよう……!!」
私、美園江奈は、このヒミツを守れるの…?
恋煩いの幸せレシピ ~社長と秘密の恋始めます~
神原オホカミ【書籍発売中】
恋愛
会社に内緒でダブルワークをしている芽生は、アルバイト先の居酒屋で自身が勤める会社の社長に遭遇。
一般社員の顔なんて覚えていないはずと思っていたのが間違いで、気が付けば、クビの代わりに週末に家政婦の仕事をすることに!?
美味しいご飯と家族と仕事と夢。
能天気色気無し女子が、横暴な俺様社長と繰り広げる、お料理恋愛ラブコメ。
※注意※ 2020年執筆作品
◆表紙画像は簡単表紙メーカー様で作成しています。
◆無断転写や内容の模倣はご遠慮ください。
◆大変申し訳ありませんが不定期更新です。また、予告なく非公開にすることがあります。
◆文章をAI学習に使うことは絶対にしないでください。
◆カクヨムさん/エブリスタさん/なろうさんでも掲載してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる