俺は俺!

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第伍話 最後の大仕事 待つのは幸せの時間

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 選ばれた俺と杉君と相場さん、水野さんが会社に戻りこれから資料を作り上げる準備をしていた。

 部長に見せた資料を、部長アレンジからお客様アレンジにするだけなので、特に俺は大きな変更せずにお客様にみせるので、レイアウトを変更する程度だった。

 杉君は、俺らの中で一番資料を作ったのもあり、部長に見せた資料は同じ業界の人間ならわかるような言い回しを使い過ぎて、なり直しをしている最中だった。
 俺は、すぐに終わらしPDF化し終え、作業が終わらなさそうな杉君の元に足を運ぶ。

 「杉君。手伝うよ。何をしてるの?」

 「武。ありがと。。今ね、これらをお客様にわかりやすい説明にしてるんだ。座標もx軸y軸ではなくて、住所で示さないといけないし。。」

 「なら、俺は住所の変更をするから、杉君は説明に集中してね!上からやるから、説明を入力後上から再度確認お願いね!」

 自分のディスクに戻り、杉君のお手伝いを開始しようと椅子に座るタイミングで、水野さんから「なにしたらいいですか?」の声が掛かる。

 「なら、杉君のお手伝いをお願いできる?」

 「承知いたしました!」

 「俺にはわかったよ~程度で大丈夫だよ!」

 「は~い!」
 なぜ、この訂正をする理由は、俺は目上になったつもりもないし、そもそも上とか下とか差別する事が心の底から嫌いなので俺と話すときはフランクな対応をお願いしている。

 なんとか、今日中に杉君の資料を作り終えた。

 「久しぶりに指先が痺れるな。。」
 頑張った指をもみほぐしていると杉君が頭を下げお礼を口にする

 「本気で助かりました。これから、居酒屋行くと思うけど俺がおごります!いや、おごらせてください!」

 「あ、ごめん杉君。俺は、仕事後はすぐに帰りたいんだ。じゃ!お先に!!」

 定時になり、会社を出ると次々と杉君のお誘いを断り会社を出ていく。
 予定ある人は居ないだろうが、仕事終わりは個人的にもリラックスをしたいので、仕事の相棒でもなく愛に会いたくなる。

 車を止めて、家の中に入るも俺1人の空間だ。今日も居残り勉強ね。。少しだけ寂しく感じていた。
 俺も、宅建士目指して勉強しますか。を意気込み勉強と言う名の過去問をひたすら解く事をしていた。
 勉強と聞くとノートに何かを記入したりをイメージしがちだから、過去問のみをやりまくるのを勉強と言っていい物かわからずにいる。

 夜の7時に愛がドアを開けて入って来る。家の中の電気を付けずに、窓の傍に居て外を見ながらやっていたから、目が悪い愛は俺が眠ってると考えたようで静かにドアを閉めた。

 その時の音に反応し、「おかえり!!」
 振り向き、笑顔を向けると驚き顔の愛「た、ただいま。。」

 ジャンバーを脱ぎ、家の電気を付けて傍による。
 「寝てるかと思ったよ。電気付けなって言ってるのに。」

 「違うんだよ。気が付いたら暗くなっていたの。」

 「今は秋だよ。ほんとに。。」

 「てか、今日はほんとに疲れたよ。愛!明日どこ行く!!」

 そう、明日は土曜日。佐々木部長は休日出勤するのだ。

 「ん~どうしようね。その前にお風呂入ってもいい?」

 「俺も入る!!」

 「ほんとに慶一郎って犬みたいだね」

 2人でお風呂に入る事は、俺は嬉しいのだがネットを見ると嫌だという女性も多くいるらしく、愛も嫌なのかと考えていた。
 1年半も付き合って、昔は住まいが離れていたせいもあり、俺の家に来たら寂しさでお風呂一緒に入っているのかと考えていたが、同棲して半年間も一緒にお風呂に入っているので、嫌なら嫌!というだろう。

 お風呂の浴槽に浸かりながら、会社の話をするも黙って話を聞く愛

 俺らの場合は俺がよくしゃべって愛はただ聞くのが典型的な形となっている。

 

 次の日になり、愛と遠くにお出かけをする話に昨日の夜に出たので朝起きるのは、早かった。

 「おはよ~愛~」

 「ん。おはよう」

 毎日、毎朝愛の顔を見るのだが、大人びている表情の時もあり凄い個人的に惹かれている瞬間もあるのだ。
 
 ゆっくりと布団から出て、各自やりたい事をやりにいく。
 俺は、冷えてきたのもあり、ポットに水を入れて温めながらコップに沢山の水を入れて少し飲み愛に飲みかけを渡すも、受け取った場所でなんの躊躇もなく水を二口飲む。
 飲む時の喉の動きが溜まらなく好きなのだが、愛は見続けられる事には少し抵抗があるようで、飲んでる途中で背中を向けられると俺は台所に移動し、昨日の夜の洗い物をする。

 「ありがと!」
 
 「どいたま~」

 愛は、しゃがみゴミを分別していた。

 この何気ない日に俺自身幸せを感じている

 朝の7時に家を出て、車に乗り込む。

 ペア服を着て外に出かけるのは、久しぶりの気がする。

 車の窓を開けて、外をなんとなく眺める愛とリラックスする音楽を流す俺。
 のんびり走りながら愛に話しかける。

 「なにか居た?」

 「んーいない。けど、秋だね。紅葉シーズン。」

 「ほんとだね。綺麗だね。」

 俺が住む街より少し大きい街に入る。

 「愛。トイレ大丈夫?」

 「大丈夫!」

 「なら、この街通過する前にしたくなったら教えてね!」

 「おいっす!!」

 俺に向けて啓礼をする愛に微笑ましくなる俺。常に何かを話す訳でもないのだが、この時間が居心地がほんとによくて心の底からこの関係を失いたくないと毎日思う。

 「そうだ。慶一郎。」

 「なした?」

 「会社なんて言っとった?」

 「何を?」
 思い出したら主語もなく、俺に話すのが時々あり、いつも何を?と質問するのが日常会話の一部になっているのだが、主語忘れは俺もするので似てきているのか。と嬉しくある。

 「4月から、佐伯町に行く事を会社の人はなんて言っとった?」

 「あ~杉君に話したら驚かれたよ。」

 「やっぱりね。寂しいのかな。」

 「面接時にそれを伝えて内定取れたことに」

 「そっち!?」

 「うん。そっち。」

 「なんやねん。」

 「杉君だけじゃなく、みんな愛の学業を知ってるからさ。この街にIT企業なんてないから察してはいるんじゃない?」

 「そうやんな。」

 少しうつむく愛。

 「なに?私のせいだ。。って?」

 「うん。ごめんね。」

 「え?愛に付いていくのか、この地に残るって俺が決める事だよ?」

 「せやけど。。」

 「そうだな!愛のせいだな!!なら、責任取って生涯俺の傍に居てや!」

 再び下を向き「バカ。。。」のみ残し再び外を眺める。

 紅葉の時期になると、スノーボードが好きな俺はソワソワしていた。

 3時間車を走らせ、目的地の街に着く。

 「これから、うちらが住む街やね。」

 「うん。ここで俺やってけるか不安だけど、頑張るな!!」

 「うちも同じさ。で、ここに来た用ってなんやっけ?」

 「最新のスノボ板を見に来たんやろ?買う気ないが」

 「そうやった!!なにが置いてるんやろうね」

 俺と愛の板は特注品で世界に一個しかない板なのだ。
 裏に向けてくっつけるとハートになる板で、表は先頭の方に相合傘しているイラストに男と女の人は俺らなのだ。
 2人の好きな動物の写真が大きくある。俺は蛇好きで、愛は犬。

 そんな思い出が大きい板なのだが、最新のスノボには興味がある。どんなデザインが生まれたのかの興味本位で足が動くのだ。

 スノボの板をこれでもか!と拝見し、ビンディングも可愛い色が多かった。

 愛はビンディング黒で、シューズは、裏辺りが黒っぽくて、上が白っぽいデザインだが、これはオリジナルではなく市販に打っていたものだ。

 俺は、緑のビンディングが欲しくて、店員に取り寄せてもらい。ブーツは白色にした。

 緑の理由は、蛇の周りが森をイメージして、緑を多く入れているからだ。

 カフェも行って、遊園地にも行き1日十分に満喫して帰りの車は夜の9時になってしまった。

 「眠かったら寝てね!」

 「うちも!!慶一郎が眠たかったら寝ていいよ!ウチが変わっちゃる!!」

 「ありがとね!!」

 ただ、帰りはテンションが上がってる事もあり、EDMでガンガンノリノリで帰宅した。
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