45 / 63
第一部最終章 いつの日か、君に
君が立てるデートコースは
しおりを挟む
「兄様。一つ聞いてもいいでしょうか?」
部屋でコーヒーを飲んでいた時、リンが言った。
「ん~?」
椅子の前足を持ち上げながら、ヒョウは尋ねた。
「その……明日の件なのですが……」
『あーだからその、暇なら、どっかに遊びに行かないか? 二人だけで』
以前自分が言った言葉を思い出す。
うーん。ヒョウは腕を組ながら唸った。
はっきり言って、あのときの自分はどうかしてたなと思う。
正直酔ってた。こんな不得手な分野に自ら足を突っ込むとは。
というか、よくよく考えてみると、女と楽しむために出かけるなんてことは初めてかもしれない。
「それなんだが、お前、どこか行きたいとことかあったりするか?」
振り返って、ヒョウは尋ねた。
自分から誘っておいて、目的地も決めていない。これが女から見て、多大な減点対象になることは知っていた。
とはいえ、わからないものはわからないのだから、仕方がない。
とりあえず手探りでやっていくしかない。
そんなヒョウの気持ちを知ってか知らずか、リンがくすぐったそうに笑った。
「よかったです」
「は?」
「兄様のことだから、もう忘れてるんじゃないかと思いました」
「お前ね」
まあハードル低いのは結構なことなんだけどさ……。
「ふふ」
「で? 結局どこか行きたいとことかあったりしないのか?」
「兄様はないのですか?」
「俺? 俺は――うーん」
「兄様が休みの日に行きたいと思っていた場所に、リンも同行させていただけるだけで構いません」
「俺がね――」
少し考えた。
実を言うと、問題がもう一つあった。その日を狙い打つようにして、マルコから頼み事をされたのである。
行けたらなと曖昧な返事を返しておいたが、マルコには借りがある。
できることなら回収してやりたいとは思っていた。
この街の地図。頭の中から取り出した。
計算する。この間二秒。
「――じゃあ買い物かな? 表通りに行けば、何かしろの店には行きつくだろ」
「眼鏡を新調されるのですか?」
「眼鏡はもういらね」
ヒョウは裸眼で七、0以上あるが、学園に潜入するにあたり、眼鏡をかけることを組長から強制されていた。
しかしそれは来てすぐに、敵対していた相手に投げつけて破壊した。
スペアもあったが、それもヒョウの練魔に耐えきれず壊れた。鉱石は魔力に反発する。代えをわざわざ見繕おうとは、ヒョウも思っていないのだった。
「ふふっ」
リンが笑う。
「組長の指令を無視すると、また怒られてしまいますよ?」
「激しい戦いの末にぶっ壊れてしまったからな。しょうがない」
「え、そうなのですか?」
「アホ。嘘に決まってるだろ。普通に秒殺だったよ」
リンが胸に手を当てて、ホッとした顔を見せる。
「ビックリしてしまいました。兄様と向き合える人が、風也《かざや》兄様以外にいるのかと思って」
「お前ってやつは、人の言うこと何でも信じるよな」
「そ、そのようなことはありません。ちゃんと相手と内容を選んでおります」
「じゃあ俺はどの基準にいるんだよ」
「え?」
ちょっと意地悪かなと思いつつも、聞いてみた。
リンが自分に好意を持っていることぐらい、脳みそ溶けていなきゃ誰でもわかる。
だが、リンは十一。ヒョウは二十二である。
もしリンの気持ちを受けたなら、それはそれで、やはりどうしようもないほど脳が溶けている。
だからただ、からかって遊んでいるだけだ。
それぐらいなら、許されるだろう。
「兄様の言葉なら……その、なんでも」
「え」
真っ赤な顔で口元を隠しながら、リンが言う。
ヒョウは知らず知らずのうちに、間抜けな顔を作っていた。
「と、とは申しませんが、その、何でもは言い過ぎですが、その、ある程度までならば、信用します」
「ふーん」
リンは真っ赤な顔で目を伏せながら、視線をあちこちに移動させている。
もうちょっとからかえないものかと考えた。
そう考えないと、真剣《ガチ》になってしまう気がする。――なんつって。
「うーん」
「兄様?」
「ん?」
「もしかして、リンのことを騙そうとしておられますか?」
リンがジト目でヒョウのことを見つめる。
「俺がお前を騙そうとするわけないだろ?」
「そ、そうでしたか。申し訳ありません。疑ってしまいました」
リンが両手で口元を隠し、顔を赤くした。
「あーあ。とうとうやっちゃったね、リンちゃん」
「も、申し訳ございません」
「知ってるか? リン。北翼じゃ、相手を疑った女は、相手にキスしなくちゃならないって風潮があるんだぜ? 参ったな―」
余談だが、ヒョウは時折こういうエッチな冗談を混ぜる。それが自分の本質の対極にあると、思っているからだ。
ヒョウは自分を見せることを好まない。
「え!! そうなのですか!?」
リンが口元を隠して驚いた声を上げる。
ヒョウはガクリと肩を落とした。
「いや、嘘に決まってるが」
「ふふっ。知ってました」
「え」
「昔兄様に、同じことを言われたことがあります。その時は信じてしまいました」
「え、マジ?」
「はい」
「例によって全く覚えてねえな……」
「兄様は覚えることが早い分、忘れるのも早いですから」
「そうなんだよねー」
いや待てよ。
信じてしまいました?
「え、ってことは、俺前に――え?」
「ふふっ。じゃあ――リンは今日はもう寝ちゃいますね。兄様」
閉められたカーテンの間から顔だけを出して、リンが言った。
その顔は真っ赤であり、楽しそうであり。
ヒョウをからかっている可能性も多分にあった。
だが、楽しい思い出を語っている、そんな風にも思えた。
「明日。楽しみにしています。兄様。おやすみなさい」
カーテンが完全に閉じて、黒砂炎の明かりが消された。
リンが寝るのなら、自分も寝ていい。しかしこれは結構、え~~。
ヒョウはしばし、机の前で頭を抱えた。
しかし答えが出ることは、ついぞなかった。
部屋でコーヒーを飲んでいた時、リンが言った。
「ん~?」
椅子の前足を持ち上げながら、ヒョウは尋ねた。
「その……明日の件なのですが……」
『あーだからその、暇なら、どっかに遊びに行かないか? 二人だけで』
以前自分が言った言葉を思い出す。
うーん。ヒョウは腕を組ながら唸った。
はっきり言って、あのときの自分はどうかしてたなと思う。
正直酔ってた。こんな不得手な分野に自ら足を突っ込むとは。
というか、よくよく考えてみると、女と楽しむために出かけるなんてことは初めてかもしれない。
「それなんだが、お前、どこか行きたいとことかあったりするか?」
振り返って、ヒョウは尋ねた。
自分から誘っておいて、目的地も決めていない。これが女から見て、多大な減点対象になることは知っていた。
とはいえ、わからないものはわからないのだから、仕方がない。
とりあえず手探りでやっていくしかない。
そんなヒョウの気持ちを知ってか知らずか、リンがくすぐったそうに笑った。
「よかったです」
「は?」
「兄様のことだから、もう忘れてるんじゃないかと思いました」
「お前ね」
まあハードル低いのは結構なことなんだけどさ……。
「ふふ」
「で? 結局どこか行きたいとことかあったりしないのか?」
「兄様はないのですか?」
「俺? 俺は――うーん」
「兄様が休みの日に行きたいと思っていた場所に、リンも同行させていただけるだけで構いません」
「俺がね――」
少し考えた。
実を言うと、問題がもう一つあった。その日を狙い打つようにして、マルコから頼み事をされたのである。
行けたらなと曖昧な返事を返しておいたが、マルコには借りがある。
できることなら回収してやりたいとは思っていた。
この街の地図。頭の中から取り出した。
計算する。この間二秒。
「――じゃあ買い物かな? 表通りに行けば、何かしろの店には行きつくだろ」
「眼鏡を新調されるのですか?」
「眼鏡はもういらね」
ヒョウは裸眼で七、0以上あるが、学園に潜入するにあたり、眼鏡をかけることを組長から強制されていた。
しかしそれは来てすぐに、敵対していた相手に投げつけて破壊した。
スペアもあったが、それもヒョウの練魔に耐えきれず壊れた。鉱石は魔力に反発する。代えをわざわざ見繕おうとは、ヒョウも思っていないのだった。
「ふふっ」
リンが笑う。
「組長の指令を無視すると、また怒られてしまいますよ?」
「激しい戦いの末にぶっ壊れてしまったからな。しょうがない」
「え、そうなのですか?」
「アホ。嘘に決まってるだろ。普通に秒殺だったよ」
リンが胸に手を当てて、ホッとした顔を見せる。
「ビックリしてしまいました。兄様と向き合える人が、風也《かざや》兄様以外にいるのかと思って」
「お前ってやつは、人の言うこと何でも信じるよな」
「そ、そのようなことはありません。ちゃんと相手と内容を選んでおります」
「じゃあ俺はどの基準にいるんだよ」
「え?」
ちょっと意地悪かなと思いつつも、聞いてみた。
リンが自分に好意を持っていることぐらい、脳みそ溶けていなきゃ誰でもわかる。
だが、リンは十一。ヒョウは二十二である。
もしリンの気持ちを受けたなら、それはそれで、やはりどうしようもないほど脳が溶けている。
だからただ、からかって遊んでいるだけだ。
それぐらいなら、許されるだろう。
「兄様の言葉なら……その、なんでも」
「え」
真っ赤な顔で口元を隠しながら、リンが言う。
ヒョウは知らず知らずのうちに、間抜けな顔を作っていた。
「と、とは申しませんが、その、何でもは言い過ぎですが、その、ある程度までならば、信用します」
「ふーん」
リンは真っ赤な顔で目を伏せながら、視線をあちこちに移動させている。
もうちょっとからかえないものかと考えた。
そう考えないと、真剣《ガチ》になってしまう気がする。――なんつって。
「うーん」
「兄様?」
「ん?」
「もしかして、リンのことを騙そうとしておられますか?」
リンがジト目でヒョウのことを見つめる。
「俺がお前を騙そうとするわけないだろ?」
「そ、そうでしたか。申し訳ありません。疑ってしまいました」
リンが両手で口元を隠し、顔を赤くした。
「あーあ。とうとうやっちゃったね、リンちゃん」
「も、申し訳ございません」
「知ってるか? リン。北翼じゃ、相手を疑った女は、相手にキスしなくちゃならないって風潮があるんだぜ? 参ったな―」
余談だが、ヒョウは時折こういうエッチな冗談を混ぜる。それが自分の本質の対極にあると、思っているからだ。
ヒョウは自分を見せることを好まない。
「え!! そうなのですか!?」
リンが口元を隠して驚いた声を上げる。
ヒョウはガクリと肩を落とした。
「いや、嘘に決まってるが」
「ふふっ。知ってました」
「え」
「昔兄様に、同じことを言われたことがあります。その時は信じてしまいました」
「え、マジ?」
「はい」
「例によって全く覚えてねえな……」
「兄様は覚えることが早い分、忘れるのも早いですから」
「そうなんだよねー」
いや待てよ。
信じてしまいました?
「え、ってことは、俺前に――え?」
「ふふっ。じゃあ――リンは今日はもう寝ちゃいますね。兄様」
閉められたカーテンの間から顔だけを出して、リンが言った。
その顔は真っ赤であり、楽しそうであり。
ヒョウをからかっている可能性も多分にあった。
だが、楽しい思い出を語っている、そんな風にも思えた。
「明日。楽しみにしています。兄様。おやすみなさい」
カーテンが完全に閉じて、黒砂炎の明かりが消された。
リンが寝るのなら、自分も寝ていい。しかしこれは結構、え~~。
ヒョウはしばし、机の前で頭を抱えた。
しかし答えが出ることは、ついぞなかった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
下級兵士は断罪された追放令嬢を護送する。
やすぴこ
ファンタジー
「ジョセフィーヌ!! 貴様を断罪する!!」
王立学園で行われたプロムナード開催式の場で、公爵令嬢ジョセフィーヌは婚約者から婚約破棄と共に数々の罪を断罪される。
愛していた者からの慈悲無き宣告、親しかった者からの嫌悪、信じていた者からの侮蔑。
弁解の機会も与えられず、その場で悪名高い国外れの修道院送りが決定した。
このお話はそんな事情で王都を追放された悪役令嬢の素性を知らぬまま、修道院まで護送する下級兵士の恋物語である。
この度なろう、アルファ、カクヨムで同時完結しました。
(なろう版だけ諸事情で18話と19話が一本となっておりますが、内容は同じです)
2/7 最終章 外伝『旅する母のラプソディ』を投稿する為、完結解除しました。
2/9 『旅する母のラプソディ』完結しました。アルファポリスオンリーの外伝を近日中にアップします。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
俺だけステータスが見える件~ゴミスキル【開く】持ちの俺はダンジョンに捨てられたが、【開く】はステータスオープンできるチートスキルでした~
平山和人
ファンタジー
平凡な高校生の新城直人はクラスメイトたちと異世界へ召喚されてしまう。
異世界より召喚された者は神からスキルを授かるが、直人のスキルは『物を開け閉めする』だけのゴミスキルだと判明し、ダンジョンに廃棄されることになった。
途方にくれる直人は偶然、このゴミスキルの真の力に気づく。それは自分や他者のステータスを数値化して表示できるというものだった。
しかもそれだけでなくステータスを再分配することで無限に強くなることが可能で、更にはスキルまで再分配できる能力だと判明する。
その力を使い、ダンジョンから脱出した直人は、自分をバカにした連中を徹底的に蹂躙していくのであった。
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
俺だけに効くエリクサー。飲んで戦って気が付けば異世界最強に⁉
まるせい
ファンタジー
異世界に召喚された熱海 湊(あたみ みなと)が得たのは(自分だけにしか効果のない)エリクサーを作り出す能力だった。『外れ異世界人』認定された湊は神殿から追放されてしまう。
貰った手切れ金を元手に装備を整え、湊はこの世界で生きることを決意する。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
漫画の寝取り竿役に転生して真面目に生きようとしたのに、なぜかエッチな巨乳ヒロインがぐいぐい攻めてくるんだけど?
みずがめ
恋愛
目が覚めたら読んだことのあるエロ漫画の最低寝取り野郎になっていた。
なんでよりによってこんな悪役に転生してしまったんだ。最初はそう落ち込んだが、よく考えれば若いチートボディを手に入れて学生時代をやり直せる。
身体の持ち主が悪人なら意識を乗っ取ったことに心を痛める必要はない。俺がヒロインを寝取りさえしなければ、主人公は精神崩壊することなくハッピーエンドを迎えるだろう。
一時の快楽に身を委ねて他人の人生を狂わせるだなんて、そんな責任を負いたくはない。ここが現実である以上、NTRする気にはなれなかった。メインヒロインとは適切な距離を保っていこう。俺自身がお天道様の下で青春を送るために、そう固く決意した。
……なのになぜ、俺はヒロインに誘惑されているんだ?
※他サイトでも掲載しています。
※表紙や作中イラストは、AIイラストレーターのおしつじさん(https://twitter.com/your_shitsuji)に外注契約を通して作成していただきました。おしつじさんのAIイラストはすべて商用利用が認められたものを使用しており、また「小説活動に関する利用許諾」を許可していただいています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる