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貴女が盗んだものは
三日月が空で笑っている
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「やっと帰ってきたね、ネイファちゃん」
ネイファが振り返る。そこにいたのは、アイクだった。手を後ろに回している。
ネイファは目を細め、そんなアイクを静かに見据えた。
「マルコの奴はいないよ。とある子が足止めしてくれているからね。本当は僕が隙を見て殺してやるつもりだったんだけどね。イレギュラーがあったからさ。流れに従ってみることにした」
「……」
殺す。
そんな単語を聞いてもネイファは欠片も動揺せずに、頭を回した。
(やっぱり、あの時少女が割って入ってきたのは、アイクの差し金か)
ザッ。
アイクが一歩、足を踏み出す。
(殴られている時に、魔力をマルコの身体に憑けていた。隙を見て殺すという言葉から見て、背中に回した手に持っているのは――凶器か)
目に魔力を込めて、すぐに解いた。
自嘲するように、笑う。
「状況把握しているね。君は昔っから賢かったからなー。ガキの頃、五歳の子供にもお前は勝てないのかと、よく親に怒鳴られたものだ。課題をクリアするまではと、部屋に閉じ込められたこともあったっけ。あはは。ああ、せっかくだ。僕が今の状況を分かりやすく説明してあげるよ。君と僕の距離は約七メートル。歩けば八歩。駆ければ五歩って感じかな」
一歩、アイクが間を詰める。
「後ろは家だ。しかし鍵がかかっている。確認済みだ。出入口は一つ。ここのみだ。今は夕方。今日は台風で風が強い。まあいずれにせよ、今の君では、この強風が奏でる狂想曲をかき消すこともできやしない。何せ今の君は、声が出ないのだから」
風。強く吹く。その度に、獣の遠吠えのような音が、響く。
「でもよかったじゃないか。声を失って。僕は今の君を歓迎するよ。何故だと思う? 昔の君は、強すぎたからだ」
アイクがまた一歩足を踏み出す。
「多分かつての君に勝つのは副会長《ルイセ》はもちろん、会長《バカ》でも難しかっただろう。卒業することもなく、役職にさえついていないのは、君の素行が悪すぎたのと、君に卒業する意思がなかったから」
アイクが足を止める。
「かつての君は、誰よりも強く、誰よりも口が悪く、誰よりも綺麗に笑う女の子だった。毒を向ける相手に弱者も強者もなかったが、同時に、笑顔を向ける相手にも、弱者も強者もなかった。誰に対しても分け隔てなく接し、そんな政治も何もない生き方で、学園カーストのトップに、かつての君は立っていた。ふふふ。確かに君はすごかった。しかし今は違う。今の君は、両親を失い、声も失い、クラスも落ちて、狂犬に守ってもらえなければランクも維持できない、ハリボテのB級最優秀魔術師」
風。また強く吹いた。
庭の木から木の葉がハラハラ落ちて、制服のスカートが、風の方向にそよそよと流れる。
「おっと、勘違いしないでくれ、ネイファちゃん。僕は君のことを卑下しているわけじゃない。むしろより可愛くなったと思っている。女の子というものは、ちょっと弱いぐらいで丁度いいんだ。男より強い男なんてもってのほかだよ。許されない。だから君がどれだけ可愛く、魅力的であっても、手は出なかった。上級国民の肩書きも、かつての君のような子の前ではハリボテなんだよな。かつての君なら、そんな肩書きがなくても、渡り歩いていけただろう。この国がどれだけ疲弊していってもね」
「……」
「しかし君はかつての君ではない。断言しよう。宣誓しよう。僕だけは、君を見捨てない。もっともっと、君が弱くなったとしてもだ。ここにはあのマルコはいない。邪魔者はどこにもいない。あの時は狂犬のおかげで、答えを聞きそびれた。だから今一度、君の気持ちを教えてほしい。僕と一緒に歩くつもりはないか、ネイファ。現在も、そして未来も、何もかも暗闇に包まれた今の君にとっては、魅力的な申し出だと思うんだけど」
アイクが遠く離れた距離から、手を出した。
百年の恋であっても冷めてしまいそうな長口上に、ネイファは笑った。
同じく手を出した。か弱き乙女のように。男心をくすぐるように。これぐらいのこと、自分にもできるのだ。
ただ見せる相手が『学園には』いないから、見せないだけ。それでもアイクが自分に惚れたというのだから、男というのは、わからないものだ。
アイクの顔が、咲いたように輝く。
その身の程知らずな笑顔を包んで散華させるように、開いた手を、固めた。反転させる。親指を突き出しながら。
イコール死ね。地獄に落ちろと言い換えても可。
アイクの顔に、ヒビが入った。
望んだ通りの表情を見て、ネイファが口元だけで嘲笑する。
アイクがガリガリと、頭をかく。血が出そうなほど、強く強く。
「わからないなー。わからない。どうしてなんだろう? 今後、君はどうやって生きていくつもりなんだい? 残った唯一の肉親であるマルコは、あの通りバカだ。噛みつくことしかできやしない。この前なんて、とうとう傷害で捕まりまでしたじゃないか。わかれよ。君はもうあのネイファ=ラングレイじゃないんだ。声を出すことも、呪を唱えることもできない、ただのガラクタなんだよ? 可愛がってあげようって言ってるのにさー、ダメなのかなー」
アイクが後ろに回していた手を、ソッとネイファに公表する。
包丁だった。沈もうとする夕日の光を照り返し、鈍く輝いている。
アイクが包丁を持ち上げる。切っ先。ネイファに向いていた。それでもネイファの表情は、変わらない。
「もっともっともっと弱くなんないと、わからないのかなああああ!」
突き出される切っ先。狂った叫び声と共に、駆けてくる。
大の男でも叫ぶか腰を抜かすかしてしまうこの状況。
ネイファは静かに、降り注ぐ木の葉を受け止めていた。掌の上の木の葉だけ、風の方向とは別に、舞っている。
風は、魔力に反発する。魔術をかじった者なら誰もが知っている、常識。
「ほうらああああ!! 僕の理想の彼女の誕生だよおおおおお!!」
ふざけた言い分。恐ろしい言葉。
練魔《れんま》。ネイファが魔力を放出する。周囲の風が、暴れる。
アイクが足を止める。顔を強張らせていた。対してネイファは――
空に浮かぶ三日月のような口で、嗤った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
チッチッチっチッチ……。
時計が音を刻んでいる。
リビングには、犬で遊ぶミーティアと、目を閉じソファーに腰掛けるヒョウ。台所には今日の夕飯を作るスカイプ。
そして。
ヒョウが目を見開く。
ボーン。ボーン。
十八時を教える、時計の音。
それを押しつぶすように――
バリーン!!
窓ガラスが割られる音が響いた。
ヒョウは笑った。
(リン。やはりお前の引きは完璧だぜ)
ヒョウはポケットから手を引き抜いた。人差し指には黒の輪。掌には黒刃。ヒョウが手を振るう。
混乱の最中、部屋《リビング》が闇に包まれる。
(さぁて、ショーの幕開けだぜ)
順境でも逆境でも変わらぬ笑みを保ちながら、髪の毛を後ろ手に縛り、ヒョウはその姿を消した。
ネイファが振り返る。そこにいたのは、アイクだった。手を後ろに回している。
ネイファは目を細め、そんなアイクを静かに見据えた。
「マルコの奴はいないよ。とある子が足止めしてくれているからね。本当は僕が隙を見て殺してやるつもりだったんだけどね。イレギュラーがあったからさ。流れに従ってみることにした」
「……」
殺す。
そんな単語を聞いてもネイファは欠片も動揺せずに、頭を回した。
(やっぱり、あの時少女が割って入ってきたのは、アイクの差し金か)
ザッ。
アイクが一歩、足を踏み出す。
(殴られている時に、魔力をマルコの身体に憑けていた。隙を見て殺すという言葉から見て、背中に回した手に持っているのは――凶器か)
目に魔力を込めて、すぐに解いた。
自嘲するように、笑う。
「状況把握しているね。君は昔っから賢かったからなー。ガキの頃、五歳の子供にもお前は勝てないのかと、よく親に怒鳴られたものだ。課題をクリアするまではと、部屋に閉じ込められたこともあったっけ。あはは。ああ、せっかくだ。僕が今の状況を分かりやすく説明してあげるよ。君と僕の距離は約七メートル。歩けば八歩。駆ければ五歩って感じかな」
一歩、アイクが間を詰める。
「後ろは家だ。しかし鍵がかかっている。確認済みだ。出入口は一つ。ここのみだ。今は夕方。今日は台風で風が強い。まあいずれにせよ、今の君では、この強風が奏でる狂想曲をかき消すこともできやしない。何せ今の君は、声が出ないのだから」
風。強く吹く。その度に、獣の遠吠えのような音が、響く。
「でもよかったじゃないか。声を失って。僕は今の君を歓迎するよ。何故だと思う? 昔の君は、強すぎたからだ」
アイクがまた一歩足を踏み出す。
「多分かつての君に勝つのは副会長《ルイセ》はもちろん、会長《バカ》でも難しかっただろう。卒業することもなく、役職にさえついていないのは、君の素行が悪すぎたのと、君に卒業する意思がなかったから」
アイクが足を止める。
「かつての君は、誰よりも強く、誰よりも口が悪く、誰よりも綺麗に笑う女の子だった。毒を向ける相手に弱者も強者もなかったが、同時に、笑顔を向ける相手にも、弱者も強者もなかった。誰に対しても分け隔てなく接し、そんな政治も何もない生き方で、学園カーストのトップに、かつての君は立っていた。ふふふ。確かに君はすごかった。しかし今は違う。今の君は、両親を失い、声も失い、クラスも落ちて、狂犬に守ってもらえなければランクも維持できない、ハリボテのB級最優秀魔術師」
風。また強く吹いた。
庭の木から木の葉がハラハラ落ちて、制服のスカートが、風の方向にそよそよと流れる。
「おっと、勘違いしないでくれ、ネイファちゃん。僕は君のことを卑下しているわけじゃない。むしろより可愛くなったと思っている。女の子というものは、ちょっと弱いぐらいで丁度いいんだ。男より強い男なんてもってのほかだよ。許されない。だから君がどれだけ可愛く、魅力的であっても、手は出なかった。上級国民の肩書きも、かつての君のような子の前ではハリボテなんだよな。かつての君なら、そんな肩書きがなくても、渡り歩いていけただろう。この国がどれだけ疲弊していってもね」
「……」
「しかし君はかつての君ではない。断言しよう。宣誓しよう。僕だけは、君を見捨てない。もっともっと、君が弱くなったとしてもだ。ここにはあのマルコはいない。邪魔者はどこにもいない。あの時は狂犬のおかげで、答えを聞きそびれた。だから今一度、君の気持ちを教えてほしい。僕と一緒に歩くつもりはないか、ネイファ。現在も、そして未来も、何もかも暗闇に包まれた今の君にとっては、魅力的な申し出だと思うんだけど」
アイクが遠く離れた距離から、手を出した。
百年の恋であっても冷めてしまいそうな長口上に、ネイファは笑った。
同じく手を出した。か弱き乙女のように。男心をくすぐるように。これぐらいのこと、自分にもできるのだ。
ただ見せる相手が『学園には』いないから、見せないだけ。それでもアイクが自分に惚れたというのだから、男というのは、わからないものだ。
アイクの顔が、咲いたように輝く。
その身の程知らずな笑顔を包んで散華させるように、開いた手を、固めた。反転させる。親指を突き出しながら。
イコール死ね。地獄に落ちろと言い換えても可。
アイクの顔に、ヒビが入った。
望んだ通りの表情を見て、ネイファが口元だけで嘲笑する。
アイクがガリガリと、頭をかく。血が出そうなほど、強く強く。
「わからないなー。わからない。どうしてなんだろう? 今後、君はどうやって生きていくつもりなんだい? 残った唯一の肉親であるマルコは、あの通りバカだ。噛みつくことしかできやしない。この前なんて、とうとう傷害で捕まりまでしたじゃないか。わかれよ。君はもうあのネイファ=ラングレイじゃないんだ。声を出すことも、呪を唱えることもできない、ただのガラクタなんだよ? 可愛がってあげようって言ってるのにさー、ダメなのかなー」
アイクが後ろに回していた手を、ソッとネイファに公表する。
包丁だった。沈もうとする夕日の光を照り返し、鈍く輝いている。
アイクが包丁を持ち上げる。切っ先。ネイファに向いていた。それでもネイファの表情は、変わらない。
「もっともっともっと弱くなんないと、わからないのかなああああ!」
突き出される切っ先。狂った叫び声と共に、駆けてくる。
大の男でも叫ぶか腰を抜かすかしてしまうこの状況。
ネイファは静かに、降り注ぐ木の葉を受け止めていた。掌の上の木の葉だけ、風の方向とは別に、舞っている。
風は、魔力に反発する。魔術をかじった者なら誰もが知っている、常識。
「ほうらああああ!! 僕の理想の彼女の誕生だよおおおおお!!」
ふざけた言い分。恐ろしい言葉。
練魔《れんま》。ネイファが魔力を放出する。周囲の風が、暴れる。
アイクが足を止める。顔を強張らせていた。対してネイファは――
空に浮かぶ三日月のような口で、嗤った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
チッチッチっチッチ……。
時計が音を刻んでいる。
リビングには、犬で遊ぶミーティアと、目を閉じソファーに腰掛けるヒョウ。台所には今日の夕飯を作るスカイプ。
そして。
ヒョウが目を見開く。
ボーン。ボーン。
十八時を教える、時計の音。
それを押しつぶすように――
バリーン!!
窓ガラスが割られる音が響いた。
ヒョウは笑った。
(リン。やはりお前の引きは完璧だぜ)
ヒョウはポケットから手を引き抜いた。人差し指には黒の輪。掌には黒刃。ヒョウが手を振るう。
混乱の最中、部屋《リビング》が闇に包まれる。
(さぁて、ショーの幕開けだぜ)
順境でも逆境でも変わらぬ笑みを保ちながら、髪の毛を後ろ手に縛り、ヒョウはその姿を消した。
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