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第33話ー3

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 ――宴は午前から始まり、夕刻過ぎまで続いた。

 レオーネ国一同が帰国し、カプリコルノ国一同はフラヴィオ・ベルを残して宮廷へと戻っていく。

 ベルの花嫁衣装は、家政婦長ピエトラが持っていった。

「今日は『試着』だったけど、『本番』の日まで大切にしまっておくからね、ベル」

「ああ、頼む」

 と答えたのは、フラヴィオの方だった。

 現在、皆が居なくなった邸宅の浴室。

「本当は、花嫁衣装のまま押し倒したかったんだがなぁ」

 と口を尖らせているフラヴィオの傍ら、共に入浴しているベルが疑問を口にした。

「あの、フラヴィオ様? 宮廷へはいつ戻られるのですか?」

 もう庶民ごっこは止めたはずだが、フラヴィオは当然のようにこの邸宅に残った。

「そうだな……余が『力の王』に戻らねばならぬ日かな」

 それは、今すぐにでもおかしくなかった。この宝島は、頻繁に襲われる故に。

「それまではそなたと2人で居たい」

 そう言ってフラヴィオが、ベルの顔を覗き込んだ。

「嫌か? 宮廷の方が広くて良いか?」

 ベルは「いいえ」と言って、微笑した。

 庶民ごっこをしているあいだ、この邸宅でフラヴィオと2人暮らしをして、どれだけ幸せだったことだろう。

 それにベルも、今日はまだ2人きりで居たかった。

 だって、

(あくまでも花嫁衣裳の『試着』だったのに……)

 気分はまるで新婚初夜だ。

 湯の中にあるフラヴィオの左手を取ると、薬指にまだ傷ひとつない金の指輪が一本だけある。

 ベルが嵌めたのだ。

 それはまるで、この男がベルのものになったような、贅沢過ぎる気分だった。

「フラヴィオ様、7番目の天使ベルナデッタはちゃんと100歳越えの熟女を目指します」

「うむ、約束だぞ。そのあいだに余は地獄を支配しておくからな」

「スィー」

 と答えた後に、「でも」と続けたベルの栗色の瞳からぽろぽろと涙が零れ落ちていく。

「私はもう死んでも構いません」

「いやオイ、駄目だ」

「承知しております、私の最大の仕事は『生きること』でございます」

「よしよし」

「でももう、死んでもいいのです」

 フラヴィオとこんなことをしていられるのは今年の9月9日――ベル18歳の誕生日までで、その翌日からはこの金の指輪を外すことになるように思う。

 そしてそのまま、またこの指に嵌める日が来なくても良いとさえ思う。

 それくらい今、幸せの絶頂にいた。

 この男に対して感謝以外の何もなく、別れの日が来ても意地でも涙を見せないことを心に決める。

 悲しみに僅かでも涙を見せてしまったら、優しいこの男の胸を深く傷付けてしまうことになる故に。

 意地でも笑顔で、後妻となるメッゾサングエの下へ送り出すのだ。

「フラヴィオ様、ありがとうございます。私は今、言葉ではお伝えきれないほど幸せです」

「それは余の台詞だ」

 もうこの7番目の天使に寄り添っていてもらわねば生きて行ける気がしなく、勝手なことに、この天使の自由を奪ってしまった。

 オルキデーア石の指輪を贈ったときから『首輪』を付けたようなものだったが、今日のことはそれに頑丈な錠を掛けたようなものだった。

 この美しく可憐な天使を欲する男は世界中に星の数ほどいて、永遠にたったひとりの妻として、誰よりも何よりも愛し、大切にする男など数え切れないほどいる。

 中には王侯貴族だって、石ころのごとく溢れているだろう。

 そこからベルは好きなだけ選ぶことが出来たのに、その自由をこのフラヴィオが奪ったのだ。

 後妻には他の女を迎えねばならず、いつ結婚してやれるかも分からないというのに。

 ベルの立場に立ってみれば、ふざけるなという話で、殴られてもおかしくない。

 それなのに、そこにあるのは言葉通りの幸せの笑みだった。

「ありがとう、アモーレ。なんと言ったら良いか、もう……もう、愛している」

 愛しさに胸が締め付けられながら、小さな唇にバーチョする。

 そのまま抱き上げて、脱衣所に出て、ベルが手を伸ばして一応タオルアッシュガマーノを取ったがあまり意味がない。

 庶民ごっこ中の入浴後はほとんどそうだったが、互いの身体の水滴を半分も拭えていないうちに寝室に入り、ふかふかのレットの上に小さな身体を寝かせる。

「不思議なものだ……」

 そう呟きながら、絹のような白い肌を撫でた。

「スィー」と答えたベルは、その顔の近くに置いたフラヴィオの左手を見つめていた。

「愛情とは、限度が無いのだろうか。余はこれまでも、これ以上ないほどにそなたが愛おしかった。それなのに、もっと愛おしくなってしまった」

 また「スィー」と答えたベルは、同じ気持ちだと分かる。

 フラヴィオの左手を――金の指輪を、愛おしそうに握る。

 今このフラヴィオの顔を捕らえた栗色の瞳には、どんな顔が映っているだろう。

 高揚で火照っているだろうか。

 吐息は目に見えて熱いだろうか。

 早鐘を打つ鼓動が伝わっているだろうか。

 この天使のように。

「お願いします、フラヴィオ様――」

 おねだりを聞き終わる前に、唇を塞ぐ。聞く気がないのではなく、我慢が出来なかった。

 それにして欲しいことなど分かっている。

 フラヴィオとのファーストキスプリーモ・バーチョからしばらくのあいだ腰を抜かしていたベルは、いつからかちょっと大人になった。

『ちょっと』なのは、フラヴィオが深いバーチョに移ると、未だにすぐ蕩けていってしまうからだ。

 唇を使っただけのバーチョには上手に応えられるようになっても、フラヴィオの舌を感じた刹那に身体の力が抜けていく。

 その舌で届く範囲の口内すべてを愛撫されていくと共に、自身がハチミツになったかのように甘く蕩けてしまって、最終的には頭の中がふわふわとする。

 そしてどうしてもされるがままになってしまうベルを見て、フラヴィオがおかしそうに笑った。

「上達しないな」

「すみません……」

 と申し訳なく思うベルの頭を、フラヴィオが「良いのだ」と撫でる。

 言葉通り、これで良い。何の問題もない。

 女をこよなく愛し大切にするマストランジェロ一族の男にとって、最重要なのは女をどれだけ快楽と幸福で包んでやれるかなのだから。

 それが愛した女相手となったら、尚のことだった。

 それを存分に与えてやれないうちは自身の満足も得られず、自尊心だって保てない。

 奉仕してくれるのは、いわゆる危険日だけで充分だった。今日は特に、この天使を愛したくて溜まらないのだから。

 小さな左手の金の指輪に、口付けた。

「余に身を委ねて、そなたは蕩けてしまうが良い」

 フラヴィオの少し鋭い碧眼に捕らえられた栗色の瞳が、わずかに動揺した。

 ベルの方も、自身のことよりフラヴィオを悦ばせたいと想いがあるのは知っている。

 でもその手を押さえ付けて、嫌だと言いそうな口はまたバーチョで塞いでしまう。

 その桜の花びらのような唇から漏れるのは、もう甘い声とおねだり、愛の言葉と、このフラヴィオの名だけでいい。

 どこに触れても、口付けても、素直に悦びを示す小さな白の身体。箇所によっては、くすぐったそうに捩じらせる。

 フラヴィオの顔が脚のあいだに来ると、未だに慣れないのか、羞恥に顔を赤くする。

「や…やっぱり嫌ですっ……!」

 それは結構な本音なのかもしれないが、破廉恥大好き酒池肉林王に止める気などあるわけがない。

 女の身体は全身が性感帯のように思うが、その中でも特に敏感な部分が集結しているここを愛撫するのは、一番の楽しみなのだから。

「あっ――」

 とベルが口を手で塞ぐ。いつものことではあるが、最も弱いところにフラヴィオの舌を感じた刹那に、身体が痙攣を起こしたからだ。

 でも「駄目だ」と言って手を掴んで離させる。

 痙攣のあと喉の奥から押し寄せて来る声は、結んだ唇から抑えきれなかった分が漏れて、甘く響いた。

「愛らしいな、アモーレ。もっとだ」

 もっとその甘い声が聞きたく、それ以上にその愛らしい表情が見たい。

 そんな想いから、口で愛撫する時はついついベルの腰が持ち上がりがちになって、時に少し苦しい体勢を取らせてしまう。

 他の男の前ではまず見せるのことの無いその表情は、とても愛らしい。

 何百回・何千回見たって見飽きる気がしない。それほどに今、この天使を愛している。

 でも最上級の愛らしい表情は、やっぱりフラヴィオがその小さな身体の中に入っていったときだ。

「――フラヴィオ様っ……!」

 甘えた声。

 潤む栗色の瞳。

 このフラヴィオを想う気持ちで表情が満たされ、先ほどよりも強い痙攣が起きる。

 この瞬間のベルが一番愛らしくて、至極愛おしくて、「愛している」の言葉を言わずにはいられない。

 胸が締め付けられると同時に、ベルの中に入っている部分もきつく締め付けられ、強い快楽に包まれる。

 痙攣の間隔はここからはほとんどなくなくなり、それはベルがどれだけこのフラヴィオを愛してくれているか骨の髄まで伝わってくるようで、尚のこと胸がぎゅっとされる。

 そしてやって来るは、マストランジェロ一族の男として継続的に続くこの激しい快楽にしばらくのあいだ堪えなければならない、忍耐の時間。

 毎度のこととなれば慣れて来ている感覚はあるが、やはり大変なことには未だ変わりない。

 この天使を愛しく想う気持ちが加担しているとなったら尚のことで、もはや天国というよりは地獄に思えてくる。

 しばしのあいだフラヴィオの表情を眺めていたベルが、愉快げに「ふふふ」と笑い出す。

 早々に終わらせてしまわぬよう、必死に堪える姿を嬉しく感じるかららしいのだが、止めて欲しい。

 ベルは自身がどれだけ男泣かせの身体か分かっていないのだ。

 自身が満足すればそれで良いと思っている男尊女卑の国の男じゃあるまいし、何よりマストランジェロ一族の男だし、持ち堪えられず早々に終わらせてしまうのは恥ずかしくて耐えられない。

 百戦錬磨の酒池肉林王となったら尚のことだ。

 そんなもんだから「こら」と唇を尖らせたら、ベルが「フラヴィオ様」と首に抱き付いて来た。

 愛しそうに、頬擦りしてくる。おねだりらしい。

「寝てください」

「うん?」

「ベルナデッタが上になりたいのです」

 と甘えた目で言われたら「分かった」と従うしかなかったが、正直ちょっと嫌な予感がして身体が強張ってしまう。

「や…優しくしてください…なのだっ……」

 フラヴィオの上に跨っているベルが、「スィー」と返事をした。

 フラヴィオの顔を見下ろしながら、また愉快げに「ふふふ」と笑う。

 ついついその腰を動かせないよう押さえていたら、「駄目です」と手を掴まれた。

 ベルが右手とフラヴィオの左手、左手とフラヴィオの右手を、指を絡めて繋ぐ。

「おててはこうです」

「ス…スィー……」

 と少々困惑しながら承知して、その姿を普段は見ない下から眺める。

 愛らしく繊細な造形の小さな顔から、最近ぷくっと膨らんできた乳房、フラヴィオと結ばれている部分まで全部見えた。

「絶景だな」

 とフラヴィオが恍惚とすると、ちょっと恥じた顔をしたベルだったが、それ以上にやっぱり嬉しそうだった。

 フラヴィオの顔を見下ろしながら、さっき承知した通り優しく腰を動かしていく。

 というか、激しく動くよう指示されたところで、すぐに痙攣を繰り返してしまい、その都度固まってしまう身体では難儀だ。

「ほら、まともに動けないだろう。無理するな」

 ベルは「ノ」と返した。

「私はフラヴィオ様のお陰で満ち足りました。あとはもう、フラヴィオ様はお休みになっていてください」

 フラヴィオはいつもベルを快楽と幸福で包み込んでくれるが、そうしたい想いがあるのはベルとて同じこと。

 マストランジェロ一族の男の誇りから、早々に終わらせないよう頑張ってくれていることは有難く思うし、堪えている表情は愛おしい。

 でもその一方で、無理しないでとも言いたい。

 こっちは、その唇や手で愛撫されているときから満たされ痙攣を繰り返している。

 その愛しい体温を身中に感じてからは、もっと強く激しい痙攣にほとんど間隔を置かずに襲われて、いつもいつも満足通り越して疲労困憊なのだ。

 それに――

「ベルナデッタが真の幸福を得られるときは、フラヴィオを満足させた瞬間なのです」

 特に今日は、心がそれを求めている。

 少し厚かましく思いつつも、勝手に腰が動いてフラヴィオを刺激する。

「気持ち良いですか?」

「と…蕩けるのだっ……」

「ふふふ」と悦びに笑って、握っているフラヴィオの左手を見る。

 指を動かすと、その薬指にベルが嵌めた金の指輪をしかと確認できた。

 さっきフラヴィオも言っていたが、本当に不思議だった。

(ただこれが、あるか無いかだけなのに……)

 愛情とは本当に限度が無いのだろうか。

 己は一体、この男をどこまで愛せば気が済むというのだろう?

「ま、待ってくれアモーレ、頼むっ……」

「嫌です」

 と、今度は悪戯っぽく「ふふふ」と笑った天使。

 その翼はたしか白だったと思ったのだが、フラヴィオの視界で黒いものに取って代わる。

「我慢は許しません」

「許してくれっ……!」

「駄目です」

 フラヴィオの顔が泣きそうに見えたが、今はこれが心地良く、また愛おしくて、鼓動が高鳴る。

 止まらない痙攣の中、腰を動かせる限り動かしていたら、自身の中のフラヴィオが硬くなったのを感じた。

「お時間でございますねぇ、フラヴィオ様?」

 フラヴィオを見下ろす恍惚とした小さな顔がある。

「お、お迎えか……!」

 何のって、悪魔の。

 抵抗は許されず、問答無用で地獄に落とされていく。

 いや違う、引っ張り上げられていく。

 黒くなっていた翼は真っ白に生え変わって、火照った愛らしい天使の表情が見える。

 桜の花弁のような唇から漏れる甘い声と、フラヴィオの名。

 汗ばんだ絹のような白い肌。

 ぷるぷる揺れる乳房は、例えるなら料理長フィコが作る絶品プリンブディーノだろうか。

 蕩けそうなほどに熱い下半身を溜まらず突き上げたことは、自滅したも同然。

 天使の身体がそれまでで一番の痙攣を起こし、フラヴィオを激しい快楽が締め付ける。

 そして間もなく――

「――Oh……!」

 昇天した。

 その後、急激に戻ってくる現実。

 予定外のことをちょっと恥じてしまいながら、胸元に力尽きたようにぺたんとなっている天使の顔を覗き込む。

「わーい」と少し幼いはしゃぎ方をしたその顔は、女の幸福で満ち溢れていた。


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