神奈町の怪奇話

第一章、妖怪じゃない！

第一話、神奈町に住む小学5年生です！

　神奈町かんなまち。

　それが私の住む町の名前。
　私？私は吉野　良子よしの　りょうこ。

　神奈町小学校に通う5年生です。最近、この町では不思議な事というより、困った事が起きているんです。それが『児童無気力症候群』と呼ばれている病気が流行っている事です。
　その病気に罹るかかるとどんな元気な子でも翌日には起き上がる事も出来ない程、元気がなくなっているんです。同じクラスの子で2人罹ってしまい、もうしばらく会っていません。治す方法は、今のところないみたいです。

「あ…」

　学校の登校途中、私は前方に1人の男の子を見つけました。
　一ヶ月前の5月に転校してきた髪の毛が少し明るい男の子、立川 達也たちかわ たつや君です。彼は少し変わった男の子で、自分は霊能力者であり、陰陽師であると言うのです。よくお昼休みに細長い紙に何やらよく分からない文字や絵を描いてニヤニヤしている男の子です。一応皆、達也君が浮かない様に仲間外れにしないように当たり障り無く接していますが、達也君自身が皆から一歩引いた感じで、よく1人でいます。
　もし本当に達也君が霊能力者なら、ちょっと嬉しいとは思います。何故なら私も霊感があるのです。人とは違うモノが見えますが、彼らは私にか関わろうとしません。よく、テレビとかでは気づかれたら取り憑かれるという話があるが、私には彼らがそこに立っているだけに見える。
　達也君とお話ししたいと思っているが、1人が好きそうなので話かけづらいのです。

（うー…なんて話しかけようかな、とりあえず挨拶して、その後は？幽霊って本当に見えてる？なんて失礼な言い方かなぁ）

いつもいつも話しかけようと悩んでいる内に、達也君は先に校門をくぐり、私はその前でクラスの友達に話しかけられ、達也君とお話が出来ないのでした。
けれどこの日の放課後、あんな出来事があり、達也君とはお友達になれたのでした。