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第四十七話 帰還
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ガタンガタンと列車が進んでいた。
その一つの車両内のベッドにアメリアは座っていた。他にも多くの負傷した兵士がいた。
車両の後方のドアが開き、アングレが水の入った瓶をアメリアに渡す。
今のアメリアは全員傷だらけだった。
肘から下がない左腕は包帯に包まれ、右目は飛んできたガラスの破片に刺され、白い眼帯がつけられていた。
「少しは楽になったか?お前、PTSDって診断されてたぜ」
「そう…」
「もっと喜べって、帰れるんだぜ!」
~~~
アングレは注射器に入ってる液体をアメリアに注入した。
彼に確信は全くなかった。しかし、記憶のどこかで自分は小さい頃にこれと同じようなものを注射された記憶があった。
「W博士だっけな?」
薄暗い記憶の奥でアングレは必死に思い出そうとした。
「アングレ、ほんの小さな痛みだ。こいつはお前に世界を変える力を与える。君にも拒否権はあるぞ」
「僕!ヒーロー!」
「そうか~」
W博士は微笑み、アングレに注射をした。副作用で彼が死ぬかもしれないと知っていた。でも、やらなければもっと最悪な結果が待っていたのだ。
結果的にアングレは不死身になったと思われたが、初めの頃簡単なかすり傷でもアングレの体は素早く回復しなかった。
「W博士よ。君のあの人造人間は失敗作か?いいか、あと1週間やる。それまでに成功しなかったら、殺処分だ」
W博士は他に選択肢がなかった。最終的な方法をとった。
アングレをできるだけ傷つけ、体が回復しなければいけないと強制的にわからせた。
そして、核戦争が起きた。W博士はアングレに対して本当の愛情があった。自分の子供のようにアングレに接していた。我が子をに行かせたくなかったのだ。
だから、彼はアングレは眠らせることにした。彼の未来を想像し、あの仮面の中にスマホと注射器を入れた。
アングレは呼吸が回復したアメリアを見て、安心した。しかし、次に襲ってきたのはスタラナ軍による爆撃だった。アングレは地面に落ちているスマホを手に取りズボンのポケットに突っ込んだ。そして、方向もわからないまま、走り出した。何日も…そして、見えてきたヘレニムの第二の防衛線
今年のクリスマスは最悪のものとなったのだ…
~12月29日ヘレニム軍が国際都市からの撤退を宣言~
一方その頃アメリアはやっとヘレニム国内への撤退を果たした。
寒い冬でアメリアは身にコートを纏っていた。隣ではいつものように上半身裸のアングレがいた。
「アメリア!行こう!これからは楽しい未来が待ってるはずさ!」
「うん。アングレ、ありがとう」
to be continued…
その一つの車両内のベッドにアメリアは座っていた。他にも多くの負傷した兵士がいた。
車両の後方のドアが開き、アングレが水の入った瓶をアメリアに渡す。
今のアメリアは全員傷だらけだった。
肘から下がない左腕は包帯に包まれ、右目は飛んできたガラスの破片に刺され、白い眼帯がつけられていた。
「少しは楽になったか?お前、PTSDって診断されてたぜ」
「そう…」
「もっと喜べって、帰れるんだぜ!」
~~~
アングレは注射器に入ってる液体をアメリアに注入した。
彼に確信は全くなかった。しかし、記憶のどこかで自分は小さい頃にこれと同じようなものを注射された記憶があった。
「W博士だっけな?」
薄暗い記憶の奥でアングレは必死に思い出そうとした。
「アングレ、ほんの小さな痛みだ。こいつはお前に世界を変える力を与える。君にも拒否権はあるぞ」
「僕!ヒーロー!」
「そうか~」
W博士は微笑み、アングレに注射をした。副作用で彼が死ぬかもしれないと知っていた。でも、やらなければもっと最悪な結果が待っていたのだ。
結果的にアングレは不死身になったと思われたが、初めの頃簡単なかすり傷でもアングレの体は素早く回復しなかった。
「W博士よ。君のあの人造人間は失敗作か?いいか、あと1週間やる。それまでに成功しなかったら、殺処分だ」
W博士は他に選択肢がなかった。最終的な方法をとった。
アングレをできるだけ傷つけ、体が回復しなければいけないと強制的にわからせた。
そして、核戦争が起きた。W博士はアングレに対して本当の愛情があった。自分の子供のようにアングレに接していた。我が子をに行かせたくなかったのだ。
だから、彼はアングレは眠らせることにした。彼の未来を想像し、あの仮面の中にスマホと注射器を入れた。
アングレは呼吸が回復したアメリアを見て、安心した。しかし、次に襲ってきたのはスタラナ軍による爆撃だった。アングレは地面に落ちているスマホを手に取りズボンのポケットに突っ込んだ。そして、方向もわからないまま、走り出した。何日も…そして、見えてきたヘレニムの第二の防衛線
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~12月29日ヘレニム軍が国際都市からの撤退を宣言~
一方その頃アメリアはやっとヘレニム国内への撤退を果たした。
寒い冬でアメリアは身にコートを纏っていた。隣ではいつものように上半身裸のアングレがいた。
「アメリア!行こう!これからは楽しい未来が待ってるはずさ!」
「うん。アングレ、ありがとう」
to be continued…
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