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第三十一話 ナニカ2
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1分ほど、建物に大きな揺れが続いたが、すぐに止まった。
ハクリ隊長は玄関の方へと行き、扉を開いた。
あたり一面火の海だった。
空の向こうには爆撃機の姿もある。
「くそ!」
テリーが壁を叩いたさっきテントのあった場所にはもう何もない。
何もかもが消し去ったのさ。
「(赤ちゃん・・・)」
アメリアは赤ちゃんを心配したが、どうしようもなかった。
「全員建物から出るな、おそらくあいつらは証拠を建物ごと消すつもりだ。作戦はまだ生きてる。絶対に遂行するぞ!」
全員立ち上がり、さっきに廊下へと戻った。
本来なら一部屋一部屋つづ確認するが、いつまた空爆が来るかわからないため、彼らはそのまま一番奥の部屋へと行った。
薄暗い廊下から急に蛍光灯が満ちた工場なような部屋へ来た。
ここには人が入れるほどの大きさの試験管がいくつもあった。しかし、SF映画みたいに化け物が入ってるわけではなく、何かの液体だけだった。
そして、部屋の一番奥に裸で倒れてる男がいた。血は流してない模様。
「ハクリ隊長、スタラナ語喋れます?」
テリーが聞く
「少しならな」
ハクリ隊長がスタラナ語で大声でこう叫んだ
「おい!両手を上げろ!」
倒れてる人が反応した。
その男はゆっくりと立ち上がった。
「両手を上げろ!」
男は黙っていた。男の顔には真っ白なお面があり、視線確保のためか、穴が二つあるが、蛍光灯の強い光でも中を照らせていない。
ハクリ隊長は一番先頭で男に銃を向けていた。
「銃・・・は・・・嫌いだ。降ろせ・・・殺すぞ?」
男が喋った。
「隊長、何言ってるんですか?あいつ?」
テリーが少しだけパニックになって聞いた。
「すまないがわからん、だが殺すとかは聞き取れた。」
「やられる前にやりますか?」
「・・・」
ハクリ隊長は考えていた。相手がどんなやつかわからんが、非戦闘員への発砲は国際法違反、最悪の場合死刑になることもある。
「とりあえず拘束しよう」
ハクリ隊長が銃を下ろし、ポケットから結束バンドを取り出し、ゆっくりと男に近づいた。
その間、他の隊員は緊張しながら銃を男に向けていた。
「あいつら・・・銃・・・降ろせ、殺す(スタラナ)」
「すまないが、あまりスタラナ語はわからないんだ」
「俺もこっちの方が得意ぞ(ヘレニム)」
男が急にヘレニム語を喋った。一瞬ハクリが固まったが、すぐに体が戻り、男の両手を後ろから結束バンドで縛った。
「何をする!?殺すぞ!」
「安全のためだ落ち着いてくれ、君はそのままここにいてくれ。服はないのか?」
「服は大嫌いだ!暑い!」
男の見た目は高校生前半ほどの身長だった。しかし、喋り方や行動から知能はそれほど高くない
「おい!この紐を解け!殺す!」
「思ったことをそのまま言うな。」
「ああ!もう!いいや~」
パッチ!
結束バンドが急に二つに切れた。男の手の甲側の肘より下あたりの腕から肉色の尖っている刃物のようなものが飛び出した。しかも両手だ。
「これでスッキリ~」
to be continued...
ハクリ隊長は玄関の方へと行き、扉を開いた。
あたり一面火の海だった。
空の向こうには爆撃機の姿もある。
「くそ!」
テリーが壁を叩いたさっきテントのあった場所にはもう何もない。
何もかもが消し去ったのさ。
「(赤ちゃん・・・)」
アメリアは赤ちゃんを心配したが、どうしようもなかった。
「全員建物から出るな、おそらくあいつらは証拠を建物ごと消すつもりだ。作戦はまだ生きてる。絶対に遂行するぞ!」
全員立ち上がり、さっきに廊下へと戻った。
本来なら一部屋一部屋つづ確認するが、いつまた空爆が来るかわからないため、彼らはそのまま一番奥の部屋へと行った。
薄暗い廊下から急に蛍光灯が満ちた工場なような部屋へ来た。
ここには人が入れるほどの大きさの試験管がいくつもあった。しかし、SF映画みたいに化け物が入ってるわけではなく、何かの液体だけだった。
そして、部屋の一番奥に裸で倒れてる男がいた。血は流してない模様。
「ハクリ隊長、スタラナ語喋れます?」
テリーが聞く
「少しならな」
ハクリ隊長がスタラナ語で大声でこう叫んだ
「おい!両手を上げろ!」
倒れてる人が反応した。
その男はゆっくりと立ち上がった。
「両手を上げろ!」
男は黙っていた。男の顔には真っ白なお面があり、視線確保のためか、穴が二つあるが、蛍光灯の強い光でも中を照らせていない。
ハクリ隊長は一番先頭で男に銃を向けていた。
「銃・・・は・・・嫌いだ。降ろせ・・・殺すぞ?」
男が喋った。
「隊長、何言ってるんですか?あいつ?」
テリーが少しだけパニックになって聞いた。
「すまないがわからん、だが殺すとかは聞き取れた。」
「やられる前にやりますか?」
「・・・」
ハクリ隊長は考えていた。相手がどんなやつかわからんが、非戦闘員への発砲は国際法違反、最悪の場合死刑になることもある。
「とりあえず拘束しよう」
ハクリ隊長が銃を下ろし、ポケットから結束バンドを取り出し、ゆっくりと男に近づいた。
その間、他の隊員は緊張しながら銃を男に向けていた。
「あいつら・・・銃・・・降ろせ、殺す(スタラナ)」
「すまないが、あまりスタラナ語はわからないんだ」
「俺もこっちの方が得意ぞ(ヘレニム)」
男が急にヘレニム語を喋った。一瞬ハクリが固まったが、すぐに体が戻り、男の両手を後ろから結束バンドで縛った。
「何をする!?殺すぞ!」
「安全のためだ落ち着いてくれ、君はそのままここにいてくれ。服はないのか?」
「服は大嫌いだ!暑い!」
男の見た目は高校生前半ほどの身長だった。しかし、喋り方や行動から知能はそれほど高くない
「おい!この紐を解け!殺す!」
「思ったことをそのまま言うな。」
「ああ!もう!いいや~」
パッチ!
結束バンドが急に二つに切れた。男の手の甲側の肘より下あたりの腕から肉色の尖っている刃物のようなものが飛び出した。しかも両手だ。
「これでスッキリ~」
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