彼女たちの戦い

ここから話変わります

　「結局、出なかったわ」
　ガチャッ。
　トイレの戸が開いて女性が中から現れる。
　「今まで快便女子だったのに・・・便秘なんて初めてだわ」
　おなかをさすりつつ歩んだ。
　「これが便秘というものなの？いやなものね、世の女性たちが悩むのもわかるわ」
　ソファに座り込む。

　二日目。
　「はあ～、今日まで便秘の経験がなかったから苦しいわ～」
　ソファに寝転び、苦しむ彼女。
　（ふふふ、だいぶおなかがぷっくりしてきたようだな）
　そのさまを見ているのは彼女の彼氏。
　彼は彼女が毎日口にしている健康食品に下痢止めを入れているのだ。

　日に日に彼は彼女に気がつかれないように少しずつ量を増やした。
　「あ～ん、もうおなかパンパン～」
　彼はカレンダーを見る。
　ばつが書いてある日が続いていた。
　（おそらく出なかった日だな）
　その日々を数えてみる。
　（もう×日か）
　果たして、彼が彼女に便秘をさせているのはなぜか・・・？

　「明日はきっと出るわよね？」

　「一週間出なかったわ・・・」

　「明日あたり出るかしら・・・？」

　「一ヶ月たったけど出ないわね・・・」

　「もう一生出ないんじゃない？」

　「いよいよ二ヶ月たったわ」

　「今日こそ出るまでトイレから出ないわよっ！」