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いけない遊び
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小さい頃、こんな体験したことありますか?
「コックリさん、コックリさん、出てきてください・・・・。コックリさん、コックリさん、出てきてください・・・・。」
誰もいないはずの教室にこだまする声、夕日が窓の外から差込み、そこにいる子供たちを照らしていた。一つの机を囲む4人の子供たち、机の上には「あいうえお・・・・」と書かれた白い紙、その上に5円玉を置き、4人の人差し指をそっと乗せる・・・。
「コックリさん、コックリさん、出てきてください・・・・。」
その言葉を呪文のように繰り返す・・・・、子供たちは大人に「やってはいけない」と言われている遊びをやっていた。すでにほとんどの生徒が帰った教室の中で・・・・。
「ねぇ、もうやめようよ~。」
4人の中で一番気の弱そうな男の子が、5円玉の上にある指以外の体をジタバタさせながら、絞り出すような声で言った。すると、向かい側にいる気の強そうな女の子が、
「ダメよ!よけいな事言ったら、コックリさんが帰らなくなるって言ったじゃない!」
と、目を吊り上げながら言い放った。
「でも~・・・・。」
気の弱そうな男の子は言い淀んだ。強く言われると逆らえない性格なのだ。しかし、彼は得体の知れない何かを全身で感じていた。
「一哉、トイレでも行きたいのか?」
気の弱そうな男の子の、右側にいた男の子が、やれやれといった表情をしながら言った。
「トイレじゃないよ~、なんか・・・」
途中まで言いかけて一哉はハッとして言いつぐんだ。気の強そうな女の子がこちらを睨んでいたからだ。右側にいた男の子も慌てて向き直っていた。
「いい?じゃ、もう一度いくわよ。」
気の強そうな女の子が気を取り直し、もう一度「コックリさん、コックリさん・・・・・」と言おうとした時、今まで押し黙っていたもう一人の女の子が、
「ギ・・・ヌゥ・・・・。」
と言った。「えっ?」と思い、残りの3人が彼女を見つめると、もう一人の女の子の顔が青ざめ、首を少しビクンとさせながらまた、
「ギ・・・ヌゥ・・・。」
と言った。瞬間、思い切り悲鳴を上げ逃げ出したい衝動にかられた3人だったが、声も出ない、体もまったく動かない完全な金縛り状態になってしまっていた。
「ギシ・・・・ニュ・・・う・・・・。」
首が少し曲がった状態でニヤリと笑う彼女、そして、今まで動かなかった5円玉が、急速に動き始めたのだ。かろじて首だけを動かした一哉、いや、自分で動かしたのではなく、得体の知らない何かに動かされたのかもしれない。白い紙の上を見ると、急速に動きまわっていた5円玉が、言葉を指し示していた。「オ・マ・エ・ラ ・コ・ロ・シ・テ・ヤ・ル」
「!!!!!!!!!!」
それを見た一哉は、自分で分かる程の血の気が引く感覚に襲われた。血が足のほうにいき、鉛に変化していく感じがする。
(ぼく、死んじゃうの?みんな殺されちゃうの?)
鼓動が高まり、頭の中が真っ白になってしまった一哉の体から、力が抜けていってしまう・・・。
い・・・やだ・・・いや・・だ・・・・
そんな思いとは裏腹に、一哉の体はあきらめに近い状態になっていく、どうしようもないことを体が感じてしまっていのだ。その時、体の力が抜けたせいか、首が少し動き、教室のすみに誰か?何か?があることを視界の端で捕らえた。目をそちらに移すと、確かに窓際の片隅で、女の人がいたのだ。彼女は、窓際に手をついて、 肩まで伸びている髪と、白い服にスカート、制服のようなものを着ていて、ねこ目のような大きな瞳と涼やかな眉の彼女は、魅力的な笑顔をこちらに向けていた。一哉はその姿に見とれてしまった。その姿があまりに美しく、今の状況とあまりににつかわないからだ。一瞬、自分の状況を忘れた一哉を、彼女は見つめながらクスリと 笑い、そして
「こんな遊びしちゃダメよ。」
という言葉が、一哉の心に直接響いた。
その後、意識を失い倒れた4人を、学校の職員が見つけ、4人は無事帰宅の途についた。
それから、3年の月日が流れた・・・・・。
「コックリさん、コックリさん、出てきてください・・・・。コックリさん、コックリさん、出てきてください・・・・。」
誰もいないはずの教室にこだまする声、夕日が窓の外から差込み、そこにいる子供たちを照らしていた。一つの机を囲む4人の子供たち、机の上には「あいうえお・・・・」と書かれた白い紙、その上に5円玉を置き、4人の人差し指をそっと乗せる・・・。
「コックリさん、コックリさん、出てきてください・・・・。」
その言葉を呪文のように繰り返す・・・・、子供たちは大人に「やってはいけない」と言われている遊びをやっていた。すでにほとんどの生徒が帰った教室の中で・・・・。
「ねぇ、もうやめようよ~。」
4人の中で一番気の弱そうな男の子が、5円玉の上にある指以外の体をジタバタさせながら、絞り出すような声で言った。すると、向かい側にいる気の強そうな女の子が、
「ダメよ!よけいな事言ったら、コックリさんが帰らなくなるって言ったじゃない!」
と、目を吊り上げながら言い放った。
「でも~・・・・。」
気の弱そうな男の子は言い淀んだ。強く言われると逆らえない性格なのだ。しかし、彼は得体の知れない何かを全身で感じていた。
「一哉、トイレでも行きたいのか?」
気の弱そうな男の子の、右側にいた男の子が、やれやれといった表情をしながら言った。
「トイレじゃないよ~、なんか・・・」
途中まで言いかけて一哉はハッとして言いつぐんだ。気の強そうな女の子がこちらを睨んでいたからだ。右側にいた男の子も慌てて向き直っていた。
「いい?じゃ、もう一度いくわよ。」
気の強そうな女の子が気を取り直し、もう一度「コックリさん、コックリさん・・・・・」と言おうとした時、今まで押し黙っていたもう一人の女の子が、
「ギ・・・ヌゥ・・・・。」
と言った。「えっ?」と思い、残りの3人が彼女を見つめると、もう一人の女の子の顔が青ざめ、首を少しビクンとさせながらまた、
「ギ・・・ヌゥ・・・。」
と言った。瞬間、思い切り悲鳴を上げ逃げ出したい衝動にかられた3人だったが、声も出ない、体もまったく動かない完全な金縛り状態になってしまっていた。
「ギシ・・・・ニュ・・・う・・・・。」
首が少し曲がった状態でニヤリと笑う彼女、そして、今まで動かなかった5円玉が、急速に動き始めたのだ。かろじて首だけを動かした一哉、いや、自分で動かしたのではなく、得体の知らない何かに動かされたのかもしれない。白い紙の上を見ると、急速に動きまわっていた5円玉が、言葉を指し示していた。「オ・マ・エ・ラ ・コ・ロ・シ・テ・ヤ・ル」
「!!!!!!!!!!」
それを見た一哉は、自分で分かる程の血の気が引く感覚に襲われた。血が足のほうにいき、鉛に変化していく感じがする。
(ぼく、死んじゃうの?みんな殺されちゃうの?)
鼓動が高まり、頭の中が真っ白になってしまった一哉の体から、力が抜けていってしまう・・・。
い・・・やだ・・・いや・・だ・・・・
そんな思いとは裏腹に、一哉の体はあきらめに近い状態になっていく、どうしようもないことを体が感じてしまっていのだ。その時、体の力が抜けたせいか、首が少し動き、教室のすみに誰か?何か?があることを視界の端で捕らえた。目をそちらに移すと、確かに窓際の片隅で、女の人がいたのだ。彼女は、窓際に手をついて、 肩まで伸びている髪と、白い服にスカート、制服のようなものを着ていて、ねこ目のような大きな瞳と涼やかな眉の彼女は、魅力的な笑顔をこちらに向けていた。一哉はその姿に見とれてしまった。その姿があまりに美しく、今の状況とあまりににつかわないからだ。一瞬、自分の状況を忘れた一哉を、彼女は見つめながらクスリと 笑い、そして
「こんな遊びしちゃダメよ。」
という言葉が、一哉の心に直接響いた。
その後、意識を失い倒れた4人を、学校の職員が見つけ、4人は無事帰宅の途についた。
それから、3年の月日が流れた・・・・・。
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