204 / 248
ゼロになる
第201話
しおりを挟む
「……それとさ、俺……側室でもいいぞ? 正室に誰かを迎えて……」
「拒否する。君もそれだけは絶対言うな」
「……いや、でもさぁ……」
リーリュイの想いは痛いほど分かる。しかし彼の立場を考えると、光太朗も簡単には頷けない。リーリュイはこの国の皇子で、次の王になる人だ。
リーリュイが誰かと結婚して、可愛い子供をたくさん授かる未来が、光太朗には想像できる。
彼は優しい笑顔で子供を抱き、その横には寄り添うように立つ女性がいる。胸が痛むが、それがきっと彼にとって幸せだ。
しかし目の前のリーリュイは、鼻梁に皺を寄せ、『非常に不本意だ』といった表情を浮かべる。
「王妃にも言ったろう。国を立て直したら、兄上の誰かに王座を譲る。…………光太朗、結婚してくれ」
「…………あんた今、さらっと言ったな」
「婚姻の誓いは、神に向けてするものだ。王の許しなど、本来いらん」
「……だからさ、いま……うぉおっ」
急に身体が半回転し、光太朗はリーリュイと向き合う体勢になった。リーリュイは自身の太腿の上に光太朗を乗せ、目線をしっかりと合わせる。
何を言われるか見当が付いていた光太朗は、少しだけ吹き出す。なんとも力強い告白だ。
「結婚してくれ。光太朗」
「うん、いいよ」
「……相変わらず、返事が軽いな」
光太朗が微笑むと、リーリュイが眉を下げて幸せそうに笑う。
その顔を見るためなら、何だってするのに。光太朗は心底そう思う。
「結婚式は、ランパルの聖堂で行う。騎士らや親しい者だけ呼んで、神と皆の前で誓おう」
「それが終わったら、飲めや歌えの大騒ぎが良いな」
「そうしよう。いつがいい? 私は明日でも構わない」
「……おいおい、随分急ぐなぁ……」
困ったように笑うのは、今度は光太朗の番だった。
リーリュイの憂いの一つは、自分だ。彼が急ぐ理由も分かる。
光太朗は両手を伸ばして、リーリュイの頬を優しく包んだ。何を言われるのかリーリュイも分かっているのか、少しだけ眉根に皺を寄せる。
「……国を立て直してからな。あんたも分かってるだろ?」
「……しかし……君が……」
「あのな、リュウ……」
手に力を籠めて、リーリュイの頬を挟む。タコのような口になったリーリュイを、光太朗は睨むように見つめた。
「俺はあんたと結婚するまで、ぜぇっっったい死なないから。……心配するな、成長した俺の生への執着を甘く見るなよ?」
以前の自分とは違う。光太朗は最近、そう思うことが多くなった。
生きて、やりたいことがたくさんある。
感情が豊かになった自分で、色々なことを経験したい。
欲張りになってしまったようにも思えるが、光太朗にとって大きな成長だった。
「元気になったら、リュウとやりたい事がたくさんある。また街に行きたいし、リュウの手料理も食べたい。元気いっぱいのセックスもしたい!」
「……っ」
「だから俺は生きて、あんたを待つ。……ずっと待ってるよ。リュウ」
抱きしめられて、湯が跳ねる。リーリュイは光太朗の首筋に唇を落とし、ぽつりと零した。
「……まったく君は……本当に格好いいな」
「だろぉ? 男前だろ?」
「心が痛い。愛おしい。死にそうだ」
「……分かるよ……俺もだ」
抱きしめながら言うと、自然に涙が零れた。
随分と涙脆くなったものだと、光太朗は我ながら思う。でもそんな自分が、前よりずっと好きだ。
________
(……やっと寝たな……)
寝台の中でリーリュイに抱きしめられながら、光太朗は目線だけを動かした。リーリュイの目は閉じられていて、規則的な寝息が聞こえてくる。
よっぽど疲れていたのだろう。風呂から上がって光太朗の髪を乾かしている時から、リーリュイはとても眠そうだった。
公務に加え、都の復興や軍の立て直し。光太朗の為に無理くり時間を作っているのも、かなりの負担だろう。
身じろぎしないようにしながら、光太朗は思考だけを巡らせる。
ディティが去った後、落ち込むリーリュイを気遣って明るく振舞っていたが、事態はかなり深刻だ。
光太朗は王妃の精神操作を、今日初めて受けた。その時には気付かなかった違和感がじわじわと這い出して来る。
ちりっと頭が痛んだ後、キュウ屋の部屋が頭に浮かぶ。手を合わせているリーリュイと自分の姿も浮かんできた。
『いただきます。光太朗の元いた世界では、そう言うのだろう?』
少し堅い表情のリーリュイが、脳裏に甦る。ランパルで再会したばかりの時の彼だ。
(……やっぱり。なんで俺、忘れていたんだ? あの時から、リュウのお母さんが日本人だって知ってたはずだ。なのに何で、アキネさんが日本人であることに驚いたんだろう)
光太朗に謝りたくてリーリュイが髪を短くした事も、母であるアキネの影響だと聞いていた。
『頭を丸めるなんて日本人らしいな』と感じていた筈なのに、どうして忘れていたのか。
顔を歪めながら、頭をフル回転させる。少しの頭痛と共に、次はユムトの姿が浮かんだ。
『お前が大好きな第4皇子の母は、第1のフェブールである王妃からも嫉妬を向けられ、誰一人として味方はおらず……。皇子を産んで間もなく、彼女の心は壊れました』
(……そうだ……俺、ユムトから王妃の事聞いてた……。いつから始まってた? 寝室に入った時から、もう攻撃されてたのか?)
ディティに初めて会った時、光太朗は『綺麗な人だ』としか感じなかった。あの時、ユムトの言葉を覚えていれば、そんな風には思いはしないだろう。
思えばディティは、終始人を観察するような瞳を向けていた。光太朗にも、アキネにもだ。
記憶を弄っては反応を見て、加減しながら楽しんでいるのだろう。
ぞっと背筋が粟立って、光太朗はリーリュイに身を寄せた。深い眠りに落ちていても、リーリュイは抱き締め返してくれる。
思えば昼間のリーリュイは、本当に辛そうだった。
『カザンが言うように、王宮を去ると不思議と記憶が薄れる。他の者も同じくだ』
(……リーリュイも記憶が薄れているのなら、加護を持っていても記憶への影響は受けるという事だ。……俺はこうして思い出せたけど、加護が薄い彼らはどうなるか……)
ディティがこの国の中枢にいる人間を操っているとしたら、この国はディティの傀儡という事になる。いつからそんな事態になっていたのか、考えるだけで怖気が走る。
ウィリアムのいう通り、もう手が付けられない事態なのではなのかもしれない。
『_____ 何を成すかなんて、転移者次第さ』
一色の言葉を思い出し、本当にその通りだと痛感した。生き方次第では、転移者は悪にもなれるのだ。
あれから色々あったため、アゲハにも一色の事を聞き損ねていた。
これからは積極的に動いて、何か対策を立てなければならない。体調も良くなってきた今なら、きっと出来るはずだ。
力強く息を吐いて気合を入れ直していると、ぎゅっと抱きしめられた。見上げると、リーリュイの瞼が開いている。
「……ねな、さい……」
「……リュウ、起きた……のか?」
囁くような声で言うと、リーリュイの瞼が再度ゆっくりと閉じられる。どうやら寝ぼけているようだ。
(……寝てても俺を気遣うのかよ……。かわいいやつ)
リーリュイの胸に顔を埋めて、ゆっくりと息を吐く。
(もうあんたを傷つけない。絶対だ……)
決意を胸に秘めて、光太朗も瞳を閉じた。
「拒否する。君もそれだけは絶対言うな」
「……いや、でもさぁ……」
リーリュイの想いは痛いほど分かる。しかし彼の立場を考えると、光太朗も簡単には頷けない。リーリュイはこの国の皇子で、次の王になる人だ。
リーリュイが誰かと結婚して、可愛い子供をたくさん授かる未来が、光太朗には想像できる。
彼は優しい笑顔で子供を抱き、その横には寄り添うように立つ女性がいる。胸が痛むが、それがきっと彼にとって幸せだ。
しかし目の前のリーリュイは、鼻梁に皺を寄せ、『非常に不本意だ』といった表情を浮かべる。
「王妃にも言ったろう。国を立て直したら、兄上の誰かに王座を譲る。…………光太朗、結婚してくれ」
「…………あんた今、さらっと言ったな」
「婚姻の誓いは、神に向けてするものだ。王の許しなど、本来いらん」
「……だからさ、いま……うぉおっ」
急に身体が半回転し、光太朗はリーリュイと向き合う体勢になった。リーリュイは自身の太腿の上に光太朗を乗せ、目線をしっかりと合わせる。
何を言われるか見当が付いていた光太朗は、少しだけ吹き出す。なんとも力強い告白だ。
「結婚してくれ。光太朗」
「うん、いいよ」
「……相変わらず、返事が軽いな」
光太朗が微笑むと、リーリュイが眉を下げて幸せそうに笑う。
その顔を見るためなら、何だってするのに。光太朗は心底そう思う。
「結婚式は、ランパルの聖堂で行う。騎士らや親しい者だけ呼んで、神と皆の前で誓おう」
「それが終わったら、飲めや歌えの大騒ぎが良いな」
「そうしよう。いつがいい? 私は明日でも構わない」
「……おいおい、随分急ぐなぁ……」
困ったように笑うのは、今度は光太朗の番だった。
リーリュイの憂いの一つは、自分だ。彼が急ぐ理由も分かる。
光太朗は両手を伸ばして、リーリュイの頬を優しく包んだ。何を言われるのかリーリュイも分かっているのか、少しだけ眉根に皺を寄せる。
「……国を立て直してからな。あんたも分かってるだろ?」
「……しかし……君が……」
「あのな、リュウ……」
手に力を籠めて、リーリュイの頬を挟む。タコのような口になったリーリュイを、光太朗は睨むように見つめた。
「俺はあんたと結婚するまで、ぜぇっっったい死なないから。……心配するな、成長した俺の生への執着を甘く見るなよ?」
以前の自分とは違う。光太朗は最近、そう思うことが多くなった。
生きて、やりたいことがたくさんある。
感情が豊かになった自分で、色々なことを経験したい。
欲張りになってしまったようにも思えるが、光太朗にとって大きな成長だった。
「元気になったら、リュウとやりたい事がたくさんある。また街に行きたいし、リュウの手料理も食べたい。元気いっぱいのセックスもしたい!」
「……っ」
「だから俺は生きて、あんたを待つ。……ずっと待ってるよ。リュウ」
抱きしめられて、湯が跳ねる。リーリュイは光太朗の首筋に唇を落とし、ぽつりと零した。
「……まったく君は……本当に格好いいな」
「だろぉ? 男前だろ?」
「心が痛い。愛おしい。死にそうだ」
「……分かるよ……俺もだ」
抱きしめながら言うと、自然に涙が零れた。
随分と涙脆くなったものだと、光太朗は我ながら思う。でもそんな自分が、前よりずっと好きだ。
________
(……やっと寝たな……)
寝台の中でリーリュイに抱きしめられながら、光太朗は目線だけを動かした。リーリュイの目は閉じられていて、規則的な寝息が聞こえてくる。
よっぽど疲れていたのだろう。風呂から上がって光太朗の髪を乾かしている時から、リーリュイはとても眠そうだった。
公務に加え、都の復興や軍の立て直し。光太朗の為に無理くり時間を作っているのも、かなりの負担だろう。
身じろぎしないようにしながら、光太朗は思考だけを巡らせる。
ディティが去った後、落ち込むリーリュイを気遣って明るく振舞っていたが、事態はかなり深刻だ。
光太朗は王妃の精神操作を、今日初めて受けた。その時には気付かなかった違和感がじわじわと這い出して来る。
ちりっと頭が痛んだ後、キュウ屋の部屋が頭に浮かぶ。手を合わせているリーリュイと自分の姿も浮かんできた。
『いただきます。光太朗の元いた世界では、そう言うのだろう?』
少し堅い表情のリーリュイが、脳裏に甦る。ランパルで再会したばかりの時の彼だ。
(……やっぱり。なんで俺、忘れていたんだ? あの時から、リュウのお母さんが日本人だって知ってたはずだ。なのに何で、アキネさんが日本人であることに驚いたんだろう)
光太朗に謝りたくてリーリュイが髪を短くした事も、母であるアキネの影響だと聞いていた。
『頭を丸めるなんて日本人らしいな』と感じていた筈なのに、どうして忘れていたのか。
顔を歪めながら、頭をフル回転させる。少しの頭痛と共に、次はユムトの姿が浮かんだ。
『お前が大好きな第4皇子の母は、第1のフェブールである王妃からも嫉妬を向けられ、誰一人として味方はおらず……。皇子を産んで間もなく、彼女の心は壊れました』
(……そうだ……俺、ユムトから王妃の事聞いてた……。いつから始まってた? 寝室に入った時から、もう攻撃されてたのか?)
ディティに初めて会った時、光太朗は『綺麗な人だ』としか感じなかった。あの時、ユムトの言葉を覚えていれば、そんな風には思いはしないだろう。
思えばディティは、終始人を観察するような瞳を向けていた。光太朗にも、アキネにもだ。
記憶を弄っては反応を見て、加減しながら楽しんでいるのだろう。
ぞっと背筋が粟立って、光太朗はリーリュイに身を寄せた。深い眠りに落ちていても、リーリュイは抱き締め返してくれる。
思えば昼間のリーリュイは、本当に辛そうだった。
『カザンが言うように、王宮を去ると不思議と記憶が薄れる。他の者も同じくだ』
(……リーリュイも記憶が薄れているのなら、加護を持っていても記憶への影響は受けるという事だ。……俺はこうして思い出せたけど、加護が薄い彼らはどうなるか……)
ディティがこの国の中枢にいる人間を操っているとしたら、この国はディティの傀儡という事になる。いつからそんな事態になっていたのか、考えるだけで怖気が走る。
ウィリアムのいう通り、もう手が付けられない事態なのではなのかもしれない。
『_____ 何を成すかなんて、転移者次第さ』
一色の言葉を思い出し、本当にその通りだと痛感した。生き方次第では、転移者は悪にもなれるのだ。
あれから色々あったため、アゲハにも一色の事を聞き損ねていた。
これからは積極的に動いて、何か対策を立てなければならない。体調も良くなってきた今なら、きっと出来るはずだ。
力強く息を吐いて気合を入れ直していると、ぎゅっと抱きしめられた。見上げると、リーリュイの瞼が開いている。
「……ねな、さい……」
「……リュウ、起きた……のか?」
囁くような声で言うと、リーリュイの瞼が再度ゆっくりと閉じられる。どうやら寝ぼけているようだ。
(……寝てても俺を気遣うのかよ……。かわいいやつ)
リーリュイの胸に顔を埋めて、ゆっくりと息を吐く。
(もうあんたを傷つけない。絶対だ……)
決意を胸に秘めて、光太朗も瞳を閉じた。
66
お気に入りに追加
2,890
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
大好きなBLゲームの世界に転生したので、最推しの隣に居座り続けます。 〜名も無き君への献身〜
7ズ
BL
異世界BLゲーム『救済のマリアージュ』。通称:Qマリには、普通のBLゲームには無い闇堕ちルートと言うものが存在していた。
攻略対象の為に手を汚す事さえ厭わない主人公闇堕ちルートは、闇の腐女子の心を掴み、大ヒットした。
そして、そのゲームにハートを打ち抜かれた光の腐女子の中にも闇堕ちルートに最推しを持つ者が居た。
しかし、大規模なファンコミュニティであっても彼女の推しについて好意的に話す者は居ない。
彼女の推しは、攻略対象の養父。ろくでなしで飲んだくれ。表ルートでは事故で命を落とし、闇堕ちルートで主人公によって殺されてしまう。
どのルートでも死の運命が確約されている名も無きキャラクターへ異常な執着と愛情をたった一人で注いでいる孤独な彼女。
ある日、眠りから目覚めたら、彼女はQマリの世界へ幼い少年の姿で転生してしまった。
異常な執着と愛情を現実へと持ち出した彼女は、最推しである養父の設定に秘められた真実を知る事となった。
果たして彼女は、死の運命から彼を救い出す事が出来るのか──?
ーーーーーーーーーーーー
狂気的なまでに一途な男(in腐女子)×名無しの訳あり飲兵衛
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
出来損ないの次男は冷酷公爵様に溺愛される
栄円ろく
BL
旧題:妹が公爵家との婚約を破棄したので、代わりに出来損ないの次男が売られました
サルタニア王国シャルマン子爵家の次男であるジル・シャルマンは、出来損ないの次男として冷遇されていた。しかしある日父から妹のリリーがライア・ダルトン公爵様との婚約を解消して、第一王子のアル・サルタニア様と婚約を結んだことを告げられる。
一方的な婚約解消により公爵家からは『違約金を払うか、算学ができる有能な者を差し出せ』という和解条件が出されたため、なぜか次男のジルが公爵家に行くことに!?
「父上、なぜ算学のできる使用人ではなく俺が行くことに......?」
「使用人はいなくなったら困るが、お前は別に困らない。そんなのどちらをとるか明確だろう?」
こうしてジルは妹の婚約解消の尻拭いとして、冷酷と噂のライア・ダルトン公爵様に売られたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
登場人物(作中で年齢上がります)
ジル・シャルマン子爵令息(20▶︎21歳)
本作の主人公、本人は平凡だと思っているが頭は悪くない。
ライア・ダルトン公爵(18▶︎19歳)
ジルの妹に婚約破棄された。顔も良く頭もきれる。
※注意事項
後半、R指定付きそうなものは※つけてあります。
※お知らせ
本作が『第10回BL小説大賞』にて特別賞をいただきました。
このような素晴らしい賞をいただけたのも、ひとえに応援してくださった皆様のおかげです。
貴重な一票を入れてくださり、誠にありがとうございました。
愛され奴隷の幸福論
東雲
BL
両親の死により、伯父一家に当主の座を奪われ、妹と共に屋敷を追い出されてしまったダニエル。
伯爵家の跡継ぎとして、懸命に勉学に励み、やがて貴族学園を卒業する日を間近に迎えるも、妹を守る為にダニエルは借金を背負い、奴隷となってしまう──……
◇◇◇◇◇
*本編完結済みです*
筋肉男前が美形元同級生に性奴隷として買われて溺愛されるお話です(ざっくり)
無表情でツンツンしているけれど、内心は受けちゃん大好きで過保護溺愛する美形攻め×純粋培養された健気素直故に苦労もするけれど、皆から愛される筋肉男前受け。
体が大っきくて優しくて素直で真面目で健気で妹想いで男前だけど可愛いという受けちゃんを、不器用ながらもひたすらに愛して甘やかして溺愛する攻めくんという作者が大好きな作風となっております!
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる