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戦いに向けて
第130話 隣に君がいる安心感
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ランパルの街を抜け、馬車はロワイズに向けて走り出した。数時間の移動になるが、光太朗には刺激的な事ばかりだ。
馬車の中にいるのが退屈で、街を出てからずっと光太朗はランブルシートに立っている。
冷たい空気が頬を撫でるが、目の前の光景が楽しくて気にならない。
ぼやけた視界に何かが映り、それが形を成していく。その過程を楽しめるのも、隣にリーリュイがいるからだろう。
馬車の中にいるべき2人が、ランブルシートに立つ。馬車で来た意味が無いと嘆くリーリュイも、どこか楽しそうだ。
「暫くしたら、中へ戻ろう。この辺りは治安も良いが、ロワイズ周辺は気が抜けない」
「分かった。あ、リュウ! あれは?」
遠くの草原を、見慣れない人々が集団で移動している。身に着けている物も布を巻きつけただけのラフなもので、街の人とはどこか違った。
「……あれは、スタッパだな。流浪の民で、集団で街から街へ移動する。温和で、あちらから攻撃してくる事はない」
「へぇ。小さな子供もいるな、可愛い」
「……光太朗は、子供が好きか?」
「好きだよ。この世界では、思う存分子供を愛でる事ができるから……嬉しいんだ」
目を凝らして見ると、子供らは大人に囲まれて笑っている。寒さに頬が赤くなってはいるが、幸せそうだ。
光太朗が前世で関わった子供たちは、こんなに朗らかに笑ってはいなかった。毎日に必死で、仲間にさえ気を抜けない生活を強いられていたからだ。
「……俺より後に組織へ入ってきた子がさ、どんどん死んでいくんだ。まるで最初から居なかったように、ある日突然いなくなる。……情を抱いちゃうと自分が壊れていくから、関わりを避けてたんだ。だから今は、子供を素直に可愛いと思えることが、すごく嬉しい……」
「……」
「あ、やっちまった。楽しい旅なんだ、暗い話は止めよう! ……中入ろうか、リュウ」
ロブとカーターが馬を停め、光太朗とリーリュイは馬車へと乗り込んだ。中は暖かく、光太朗はほっと息を吐く。
「あと2時間程で着く。寝てても良いぞ、光太朗」
「う~ん、何か勿体ない気がするなぁ」
「着いたら大忙しだぞ。寝ておきなさい」
「はい、団長殿」
リーリュイが自分の隣をぽんぽんと叩くと、光太朗は素直にそこへ座った。足と腕を組んで、頭はリーリュイの肩へと凭れさせる。
髪を撫でられ穏やかな気分になると、睡魔が少しずつ擦り寄って来た。
(……昨日はあんまり眠れなかったから、リュウに甘えるかぁ……)
リーリュイの肩に擦り寄ると、ますます髪を撫でる手つきが優しくなる。彼の匂いに包まれながら、光太朗は瞼を閉じた。
リーリュイは、寝入ってしまった光太朗の肩を抱き寄せて、ブランケットで彼を包んだ。
先ほどまで外にいたせいか、光太朗の頬は微かに色づいている。白い肌に差す桃色が儚げで、リーリュイの庇護欲をこれでもかと掻き立てた。
丸ごと囲って、全て奪いたくなる。
しかし事を急いでしまえば、光太朗がまた拒否反応を示すかもしれない。泊まりの旅にも反応しなかった彼は、きっと自覚が無いのだ。光太朗を傷つける事だけは避けたい。
(この旅で……自覚を芽生えさせる事が出来るか……? しかしそれ以上は、決して望むまい)
光太朗の身体をゆっくり倒し、自身の膝の上へ彼の頭を載せる。そして髪を梳くと、そっと額に唇を落とした。
________
ロワイズの入口には、広大な遺跡が建ち並ぶ観光名所がある。
巨大な石造りの遺跡が、まるで集落のように建ち並んでいるのだ。その間を縫って、光太朗は感嘆の声を上げ続けた。
「うわぁあああ、外国みたいだ! 違う、ここは異世界だ!」
「……光太朗、落ち着いて。はぐれては危ない」
建造物は朽ちているが、そこかしこから歴史が感じられる。しっかり管理されているのか、遺跡の説明が書かれた看板まで設置されていた。
ザキュリオ国の発端はロワイズであるらしく、遺跡がたくさん残っているのだという。
広大な遺跡の向こう側には、発展した街並みが見える。観光客やそれを相手にした商いで、街に入る前から賑やかだった。
「ランパルも大きい街だと思ってたけど、ロワイズは規模が違うな!」
「国一番の豊かな街だ。遺跡はほどほどにして街へ行かないと、日が暮れてしまうぞ」
「そっか、勿体ないなぁ」
「フェンデには、明日会いに行こう。今日は思いっきり羽を伸ばしてくれ」
そう言うと、リーリュイが優しく微笑む。団長と皇子という肩書を脱ぎ去った、リーリュイの素の笑顔だ。
本当にリーリュイと旅に来たのだと、光太朗は今更ながらに浮足立った。風に乗って漂ってきた香りにも、頬が緩んでいく。
「ここまで海の匂いがする! 港も見れるのか?」
「勿論だ」
「うわぉ、楽しみぃ」
きょろきょろと周囲を見渡しながら、光太朗は足早に進んだ。ロブとカーターは離れた位置で、護衛をしてくれているのが分かる。
(俺らは大丈夫だから、ロブもカーターも満喫して欲しいなぁ……)
そうは思うものの、まるで接触を避けているように彼らは近づいてこない。加えて彼らを気にしていると、リーリュイから『今はただ楽しみなさい』というご指示が入る。
光太朗は頭をぽりぽり搔きながら、ちらりと右手に目を遣った。
ロワイズに入ってからずっと、リーリュイは手を握っている。そして彼はさりげなく、光太朗が障害物を避けられるように誘導してくれるのだ。
恥ずかしい想いもあるが、光太朗は素直に嬉しかった。初めての場所を警戒せずに楽しめるのも、リーリュイが手を繋いでいてくれるからだ。
『そこは地面が凹んでいる』『岩が出ているから、こちらに』などと、リーリュイは頻繁に声を掛けてくれる。しかし困ったことに、彼は妙に耳元に近づいて話すのだ。
その度にドキドキしている事は、リーリュイには内緒である。
ランパルの街を抜け、馬車はロワイズに向けて走り出した。数時間の移動になるが、光太朗には刺激的な事ばかりだ。
馬車の中にいるのが退屈で、街を出てからずっと光太朗はランブルシートに立っている。
冷たい空気が頬を撫でるが、目の前の光景が楽しくて気にならない。
ぼやけた視界に何かが映り、それが形を成していく。その過程を楽しめるのも、隣にリーリュイがいるからだろう。
馬車の中にいるべき2人が、ランブルシートに立つ。馬車で来た意味が無いと嘆くリーリュイも、どこか楽しそうだ。
「暫くしたら、中へ戻ろう。この辺りは治安も良いが、ロワイズ周辺は気が抜けない」
「分かった。あ、リュウ! あれは?」
遠くの草原を、見慣れない人々が集団で移動している。身に着けている物も布を巻きつけただけのラフなもので、街の人とはどこか違った。
「……あれは、スタッパだな。流浪の民で、集団で街から街へ移動する。温和で、あちらから攻撃してくる事はない」
「へぇ。小さな子供もいるな、可愛い」
「……光太朗は、子供が好きか?」
「好きだよ。この世界では、思う存分子供を愛でる事ができるから……嬉しいんだ」
目を凝らして見ると、子供らは大人に囲まれて笑っている。寒さに頬が赤くなってはいるが、幸せそうだ。
光太朗が前世で関わった子供たちは、こんなに朗らかに笑ってはいなかった。毎日に必死で、仲間にさえ気を抜けない生活を強いられていたからだ。
「……俺より後に組織へ入ってきた子がさ、どんどん死んでいくんだ。まるで最初から居なかったように、ある日突然いなくなる。……情を抱いちゃうと自分が壊れていくから、関わりを避けてたんだ。だから今は、子供を素直に可愛いと思えることが、すごく嬉しい……」
「……」
「あ、やっちまった。楽しい旅なんだ、暗い話は止めよう! ……中入ろうか、リュウ」
ロブとカーターが馬を停め、光太朗とリーリュイは馬車へと乗り込んだ。中は暖かく、光太朗はほっと息を吐く。
「あと2時間程で着く。寝てても良いぞ、光太朗」
「う~ん、何か勿体ない気がするなぁ」
「着いたら大忙しだぞ。寝ておきなさい」
「はい、団長殿」
リーリュイが自分の隣をぽんぽんと叩くと、光太朗は素直にそこへ座った。足と腕を組んで、頭はリーリュイの肩へと凭れさせる。
髪を撫でられ穏やかな気分になると、睡魔が少しずつ擦り寄って来た。
(……昨日はあんまり眠れなかったから、リュウに甘えるかぁ……)
リーリュイの肩に擦り寄ると、ますます髪を撫でる手つきが優しくなる。彼の匂いに包まれながら、光太朗は瞼を閉じた。
リーリュイは、寝入ってしまった光太朗の肩を抱き寄せて、ブランケットで彼を包んだ。
先ほどまで外にいたせいか、光太朗の頬は微かに色づいている。白い肌に差す桃色が儚げで、リーリュイの庇護欲をこれでもかと掻き立てた。
丸ごと囲って、全て奪いたくなる。
しかし事を急いでしまえば、光太朗がまた拒否反応を示すかもしれない。泊まりの旅にも反応しなかった彼は、きっと自覚が無いのだ。光太朗を傷つける事だけは避けたい。
(この旅で……自覚を芽生えさせる事が出来るか……? しかしそれ以上は、決して望むまい)
光太朗の身体をゆっくり倒し、自身の膝の上へ彼の頭を載せる。そして髪を梳くと、そっと額に唇を落とした。
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ロワイズの入口には、広大な遺跡が建ち並ぶ観光名所がある。
巨大な石造りの遺跡が、まるで集落のように建ち並んでいるのだ。その間を縫って、光太朗は感嘆の声を上げ続けた。
「うわぁあああ、外国みたいだ! 違う、ここは異世界だ!」
「……光太朗、落ち着いて。はぐれては危ない」
建造物は朽ちているが、そこかしこから歴史が感じられる。しっかり管理されているのか、遺跡の説明が書かれた看板まで設置されていた。
ザキュリオ国の発端はロワイズであるらしく、遺跡がたくさん残っているのだという。
広大な遺跡の向こう側には、発展した街並みが見える。観光客やそれを相手にした商いで、街に入る前から賑やかだった。
「ランパルも大きい街だと思ってたけど、ロワイズは規模が違うな!」
「国一番の豊かな街だ。遺跡はほどほどにして街へ行かないと、日が暮れてしまうぞ」
「そっか、勿体ないなぁ」
「フェンデには、明日会いに行こう。今日は思いっきり羽を伸ばしてくれ」
そう言うと、リーリュイが優しく微笑む。団長と皇子という肩書を脱ぎ去った、リーリュイの素の笑顔だ。
本当にリーリュイと旅に来たのだと、光太朗は今更ながらに浮足立った。風に乗って漂ってきた香りにも、頬が緩んでいく。
「ここまで海の匂いがする! 港も見れるのか?」
「勿論だ」
「うわぉ、楽しみぃ」
きょろきょろと周囲を見渡しながら、光太朗は足早に進んだ。ロブとカーターは離れた位置で、護衛をしてくれているのが分かる。
(俺らは大丈夫だから、ロブもカーターも満喫して欲しいなぁ……)
そうは思うものの、まるで接触を避けているように彼らは近づいてこない。加えて彼らを気にしていると、リーリュイから『今はただ楽しみなさい』というご指示が入る。
光太朗は頭をぽりぽり搔きながら、ちらりと右手に目を遣った。
ロワイズに入ってからずっと、リーリュイは手を握っている。そして彼はさりげなく、光太朗が障害物を避けられるように誘導してくれるのだ。
恥ずかしい想いもあるが、光太朗は素直に嬉しかった。初めての場所を警戒せずに楽しめるのも、リーリュイが手を繋いでいてくれるからだ。
『そこは地面が凹んでいる』『岩が出ているから、こちらに』などと、リーリュイは頻繁に声を掛けてくれる。しかし困ったことに、彼は妙に耳元に近づいて話すのだ。
その度にドキドキしている事は、リーリュイには内緒である。
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