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戦乱の常葉国
79. 武人は武人を呼ぶ
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片手に子犬を抱えて、たつとらは城の廊下をひたひたと歩く。
履くものが無かったので素足で出てきたたつとらだったが、天然の木の床は感触が良い。どこからともなくいい匂いがして、誘われるように歩を進める。
しばらく歩くと、中庭の様な場所に出た。そこに子犬を放すと、広い場所に歓喜した子犬は、ころころと走り始める。
たつとらが縁側に座ってその姿を眺めていると、怒気を孕んだ声が上から降ってきた。
「あんた、サボってないで手伝いな! ……まったく、新入りかい?」
見たところ50代くらいの女性が、たつとらを見下ろしている。しかしたつとらの肩口から覗く包帯を認めると、少し怒りを治めたようだ。
「何だ、負傷兵かい?」
何と返そうか思考を巡らせていると、女性が僅かに頬を緩ませた。
「あんた、かなり男前だね。炊事場も洗濯所も大忙しなんだ。あんたが手伝ってくれたら、女中達の士気も上がるんだけど、どう? 見たところ元気そうだし」
「……別に良いですが……」
目を瞬かせて迷っているようなたつとらと、目線を合わせるように女性はしゃがみこんだ。見た目は50代だが紺色の大きな瞳は生き生きとしていて、溌剌とした空気が心地良い。
「心配しなくても、鉄輪さんに後から言っておくよ。狭山さんの手伝いをしていた、って言えば誰も文句は無いはずさ。誰も食いっぱぐれたくないからね!」
「狭山さん?」
「そう、私は狭山。今日の賄いは牛丼だよぉ? 手伝ってくれたら、卵もおまけしてあげる」
「手伝います」
即答したたつとらを、狭山は愉快そうに見つめて笑った。
________
「え? ウェリンクから使者が?」
大国であるウェリンクから、使者が来ている。
その報告をしに来た鉄輪が、いつになく狼狽えている。そんな鉄輪を見ながら、神楽耶は千景を抱き上げた。
藥王の薬のお陰か、身体の調子がすこぶる良い。神楽耶はついつい子供たちと遊び呆けてしまい、気が付いたら昼を過ぎていた。
「何の御用かしら? チャンさん達を迎えに?」
(たつ殿は臥せっているから、軍人の皆さんだけ先に帰るのかしら?)
彼らはいつかは帰るとは分かっていても、神楽耶の心に寂しさが募る。
神楽耶はミンユエ達とかなり打ち解けて、毎日のように集まって会話している。同年代の女性と取り留めのない会話をするのは、神楽耶にとって楽しい一時だった。
「将軍とチャン殿には先立って伝えました。今、話をしています。そ、それより、女王陛下……その、来た人物が……思いのほか大物でして……」
「誰が来たの?」
「ウェリンク国のドグラムス軍、第一番隊長のフレア隊長と、ドグラムス軍当主の……ミハエル・ドグラムス様です」
「ええ!?」
危うく千景を取り落としそうになって、神楽耶はその身体をぎゅうと抱きこんだ。
________
「藥王! あんた馬鹿か! なんでこいつを連れてきた!?」
「勝手に付いて来たんや! 何があかんねん!」
畳の部屋で行儀よく正座をして座るミハエルは、違和感がありすぎる。奥で控えている人物はドグラムス軍でも最強の女戦士フレアだ。
「ドグラムス軍は、たつとら様に忠誠を誓っている。主の危機に駆けつけない軍人がいるか!」
チャンを見据え、正座をしながらミハエルが叱りつけるように言い放つ。そのミハエルへ向けて、藥王が牽制するように牙を剥く。
「誰が主や! 兄ぃはお前の主やないぞ! 俺のや!」
チャンが額に青筋を立てながら藥王を睨んだ。先ほど切った口の端が痛むが、それどころではない。
「ミハエルが動くとなると、国王も察するぞ! 流石に王が絡むと何かと厄介だろうが! 院長にだけ知らせて、戻ってくるだけで良かったんだ!」
「勝手に付いてきた言うてるやろうが! ボケぇ!」
先ほどからウェリンク側のやり取りを聞いている秋人は、口を開けたまま呆けている。
憧れのドグラムス軍の新当主に会えた喜びよりも、驚きの方が勝った。
「その、ミハエル殿は、たつとら様のために来られたのか?」
秋人の問いに、ミハエルはすっと背筋を伸ばした。
ミハエルは緩いウェーブのかかった黒髪を、後ろでひとまとめにしている。威厳のある落ち着いた雰囲気は、大軍を率いる威厳に満ち溢れていた。
「後に、一番隊が到着します。常葉国内でなくても良いので、駐留させて頂きたい。また異帝が来た場合、共に撃退しましょう」
理解が追いついていない秋人に、チャンが頭を掻き回しながら言う。
「異帝が来たら、手負いのたつが矢面に立つことになる。それを避けるため、ミハエルが独断でドグラムス軍を動かしたんです。常葉軍がいるのに、ミハエルが先走ってしまい……秋人さん、すまん」
ミハエルがやっていることは、常葉軍が頼りないと暗に示しているようなものだ。常葉軍を束ねる秋人にとっては、侮辱的な事だろう。
しかし秋人を気遣ったチャンの言葉に、ミハエルは納得がいかないといった顔をして睨み上げる。
「戦力は多い方が良い。常葉の兵は内戦で疲弊していると聞いた。秋人将軍には、私がこうして先行し話をつけている」
自分は間違っていないという態度を崩さない。ミハエルは昔から頑固で、穏やかなキール校長とはまったく違っていた。
チャンは肺から空気を吐き切ると、秋人を見た。
「秋人さん、駐留させても構いませんか? 駄目だと言っても、多分国境あたりに駐留するとは思います」
秋人は腹の底からゾクゾクと、何かが這い上がってくるように感じた。
大儀、忠誠心。秋人が沸き立つワードが目の前にゴロゴロ転がっている。
「構いません。国内に駐留して下さい。ミハエル殿! この機会に教えを乞うても宜しいでしょうか? 天下のドグラムス軍とご一緒できるなんて光栄です」
その言葉に、ミハエルが嬉しそうに笑う。
見た目は綺麗な顔をして大人しそうなミハエルだが、精神は秋人に似ているようだ。すっかり打ち解けたような2人に、チャンは溜息とも安息ともつかない息を吐く。
「待て、藥王……ところで期限は延ばせたのか?」
もう部屋から出ていこうとする藥王を引き留めると、彼は忌々し気に舌打ちをしながら振り返る。どうやら早くたつとらの顔を見たいらしい。そしてぞんざいに言葉を放る。
「動かせるまで居て良いらしいで。常葉が良ければやけど」
その言葉に、秋人が明らかに嬉しそうな顔をして、朗らかに笑った。
「当たり前ではないですか! いつまでも常葉にいて頂きたいですよ! ……ところで期限とは?」
「ウェリンクの修道院の院長から課せられた期限です。破れば一生修道院から出さないという……まぁ脅しに近い約束ですよ」
「……たつ殿は、真に何者だ? 修道院にもゆかりが?」
ウェリンクの修道院といえば、大きな権力を持つと世界でも有名だ。
現国王と院長の関係も、実の姉弟のように親密と聞いている。
「約束なんて気にせんでええねん。出て行こう思えば、いつでも出ていけるんやから」
そう言い放つ藥王に、チャンは呆れ顔を浮かべた。
「そんな事言って、たつが居なくなったらあんただって辛いだろ。院長の気持ち、分かるよな?」
「俺はもう兄ぃを逃がさへんから、分からん」
なんて屁理屈……と言いながらチャンが目を見張っている合間に、藥王は部屋を出て行ってしまった。
十中八九、たつとらの部屋だろう。
「秋人将軍。たつとら様はウェリンクの英雄なのですよ。あの方は、人間の尺度じゃ測れません………それと……」
ミハエルは穏やかに言うと、少し言いにくそうに口元を歪ませた。
「……足を、崩しても?」
「ああ、勿論です」
完全に足が痺れてしまっているミハエルは、僅かに身を傾けながら唸る。チャンが吹き出すのを恨めし気に見ながら、フレアの手を借りて胡坐に座り直した。
「……して、たつとら様はどこに? まだ寝ておられるか?」
「ああ、たつなら部屋にいると思うけど……ん?」
ドタドタと音がして、自分を呼ぶ声がする。
ボルエスタだ、と声で分かるが、焦りを含んだ声色に胸が騒いだ。彼が焦るのは、たつとらに関わる事だけだ。
「ボル太! どうした!?」
藥王が開け放しにしたままの扉に声を掛けると、ボルエスタが顔を出した。
チャンと同じくらい、顔に細かい打撲痕が付いている。
「たつがいません! 知りませんか!? って……当主!?」
ここにいるはずのないミハエルの顔に驚くボルエスタは、フレアの姿も認めて視線を泳がせる。
「ミハエルの事は、後で説明する。たつがいない? 部屋に居ないのか?」
「いません。探したんですが、どこにも……。あんな怪我なので、城の外へは出歩けないとは思いますが……」
頭の中で、最悪のパターンを繰り広げているであろうボルエスタの肩を、チャンは掴んだ。
「多分、城の中だ。便所は探したか? 風呂場は?」
「……あ……」
「しっかりしろ! 行くぞ」
部屋から飛び出していく2人の後を、秋人も追った。ミハエルもフレアに声を掛け、後に続く。
履くものが無かったので素足で出てきたたつとらだったが、天然の木の床は感触が良い。どこからともなくいい匂いがして、誘われるように歩を進める。
しばらく歩くと、中庭の様な場所に出た。そこに子犬を放すと、広い場所に歓喜した子犬は、ころころと走り始める。
たつとらが縁側に座ってその姿を眺めていると、怒気を孕んだ声が上から降ってきた。
「あんた、サボってないで手伝いな! ……まったく、新入りかい?」
見たところ50代くらいの女性が、たつとらを見下ろしている。しかしたつとらの肩口から覗く包帯を認めると、少し怒りを治めたようだ。
「何だ、負傷兵かい?」
何と返そうか思考を巡らせていると、女性が僅かに頬を緩ませた。
「あんた、かなり男前だね。炊事場も洗濯所も大忙しなんだ。あんたが手伝ってくれたら、女中達の士気も上がるんだけど、どう? 見たところ元気そうだし」
「……別に良いですが……」
目を瞬かせて迷っているようなたつとらと、目線を合わせるように女性はしゃがみこんだ。見た目は50代だが紺色の大きな瞳は生き生きとしていて、溌剌とした空気が心地良い。
「心配しなくても、鉄輪さんに後から言っておくよ。狭山さんの手伝いをしていた、って言えば誰も文句は無いはずさ。誰も食いっぱぐれたくないからね!」
「狭山さん?」
「そう、私は狭山。今日の賄いは牛丼だよぉ? 手伝ってくれたら、卵もおまけしてあげる」
「手伝います」
即答したたつとらを、狭山は愉快そうに見つめて笑った。
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「え? ウェリンクから使者が?」
大国であるウェリンクから、使者が来ている。
その報告をしに来た鉄輪が、いつになく狼狽えている。そんな鉄輪を見ながら、神楽耶は千景を抱き上げた。
藥王の薬のお陰か、身体の調子がすこぶる良い。神楽耶はついつい子供たちと遊び呆けてしまい、気が付いたら昼を過ぎていた。
「何の御用かしら? チャンさん達を迎えに?」
(たつ殿は臥せっているから、軍人の皆さんだけ先に帰るのかしら?)
彼らはいつかは帰るとは分かっていても、神楽耶の心に寂しさが募る。
神楽耶はミンユエ達とかなり打ち解けて、毎日のように集まって会話している。同年代の女性と取り留めのない会話をするのは、神楽耶にとって楽しい一時だった。
「将軍とチャン殿には先立って伝えました。今、話をしています。そ、それより、女王陛下……その、来た人物が……思いのほか大物でして……」
「誰が来たの?」
「ウェリンク国のドグラムス軍、第一番隊長のフレア隊長と、ドグラムス軍当主の……ミハエル・ドグラムス様です」
「ええ!?」
危うく千景を取り落としそうになって、神楽耶はその身体をぎゅうと抱きこんだ。
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「藥王! あんた馬鹿か! なんでこいつを連れてきた!?」
「勝手に付いて来たんや! 何があかんねん!」
畳の部屋で行儀よく正座をして座るミハエルは、違和感がありすぎる。奥で控えている人物はドグラムス軍でも最強の女戦士フレアだ。
「ドグラムス軍は、たつとら様に忠誠を誓っている。主の危機に駆けつけない軍人がいるか!」
チャンを見据え、正座をしながらミハエルが叱りつけるように言い放つ。そのミハエルへ向けて、藥王が牽制するように牙を剥く。
「誰が主や! 兄ぃはお前の主やないぞ! 俺のや!」
チャンが額に青筋を立てながら藥王を睨んだ。先ほど切った口の端が痛むが、それどころではない。
「ミハエルが動くとなると、国王も察するぞ! 流石に王が絡むと何かと厄介だろうが! 院長にだけ知らせて、戻ってくるだけで良かったんだ!」
「勝手に付いてきた言うてるやろうが! ボケぇ!」
先ほどからウェリンク側のやり取りを聞いている秋人は、口を開けたまま呆けている。
憧れのドグラムス軍の新当主に会えた喜びよりも、驚きの方が勝った。
「その、ミハエル殿は、たつとら様のために来られたのか?」
秋人の問いに、ミハエルはすっと背筋を伸ばした。
ミハエルは緩いウェーブのかかった黒髪を、後ろでひとまとめにしている。威厳のある落ち着いた雰囲気は、大軍を率いる威厳に満ち溢れていた。
「後に、一番隊が到着します。常葉国内でなくても良いので、駐留させて頂きたい。また異帝が来た場合、共に撃退しましょう」
理解が追いついていない秋人に、チャンが頭を掻き回しながら言う。
「異帝が来たら、手負いのたつが矢面に立つことになる。それを避けるため、ミハエルが独断でドグラムス軍を動かしたんです。常葉軍がいるのに、ミハエルが先走ってしまい……秋人さん、すまん」
ミハエルがやっていることは、常葉軍が頼りないと暗に示しているようなものだ。常葉軍を束ねる秋人にとっては、侮辱的な事だろう。
しかし秋人を気遣ったチャンの言葉に、ミハエルは納得がいかないといった顔をして睨み上げる。
「戦力は多い方が良い。常葉の兵は内戦で疲弊していると聞いた。秋人将軍には、私がこうして先行し話をつけている」
自分は間違っていないという態度を崩さない。ミハエルは昔から頑固で、穏やかなキール校長とはまったく違っていた。
チャンは肺から空気を吐き切ると、秋人を見た。
「秋人さん、駐留させても構いませんか? 駄目だと言っても、多分国境あたりに駐留するとは思います」
秋人は腹の底からゾクゾクと、何かが這い上がってくるように感じた。
大儀、忠誠心。秋人が沸き立つワードが目の前にゴロゴロ転がっている。
「構いません。国内に駐留して下さい。ミハエル殿! この機会に教えを乞うても宜しいでしょうか? 天下のドグラムス軍とご一緒できるなんて光栄です」
その言葉に、ミハエルが嬉しそうに笑う。
見た目は綺麗な顔をして大人しそうなミハエルだが、精神は秋人に似ているようだ。すっかり打ち解けたような2人に、チャンは溜息とも安息ともつかない息を吐く。
「待て、藥王……ところで期限は延ばせたのか?」
もう部屋から出ていこうとする藥王を引き留めると、彼は忌々し気に舌打ちをしながら振り返る。どうやら早くたつとらの顔を見たいらしい。そしてぞんざいに言葉を放る。
「動かせるまで居て良いらしいで。常葉が良ければやけど」
その言葉に、秋人が明らかに嬉しそうな顔をして、朗らかに笑った。
「当たり前ではないですか! いつまでも常葉にいて頂きたいですよ! ……ところで期限とは?」
「ウェリンクの修道院の院長から課せられた期限です。破れば一生修道院から出さないという……まぁ脅しに近い約束ですよ」
「……たつ殿は、真に何者だ? 修道院にもゆかりが?」
ウェリンクの修道院といえば、大きな権力を持つと世界でも有名だ。
現国王と院長の関係も、実の姉弟のように親密と聞いている。
「約束なんて気にせんでええねん。出て行こう思えば、いつでも出ていけるんやから」
そう言い放つ藥王に、チャンは呆れ顔を浮かべた。
「そんな事言って、たつが居なくなったらあんただって辛いだろ。院長の気持ち、分かるよな?」
「俺はもう兄ぃを逃がさへんから、分からん」
なんて屁理屈……と言いながらチャンが目を見張っている合間に、藥王は部屋を出て行ってしまった。
十中八九、たつとらの部屋だろう。
「秋人将軍。たつとら様はウェリンクの英雄なのですよ。あの方は、人間の尺度じゃ測れません………それと……」
ミハエルは穏やかに言うと、少し言いにくそうに口元を歪ませた。
「……足を、崩しても?」
「ああ、勿論です」
完全に足が痺れてしまっているミハエルは、僅かに身を傾けながら唸る。チャンが吹き出すのを恨めし気に見ながら、フレアの手を借りて胡坐に座り直した。
「……して、たつとら様はどこに? まだ寝ておられるか?」
「ああ、たつなら部屋にいると思うけど……ん?」
ドタドタと音がして、自分を呼ぶ声がする。
ボルエスタだ、と声で分かるが、焦りを含んだ声色に胸が騒いだ。彼が焦るのは、たつとらに関わる事だけだ。
「ボル太! どうした!?」
藥王が開け放しにしたままの扉に声を掛けると、ボルエスタが顔を出した。
チャンと同じくらい、顔に細かい打撲痕が付いている。
「たつがいません! 知りませんか!? って……当主!?」
ここにいるはずのないミハエルの顔に驚くボルエスタは、フレアの姿も認めて視線を泳がせる。
「ミハエルの事は、後で説明する。たつがいない? 部屋に居ないのか?」
「いません。探したんですが、どこにも……。あんな怪我なので、城の外へは出歩けないとは思いますが……」
頭の中で、最悪のパターンを繰り広げているであろうボルエスタの肩を、チャンは掴んだ。
「多分、城の中だ。便所は探したか? 風呂場は?」
「……あ……」
「しっかりしろ! 行くぞ」
部屋から飛び出していく2人の後を、秋人も追った。ミハエルもフレアに声を掛け、後に続く。
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