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汚名を雪ぐ

ウェリンク組大奮闘 上

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 たつとら達がセビーナの教会に着いた日の夜、チャン達ウェリンク組はミンユエの血合符で病の真実を知った。
 チャンが目を瞑って意識を集中させる。電話のように会話はできないが、手紙の様なやり取りは出来る。

「ミンユエ、とにかく泣くな。たつの事は分かった。こっちはこっちで色々探ってみるから、また何かあったら……いや一日最低一回はこの兄に声を聴かせろよ。じゃぁ、通信終了」
 目を開けて、眉間を押さえる。
 たつとらの病が、聖女の力の影響であったこと。ミンユエの報告は衝撃的だった。

 タールマが泣いている。
 彼女は長い脚を折り曲げて抱き寄せ、顔を埋めている。ルメリアはタールマに寄り添って、脚を地面に投げ出したまま俯いていた。

「治せるかもしれないと……思っていた。なのに、病でも無いなんて……」
 ルメリアが近くで立つ薬王に目を向けた。少しも驚いた様子が無いのは、前々から気付いていたという事だろう。

「聖女は……たっちゃんが核から生まれたって知っていたの?」
「おう。会ったその日に言うたらしいで。俺は人間じゃない、異形だってな」
 ルメリアは悲しそうに顔を歪めた。
「じゃあ、聖女は仲間だったたっちゃんを殺そうとしたってこと?核を破壊するのと同じように、力をたっちゃんに?」
「……かもしれんな」
「そりゃ……辛いよ」

 吹き荒れてきた風が、僅かにジープを揺らした。
 もうすぐウェリンク入りという所で夜も更けてきた為、チャン達は道の脇で夜を明かすことにした。女性陣はシープの後部座席で寝て、男と魔神は当然外だ。
 焚火の煙から火の粉が舞い、ハラハラと散っていくのを目で追いながら薬王は呟いた。

「ヴィテさんは、優しい人やった。兄ぃの事が大好きやった。俺が負けるくらい、好きやったんや」
 火の明かりが薬王の顔を照らす。その朱い髪が更に明るく灯り、普段の人を食ったような態度は鳴りを潜めている。

「兄ぃが話したがらんのは、何か理由があるんや。あの2人が争うのは考えられへん」
 チャンが焚火に手を翳し、手を擦った。
「たつは、あのディードとも親しかったのか?」
「……兄ぃは、優しゅうしとったな」
 眉を顰めて腕を組むと、薬王は火のそばに座り込んだ。
「ディード一行が核の調査でパーティを結成した時、兄ぃは既にヴィテさんの護衛役やってたんや。ヴィテさんがどうしても兄ぃを連れていきたい言うて、兄ぃとついでに俺も条件付きで一行に合流した。ディードはな、兄ぃの強さに目を付けてたんや」


『タイラは俺が従えている魔神という肩書にするんだったら、連れて行っても良い』

 欲深い笑みを浮かべながら言う男の顔が思い浮かび、薬王は舌打ちした。
「あいつが達した偉業は、全部裏で兄ぃがやったものなんや。前代未聞の幌蜥蜴《ほろとかげ》の殲滅も、各地で行われた亜種の討伐も、全部や。反対に俺は、効能の高い薬草を生やせる事や、異形なのにヴィテさんの専属医師をしていた事で、人間どもに有名になった。おかしすぎるやろ、人間。あほか」
「確かにそれなら、強い魔神を従わせている主はもっと強いはずと民衆に思いこませられるな。意外と策士だったのか。英雄ディードは」

 ミンユエが投げ出していた脚を折り曲げ、タールマと同じ姿勢になる。目の周りが赤くなっていて、涙の膜はまだ瞳に留まったままだった。
「当時、静まり返っていた核を調査しに行くっていうのが、言わば出世コースに乗るスタートラインだったと思う。聖女ヴィティが現役で生きた50年間でも何人か調査に出かけたはずよ。調査に行けば、世界に名が轟く。平和になり始めた世界で、人間にも余裕が生まれてきた時代だったのね」

 ずっと黙り込んでいたタールマが顔を上げた。眉尻を下げ、切なげに瞳を揺らしている。滅多に見られない表情に、チャンとルメリアも何故かドキリとした。
「……今まで私が信じてきた、学んできた世界は、虚構の塊だったわけだ。英雄ディードを尊敬し、そんな存在になりたいと励んできたし、生徒たちにも教えてきた……。ディードの事も魔神の成り立ちの事だって……私は知らないことだらけだったんだな」
「……もー、そうやってすぐ悲観的になる!これからのこと考えよ?ね?」
 ルメリアに肩を組まれゆらゆらと揺さぶられて、タールマはまた顔を埋めてしまった。その様子を見て、ルメリアもつられて顔を歪める。

「明日、ウェリンクに入る。せめてあいつの肩から『人間の脅威、異形の王』なんて肩書を降ろしてやんねぇと、俺の気が済まねぇ」
 ああ、酒が飲みてぇな、と愚痴りながらチャンが焚火を突く。薬王がゴロリと横になり、そのまま狐の姿に変わった。

 遠くに王都の明かりが見える。
 明け方に出発すれば、午前中には到着する程の距離だ。
 タールマとルメリアが寝袋に入り込んだのを確認すると、チャンは息を吐いた。
「おやすみ」
 呟くと、おやすみと返す声が聞こえる。
 チャンは口の端を吊り上げると、目を瞑った。


 __________

 ウェリンク王都は雪が降っていた。
 用意していた防寒着を着こんだルメリアが、隣のタールマに声を掛ける。
「ねぇ、なんか様子がおかしくない?」
 賑わっていた王都が静まり返っている。並んでいた露店も、賑わっていた店舗さえ開いておらず、まるでゴーストタウンのようだ。

「取り敢えず、ドグラムス邸に行こう。……あんたは静かにな」
「何で、出たらあかんねん」
 薬王はタールマの肩掛け鞄の中に収まっている。もちろん狐の姿でだ。
 鞄の中から聞こえる僅かに苛立った声に、チャンは呆れたように目を遣った。
「なぁ、さっきから殺気が漏れてんだよ。静めてくれ。寝てても良い。ここぞという時に呼ぶからさ」
「……ほな、寝る」
 
 静かになった鞄を抱えながら、タールマは溜息をついた。
「たつを殺そうとした国だからな。薬王が殺気立つのも無理はない」
「どっちにしたって騒がしいから、寝てくれてたほうが良いんやない?」
 ルメリアが笑いながらマフラーを鼻まで引き上げた。


 ドグラムス邸に入ると、やはり人が少なく静まり返っている。兵士の訓練で賑わっていた庭園も誰一人いない。
「どういう事だ、こりゃ」
 チャンが困惑していると、建物の警備をしていた一般兵が声を掛けてきた。その姿にタールマは目を丸くした。

「道元!」
「タールマせんせ、いや、タールマさん!お久しぶりです……」
 元Bクラスの道元は軍服に身を包み、身体も少し大きくなっていた。思いがけない再会に胸が熱くなるものの、彼の様子が気にかかった。

「タールマさん、たつとらは……?」
「……一緒じゃない。気になるのか?」
 あんな形で去ってしまった教師を、生徒たちはどう思っているのかずっと気になっていた。
 信頼していた人から裏切られた。そう考えていないか、タールマはずっと不安だったのだ。
「当たり前です。たつとらが敵なわけない。皆、そう思っている筈です……」

「たつは見つけた。説明は後だ。道元、どうなってる?街もドグラムス軍も人がいない」
 その言葉に何か気付いた様子の道元は、バックパックから数枚マスクを取り出した。それを慌ててチャンたちに渡すと、付けるように促した。見れば道元もマスクを付けている。

「伝染病が流行っているんです。戒厳令が敷かれ、民衆は家に籠っています」
 渡されたマスクを付けながら、チャンは「当主は?」と歩き出した。
 道元が歩きながら説明する。
「当主は一度掛かり、治りました。お会いになりますか?」
「会いに行く。王宮に用があるからな」
「王は、その病で臥せっています。知坂様ならまだ感染していないはず」
 タールマとミンユエは顔を見合わせながら、後に付いていく。
 キール・ドグラムスの亡き後、孫のミハエル・ドグラムスが跡を継いだはずだった。
 ずっと校長の秘書を務めていたチャンと孫のミハエルは、兄弟の様な間柄である。
 入るのを躊躇してしまう程重厚な当主室の扉を、チャンは遠慮なしに叩いた。

「ミハエル!入るぞ」
 突然の訪問者に当主であるミハエルは目を丸くしていたが、呆れた表情を浮かべながら笑った。真っ黒の髪は緩くウェーブがかかっており、それを後ろで一つに束ねている。笑う顔はどことなく前当主のキールに似ている。

「チャン、帰ったのか」
「お前、大丈夫なのか?何だ伝染病って」
 チャンは臆することなくドカドカと入ってきてはソファに座る。入り口に立ったまま固まっているタールマとルメリアを見ると、座れよとばかりに目で合図をしてきた。

「タールマとルメリア。元気だったかい?座ってくれ、お茶を入れる」
 促されるままにソファに腰かけると、ミハエル自らお茶を用意し始めた。タールマ達がオロオロしていると、ミハエルがそれに気付き笑う。
「秘書がいないんでね。私が茶を用意するしかないんだ」
 チャンが鼻を鳴らして笑うと、脚を組んで茶の準備をするミハエルを見据えた。
「秘書ぐらいどこからでも引っ張って来いよ。で、何だ伝染病って」
「アカラ風邪だよ。変異種なのか今年は感染者が多い上に、重症者も死者も多い」

 全員分のお茶をテーブルに出すと、やっとミハエルは向かいのソファへ座った。
「普通なら夏に流行るアカラ風邪が、冬に流行ったのが厄介なんだ。特効薬である司奈菊草が手に入らない。トーヤにも掛け合ってみたが、夏に生える薬草らしく在庫が無いそうだ。まぁ死に直結するような病ではないから、乗り切るしかないだろうな。ただ……」
「ただ?」
 ミハエルは眉を顰めると指を組んだ。目線だけを向かいに寄越しながら、憂いを吐露する。
「国王が重症なんだ。祖父が亡くなったことに心を痛め、ナナシ様に牙を向けてしまったことにも大いに心を痛めて臥せっておられた。その身体にアカラの風邪が襲った。国王は高齢であられるし、心配だよ」

「心を痛めていたんですか?」
 タールマの問いに、ミハエルは微笑んだ。校長の面影が過ぎり、胸がツキリと痛む。
「祖父の葬儀が終わった後、国王はあの場にいた援軍の司令官を投獄し、追放した。君たちは知らなかったかな?国王はナナシ様に攻撃を加えた援軍に怒り心頭で、関係者全員を降格または投獄にし、追放したんだ。そう言えば、ナナシ様は見つけられたのか?」
「たつは見つけた。だが一緒にはいない」
「それはそうだろうな。国王の処置は私情を交えたものだと批判的な意見も多い。帰ってきたらナナシ様が辛い立場になるだろう」

 チャンたちの表情が陰った事に気付いて、ミハエルはカップに口を付けた。
「彼は異帝の仲間という認識の者もまだ数多い。反対にシライシはこの国を守った魔神として信仰する者も増えてきた。民衆も何かに縋りたいのだろう」
「……ミハエル。知坂様に会いたいのだが、頼めるか?」
「可能だよ。今すぐ連絡を取ろう。もう王宮に向かっても構わないよ」
 ミハエルが王宮への直通電話を手に取ると、チャンがその手を制した。
「あと、王宮の書物の閲覧権限をくれ」

 ミハエルは微笑むと、チャンの前髪をそっと掬った。
「……楽しそうだな、チャン。全部終わったらここに戻ってくれると約束するなら、いいよ」
 チャンはその手を優しくはらうと、視線を逸らした。
「……終わったらな。でもお前の秘書は嫌だ」

 そのやり取りを、ルメリアが目をキラキラさせながら見ている。たつとらから離れてご無沙汰だった癒しが、今目の前に広がっている。
(このカップリングもええなぁ……)
 タールマは久々に見るルメリアの顔に、思わず吹き出した。
「生き生きしてるな」
「分かる?めっちゃ良いやん」
 声を立てて笑い合う2人を、チャンが鋭い視線で見る。悪いことが見つかった子供のように口を真横に引き結ぶと、2人は視線を逸らした。

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