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3.買い物
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「ソフィア様、こちらのお店が、邸で植えている花の苗を買っているお店です。」
今日はナットと一緒に、お花のお店を見に来ている。
広い店内とそれに続く庭園には、たくさんの種類のお花達が売られている。
「なるほど、こちらのお花達ですか?
とても美しいものですね。」
その中に見慣れない花達もあり、その花達は、いったいどこから来ているのだろう?
「店主、これらのお花はどこから、手に入れるのですか?」
「当店では、買い付け担当がおりまして、各地から種や苗を集めて来ています。」
「なるほど、だからこんなに色々種類の花がお店に並んでいるのですね?」
「夫人は、お花に興味がおありで?」
「はい、私は色々なことに興味がありまして、今日はナットについて来てしまったのですよ。
私は、ソフィアと申します。
よろしくね。」
「そうでしたか?
普通は、侯爵夫人ともなれば、個々の使用人と話すことも、ましてやその買い付けに同行するなど、聞いたことがないものですから。」
「ふふ、ご迷惑でなければいいのですが、夫が私の自由を許してくれるものですから。」
イヴァン様は、私が邸で何をしてようが、全く気にならないようすで、何も言って来ないし、会うこともないから、自由にさせてもらっている。
以前のファルター様との結婚の時は、彼は、自分の恋人との付き合いを誤魔化すために、私を邸に閉じ込めていた。
私が体調が悪く、妻の役目を果たせないから、夫は外に恋人を作らざるを得ないと、吹聴していたからだ。
何故私が、夫のためにそこまで?
とも思っていたが、邸の中にいる分には、自由にしていいとのことで、お母様の生活を支えるためには、それくらいは受け入れるしかないと思っていた。
だからこそ今、イヴァン様と再び結婚して、どうような制約が科されるのかと危惧していたが、イヴァン様は私のすることに無関心で、外にも自由に行ける。
だから私は、色々なことに興味を持ち、出歩くことが楽しくて仕方がない。
今の生活を満喫しているのだ。
今は侯爵夫人であっても、いずれただの民になる可能性があると思っているから、貴族夫人同士のお茶会などには、あまり興味がない。
貴族夫人との愚痴や噂話を延々と聞かされるくらいなら、離縁後にどのような商売をして生きて行こうかと、考えた方がいい。
私は、売られているお花を見ていると、色々な薔薇の花びらや形、色、香りまでも違うことが気になった。
「ソフィア様、こちらの薔薇達は、品種改良して作られています。
新しくできた花には、自分の好きな名前をつけれるのですよ。」
「それは素敵ね。
女性はとにかく薔薇が好きだから、新しい薔薇に自分の名前をつけたい人がいると思うわ。」
「はい。
愛する女性の名前をつけて、何かの記念に、男性がプレゼントするのも、喜ばれるかと。
ただ、品種改良して作るので、費用がかかりますので安くはないのです。」
「なるほど、店主は頭がいいわね。
私にその話をすると言うことは、そう言うお金があり、お花を喜ぶ貴族を紹介しろといいたいのね。」
「さようです。
ソフィア様には、別でお礼をさせていただきます。」
「わかりました。
機会があれば。」
「よろしくお願いします。」
やはり私の武器は、貴族であること。
素敵な物と出会ったら、それを喜びそうな貴族に紹介する。
そのような商売が向いているのかしら。
イヴァンが邸に戻ると、庭園の方から楽しそうな話し声と共に、ソフィアが中心にいて、みんなでスコップを持っている。
どうやら新しい苗を植えているようだ。
ソフィアは、今日も庭園で花に囲まれて、笑顔でナットや他の使用人達と話している。
最近この邸で楽しそうな人の輪の中心には、必ず生き生きとしているソフィアがいる。
まるで、花のお姫様のような可憐さだ。
それにナットは、完全にソフィアを崇めているようで、うっとりと見つめている。
ソフィアが来る前は、この邸で人の笑い声など、ほとんど聞くことは無かった。
彼女はただ美しいだけでなく、人を惹きつける魅力があり、無口な僕には、眩し過ぎる。
だとしたら、ソフィアはあの兄と、どんな夫婦だったのだろう?
いや、彼女のことを考えるのはやめよう。
僕には関係のない話だし、兄とどうであったかなんて一番聞きたくて、聞きたくない。
僕は昔から兄も、その腕にぶら下がるようにくっついていた女性達も嫌いだった。
女性達の頭は空っぽで、兄の目の届かないところでは、他の男達に平気で媚びを売るような人達だった。
旧家では、兄の彼女が酔っ払って、アルコールの匂いを纏いながら、僕の寝室に入って来るようなこともあり、僕はそのような女性が、吐き気がするほど大嫌いだった。
だからこそ父に、兄の妻だった人と結婚しろと言われた時、この世の終わりだと思った。
だが何故か、実際にやって来たソフィアには、今までの兄の彼女達とは、全く違うような違和感を感じている。
今日はナットと一緒に、お花のお店を見に来ている。
広い店内とそれに続く庭園には、たくさんの種類のお花達が売られている。
「なるほど、こちらのお花達ですか?
とても美しいものですね。」
その中に見慣れない花達もあり、その花達は、いったいどこから来ているのだろう?
「店主、これらのお花はどこから、手に入れるのですか?」
「当店では、買い付け担当がおりまして、各地から種や苗を集めて来ています。」
「なるほど、だからこんなに色々種類の花がお店に並んでいるのですね?」
「夫人は、お花に興味がおありで?」
「はい、私は色々なことに興味がありまして、今日はナットについて来てしまったのですよ。
私は、ソフィアと申します。
よろしくね。」
「そうでしたか?
普通は、侯爵夫人ともなれば、個々の使用人と話すことも、ましてやその買い付けに同行するなど、聞いたことがないものですから。」
「ふふ、ご迷惑でなければいいのですが、夫が私の自由を許してくれるものですから。」
イヴァン様は、私が邸で何をしてようが、全く気にならないようすで、何も言って来ないし、会うこともないから、自由にさせてもらっている。
以前のファルター様との結婚の時は、彼は、自分の恋人との付き合いを誤魔化すために、私を邸に閉じ込めていた。
私が体調が悪く、妻の役目を果たせないから、夫は外に恋人を作らざるを得ないと、吹聴していたからだ。
何故私が、夫のためにそこまで?
とも思っていたが、邸の中にいる分には、自由にしていいとのことで、お母様の生活を支えるためには、それくらいは受け入れるしかないと思っていた。
だからこそ今、イヴァン様と再び結婚して、どうような制約が科されるのかと危惧していたが、イヴァン様は私のすることに無関心で、外にも自由に行ける。
だから私は、色々なことに興味を持ち、出歩くことが楽しくて仕方がない。
今の生活を満喫しているのだ。
今は侯爵夫人であっても、いずれただの民になる可能性があると思っているから、貴族夫人同士のお茶会などには、あまり興味がない。
貴族夫人との愚痴や噂話を延々と聞かされるくらいなら、離縁後にどのような商売をして生きて行こうかと、考えた方がいい。
私は、売られているお花を見ていると、色々な薔薇の花びらや形、色、香りまでも違うことが気になった。
「ソフィア様、こちらの薔薇達は、品種改良して作られています。
新しくできた花には、自分の好きな名前をつけれるのですよ。」
「それは素敵ね。
女性はとにかく薔薇が好きだから、新しい薔薇に自分の名前をつけたい人がいると思うわ。」
「はい。
愛する女性の名前をつけて、何かの記念に、男性がプレゼントするのも、喜ばれるかと。
ただ、品種改良して作るので、費用がかかりますので安くはないのです。」
「なるほど、店主は頭がいいわね。
私にその話をすると言うことは、そう言うお金があり、お花を喜ぶ貴族を紹介しろといいたいのね。」
「さようです。
ソフィア様には、別でお礼をさせていただきます。」
「わかりました。
機会があれば。」
「よろしくお願いします。」
やはり私の武器は、貴族であること。
素敵な物と出会ったら、それを喜びそうな貴族に紹介する。
そのような商売が向いているのかしら。
イヴァンが邸に戻ると、庭園の方から楽しそうな話し声と共に、ソフィアが中心にいて、みんなでスコップを持っている。
どうやら新しい苗を植えているようだ。
ソフィアは、今日も庭園で花に囲まれて、笑顔でナットや他の使用人達と話している。
最近この邸で楽しそうな人の輪の中心には、必ず生き生きとしているソフィアがいる。
まるで、花のお姫様のような可憐さだ。
それにナットは、完全にソフィアを崇めているようで、うっとりと見つめている。
ソフィアが来る前は、この邸で人の笑い声など、ほとんど聞くことは無かった。
彼女はただ美しいだけでなく、人を惹きつける魅力があり、無口な僕には、眩し過ぎる。
だとしたら、ソフィアはあの兄と、どんな夫婦だったのだろう?
いや、彼女のことを考えるのはやめよう。
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僕は昔から兄も、その腕にぶら下がるようにくっついていた女性達も嫌いだった。
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だからこそ父に、兄の妻だった人と結婚しろと言われた時、この世の終わりだと思った。
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